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日産、自動運転技術を活用した完成車の無人搬送システム「インテリジェント ビークル トーイング」を追浜工場に導入
「リーフ」をベースにした無人牽引車
2016年12月5日 18:39
- 2016年12月5日 発表
日産自動車は12月5日、自動運転技術を活用した完成車の無人搬送システム 「インテリジェント ビークル トーイング」を追浜工場に導入したと発表した。同システムは、EV(電気自動車)の「リーフ」をベースにした牽引車と台車で構成され、1度に最大3台の完成車を専用埠頭まで無人搬送することが可能。
牽引車は複数のカメラとレーザースキャナーを搭載し、そこから得た白線、路肩、障害物などの情報と地図データを組み合わせて自車の位置を正確に把握することで、目的地までのルートを工場内の制限速度で自動走行する。
ほかの車両や人に接近した場合には自動で停止し、一定以上の距離が確保されたと判断すると自ら再発進する。それぞれの牽引車の位置、車速、作動状況やバッテリ残量は、管制センターにてモニタリングすることができる。また、牽引車同士の進行ルートが交差する際は、管制センターにて優先順位を決定するほか、緊急時には遠隔でシステムを停止させることも可能。
従来から部品搬送に使用している無人搬送台車は磁気テープやレールを辿って走行していて、今回のシステムはそうしたインフラを敷設する必要がないため、生産工程や物流動線の変更に柔軟に対応しながら経路を設定する事が可能という。
同社はこれまで完成車は組立工場から専用埠頭まで専門のドライバーが完成車を1台ずつ運転して搬送してきたが、将来の日本における労働人口減少の対策の1つとして搬送業務の合理化に向けた方策の検討を進めてきた。
今回の追浜工場における試験運用はその取り組みの1つで、1年前から開始。既に累計1600回に渡る試験走行を実施しており、この間に得られたデータに基づき、構内での特定条件下における無人走行時のリスクに対応できる安全機能やフェールセーフ機能、天候や日照といった周辺環境の変化の中でも安定的に走行できる信頼性を確立してきた。
今後、追浜工場で更なる技術検証を重ねるとともに、将来的には国内外の他工場への導入も検討するとしている。