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日産、自動運転技術「ProPILOT(プロパイロット)」を採用した新型ミニバン「セレナ」

「プロパイロットエディション」を期間限定販売

2016年8月24日 発売

231万6600円~318万7080円

 日産自動車は8月24日、ミドルクラスミニバン「セレナ」をフルモデルチェンジして発売した。価格は231万6600円~318万7080円。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
B直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴CVT2WD(FF)2,316,600円
S2,435,400円
X直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴+モーター(SM24)2,489,400円
G2,847,960円
ハイウェイスター2,678,400円
ハイウェイスター プロパイロットエディション2,916,000円
ハイウェイスターG3,011,040円
ハイウェイスターG プロパイロットエディション3,187,080円
B4WD2,603,880円
X2,733,480円
G3,135,240円
ハイウェイスター2,965,680円
ハイウェイスター プロパイロットエディション3,176,280円

 セレナは1991年6月に「バネットセレナ」の車名で登場。デビューから25年が経過し、今回のモデルチェンジで5代目となる。7月には車両の内外装や技術概要、高速道路における単一車線での使用を前提とした自動運転技術「ProPILOT(プロパイロット)」を日産車として初搭載することなどが明らかにされており、これまでにCar Watchでは日産、今夏発売の新型「セレナ」に搭載する自動運転技術「ProPILOT(プロパイロット)」説明会日産、新型「セレナ」に自動運転技術「プロパイロット」初搭載して8月下旬発売日産、自動運転技術「プロパイロット」搭載の新型「セレナ」発表会【インプレッション】日産「プロパイロット」(新型セレナ)などの関連記事で誌面紹介してきた。

「ファミリー・マジカル・プレイグラウンド」をコンセプトに開発された5代目セレナは、歴代モデルで培ってきた「BIG」「EASY」「FUN」というミニバンとしてのコアニーズを継承しながら、スマートシンプルハイブリッドの「S-HYBRID」による最高17.2km/Lの環境性能、自動運転技術「ProPILOT(プロパイロット)」による運転支援システムという新たな魅力を加え、5つのセールスポイントで「家族みんなが楽しめるセレナ」としている。

 外観デザインは従来と同じく、標準仕様となる「セレナ」とスポーティテイストを強調した「セレナ ハイウェイスター」の2本立て。次世代日産デザインを象徴する「Vモーション」のフロントグリル、フロントフェンダーからドアパネル、リアフェンダーに掛けて有機的にうねるラインを描く「シュプールライン」、リアコンビネーションランプの「ブーメランランプシグネチャー」といった基本デザインは共通としながら、ハイウェイスターではフロントマスクのバンパー中央をブラックアウトして大きな開口部とエッジを効かせたバンパー両サイドの形状などによって力強い存在感を演出。逆にセレナでは優雅さや気品をデザインで表現している。

セレナ ハイウェイスターのボディサイズ(2WD車)は4770×1740×1865mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1875mm)で3ナンバー車となる
セレナのボディサイズ(2WD車)は4690×1695×1865mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1875mm)で5ナンバー車となる
ハイウェイスター専用ボディカラーの「マルーンレッド×ダイヤモンドブラック」

 ボディカラーは新色の「マルーンレッド」「カシミアグレージュ」の2色に加え、「マルーンレッド×ダイヤモンドブラック(ハイウェイスター専用)」「ブリリアントホワイトパール×ダイヤモンドブラック」「ダイヤモンドブラック×ブリリアントシルバー」「カシミアグレージュ×インペリアルアンバー」という4種類の2トーンカラーをラインアップ。計13種類のバリエーションが用意されている。

「ブリリアントホワイトパール×ダイヤモンドブラック」
「ブリリアントホワイトパール」
「カシミアグレージュ×インペリアルアンバー」
「ブリリアントシルバー」
「アズライトブルー」
「シャイニングブルー」

 多彩なボディカラーとコーディネートして、インテリアカラーもフェザーグレー、ブラック、グレージュなど5種類をグレード別に2種類、または3種類から選択できるよう設定。なかでもオプション設定となる「プレミアムインテリア」は、ジャガード織物のシート表皮に「ビスコテクスグラデーション」を用いて繊細な色変化を実現。車両用ファブリックとして世界初という「グラデーションシート」となっており、座面やシートバック下側は汚れが目立たないダークブラウンとしつつ、シートバックの上側に行くにしたがって明るいモカベージュに変化していく演出が施されている。

B、Sグレード以外でオプション選択できる「プレミアムインテリア」。インパネやドアトリム、シートの高い位置など目線に近いエリアを明るいモカベージュ、ステアリングやシートの座面などをダークブラウンとており、シートバック中央は世界初の「グラデーションシート」となっている
ハイウェイスターの「STYLISH SPORTY」インテリア(グレージュ)
ハイウェイスターの「DIGNIFIED RICH」インテリア(ブラック)
セレナの「RELAX COZY」インテリア(フェザーグレー)
セレナの「URBAN CASUAL」インテリア(ブラック)

 また、車内のユーティリティや開放感を高めるためパッケージングやシート構造などを追求。室内寸法は3240×1545×1400mm(室内長×室内幅×室内高)で、先代セレナから長さが180mm、幅が65mm拡大。この室内長と室内幅はクラス(全高1800mm以上の1.5リッター~2.0リッタークラス8人乗りミニバン。3列目シートスライド装着車)No.1としている。さらにこれまで前後位置が固定となっていたサードシートは前後に120mmスライド可能になり、セカンドシートは横方向のスライド機構が追加されたことでリアタイヤの張り出しを回避できるようになって690mmのロングスライドを実現して車内の居住性が高められている。また、運転席は座面位置の調整によってアイポイントを高め、Aピラーのスリム化とメーターパネルを横方向に広げて高さを抑えたことで運転視界を確保。サードシートも座面高を20~30mm高めており、前方にあるヘッドレストを穴あきタイプにすることで開放感を高めた。

 このほかにもシートでは、セカンドシートのシートベルトをバックレスト内蔵型としたことでチャイルドシートを固定している状態でもサードシートの乗員がスライドドアから乗降できるようになり、スライドドアの開閉スイッチをサードシートの側面に新設。セカンドシートは女性や子供でも扱いやすいよう、シートレールにベアリングを設定し、先代セレナの約半分の力でスライドする設計としている。

 ユーティリティ面ではこのほかに、世界初となる「ハンズフリーオートスライドドア」を設定。インテリジェントキーを持った状態でスライドドアの下側につま先を近づけて離すという動作を行なうことで、スライドドアの側面と下側に設定された静電センサーがアクションを検知。荷物などで両手がふさがっている状態でもスライドドアを開けて車内に入れるようになっている。また、上下2分割で開閉できる「デュアルバックドア」を全車に標準装備。鋼板製のバックドアの上半分に樹脂製ドアを備える2ドア構造とすることで、車両後方にスペースがない場所でも上半分だけを開けて荷物の出し入れが可能で、つま先上がりの駐車状態でもフラットなフロアから荷物が転がり落ちない装備となっている。さらにリッドを開けて給油ノズルを差し込むだけで給油できる「キャップレス給油口」も全車で採用。給油キャップに触れて手が汚れずに済み、給油キャップの締め忘れ、置き忘れといったトラブルとも無縁となっている。

世界初の「ハンズフリーオートスライドドア」は、ハイウェイスターGに両側対応で標準装備。ハイウェイスターに両側、または助手席側をオプション設定する
内蔵式の給油キャップを給油ノズルで押し開けるタイプの「キャップレス給油口」は全車標準装備

 パワートレーンでは、直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴の「MR20DD」エンジンとCVTを組み合わせる基本構成に変更はないが、エンジンは型番こそ変わらないもののピストン形状の見直しまで実施して大幅にリファイン。スペックは従来型(2WD車)の最高出力108kW(147PS)/5600rpm、最大トルク210Nm(21.4kgm)/4400rpmから最高出力110kW(150PS)/6000rpm、最大トルク200Nm(20.4kgm)/4400rpmに変更。S-HYBRIDのモーターは「SM23」から「SM24」にスイッチされて最高出力1.9kW(2.6PS)、最大トルク48Nm(4.9kgm)となり、JC08モード燃費は従来型の12.6km/L~16.0km/Lから15.0km/L~17.2km/Lに向上。S-HYBRIDモデル 2WD車の17.2km/Lはクラス(全高1800mm以上の1.5リッター~2.0リッタークラス8人乗りミニバン。3列目シートスライド装着車)No.1とアピールしている。

 走行性能では車体剛性の強化とショックアブソーバーのサイズアップ&高性能バルブの採用などにより、走行中の安定感を向上させ、段差を乗り越えたときなどのショックを低減して快適な乗り心地を実現したほか、電動パワーステアリングに操舵力の最適チューニングを実施。交差点や車庫入れといった低速域ではアシスト力を強くして軽快に操作でき、速度が高い高速道路などではアシストを控えめにしてしっかりとした手応えを表現している。このほか、フロントドアにペイントシールを追加し、後輪のホイールハウス内のライニングを従来の樹脂部品から吸音性能を持つ部材に変更してキャビンの静粛性を向上させている。

セレナとハイウェイスターの走行イメージ
自動運転技術「プロパイロット」の作動イメージ

 5代目セレナの注目装備となっている自動運転技術のプロパイロットは、「LDP(車線逸脱防止支援システム)」「アラウンドビューモニター(MOD[移動物検知]機能付)」「踏み間違い衝突防止アシスト」「インテリジェントパーキングアシスト」「SRSカーテンエアバッグシステム&サイドエアバッグシステム(前席)」「スマート・ルームミラー」などの各種装備とセットされた「セーフティパックB」として、B、Sグレード以外のモデルにオプション設定される。なお、価格表内にある「プロパイロットエディション」の各車は、プロパイロットに加えてハンズフリーオートスライドドア、16インチアルミホイール(2WD車)などを標準装備した、2017年3月末までの期間限定で販売される特別仕様車となる。

 このほかに先進装備では、シグネチャーLEDポジションランプ付きのLEDヘッドライトをG、ハイウェイスターGに標準装備し、Bグレード以外にオプション設定。スマート・ルームミラーはスペックが向上してデジタル化され、フレームレートが30fpsから60fpsに進化して動きのある物体を滑らかに表示可能になったほか、HDR(ハイダイナミックレンジ)機能を新採用して明暗差が大きいシーンを見やすく表示できるようになっている。

フロントウィンドウにあるプロパイロット用単眼カメラは、前方の車両が減速して車間距離が減少したときに衝突の回避や被害を軽減する「エマージェンシーブレーキ」にも対応。車両だけでなく、歩行者などの障害物も検知してブレーキを作動させる
グレードセレナ Bセレナ X(4WD)セレナ ハイウェイスターG
トランスミッションCVT
駆動方式2WD(FF)4WD2WD(FF)
定員[名]8
全長×全幅×全高[mm]4690×1695×18654690×1695×18754770×1740×1865
ホイールベース[mm]2860
前後トレッド[mm]1480/14851485/14801480/1485
最低地上高[mm]160140160
室内長×室内幅×室内高[mm]3170×1545×14003170(サードシートスライド付車は3240)×1545×14003240×1545×1400
エンジン直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴
最高出力110kW(150PS)/6000rpm
最大トルク200Nm(20.4kgm)/4400rpm
モーターSM24交流同期電動機
最高出力1.9kW(2.6PS)
最大トルク48Nm(4.9kgm)
JC08モード燃費[km/L]15.015.816.6
重量[kg]162017401700
ステアリング形式ラック&ピニオン
前/後サスペンションマクファーソン・ストラット式/トーションビーム式
主ブレーキ形式ベンチレーテッドディスク式/ディスク式ベンチレーテッドディスク式/ベンチレーテッドディスク式ベンチレーテッドディスク式/ディスク式
タイヤ195/65 R15 91H195/60 R16 89H