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日産、“家族史上、最高でかけたくなる”新型「セレナ e-POWER」発表会

「ミニバンの価値観を大きく変える」と星野専務がアピール

2018年2月28日 開催

3月1日に発売する新型「セレナ e-POWER」の発表会を開催

 日産自動車は2月28日、3月1日に発売する新型「セレナ e-POWER」の発表会を日産グローバル本社ギャラリー(神奈川県横浜市西区高島)で開催した。同モデルの価格は296万8920円~340万4160円。

 セレナ e-POWERはガソリンエンジンで発電し、その電力を利用してモーターの力で走行できるという、「ノート e-POWER」に続くe-POWERシリーズの第2弾モデル。

 エクステリアではフロントグリルにブルーアクセントを施すとともに、専用の15インチアルミホイール、ルーフサイドスポイラーを新たに採用して空力を向上。インテリアではシフトバイワイヤー機能のシフトノブをはじめ、ブルーアクセントのイルミネーションを大型のマルチセンターコンソールトレイにあしらうなど、より先進的なイメージを強調するデザインが与えられた。

 パワートレーンについては、最高出力62kW(84PS)/6000rpm、最大トルク103Nm(10.5kgm)/3200-5200rpmを発生する直列3気筒DOHC 1.2リッター「HR12DE」エンジンに136PS/320Nmの「EM57」モーターを組み合わせ、JC08モード燃費は全グレードで26.2km/L(装備内容によって異なる)を達成している。

直列3気筒DOHC 1.2リッターエンジンにEM57モーターを組み合わせるセレナ e-POWER。全車7名乗車仕様&2WD(FF)のみの展開
上下2分割で開閉できる「デュアルバックドア」といったセレナならではの装備はそのままに、エクステリアではVモーショングリルにブルーカラーのアクセントを採用するとともに3本ラインのLEDストップランプを専用装備。ピアノ調黒艶塗装のリアサイド・スポイラー、切削ツートン塗装の15インチアルミホイールもセレナ e-POWERならではの装備(写真はe-POWER ハイウェイスター V)
直列3気筒DOHC 1.2リッター「HR12DE」エンジンは最高出力62kW(84PS)/6000rpm、最大トルク103Nm(10.5kgm)/3200-5200rpmを発生。これに136PS/320Nmの「EM57」モーターを組み合わせる
インテリアではシフトノブやスタータースイッチにブルーのアクセントが入るとともに、メーターまわりにブルーアクセント・フィニッシャーを採用。ブルーライティングによる間接照明付きのフロントセンタートレイも専用装備。また、新たに採用されたバッテリーをほぼ満タン(約90%)にする「チャージモード」、バッテリー残量に関わらず可能な限りバッテリーのみで走行する「マナーモード」はカーナビゲーション下のスイッチで操作する
こちらはオーテックジャパンが手掛ける、セレナ e-POWERをベースにしたカスタムカー「AUTECH」。「e-POWER ハイウェイスター」をベースにしており、LEDヘッドライトとLEDフォグランプを標準装備するとともに、ドットデザインのフロントグリルやメタル調フィニッシュのフロント&リアプロテクターなどを採用。15インチアルミホイールも専用装備する。価格は382万1040円
同じくオーテックジャパンからリリースされる、福祉車両「ライフケアビークルシリーズ」の「セレナ e-POWER チェアキャブ スロープタイプ」。車いすは3列目シートの左右を格納して乗車でき、車いす1名を含めて5名が乗車できる。車いすに乗る人が乗車しない場合の乗車定員は7名。価格は353万1000円~372万5000円

 発表会では日産自動車 専務執行役員の星野朝子氏が挨拶を行なうとともに、日本マーケティング本部の町田修一氏が登壇してセレナ e-POWERの概要を紹介。また、お笑いコンビ・FUJIWARAの藤本敏史氏とタレントの藤本美貴さんによるセレナ e-POWERを主題としたトークショーも行なわれた。

日産自動車株式会社 専務執行役員の星野朝子氏
日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 チーフマーケティングマネージャーオフィス チーフマーケティングマネージャーの町田修一氏
お笑いコンビ・FUJIWARAの藤本敏史氏(左)とタレントの藤本美貴さん(右)
2人からは静粛性やスムーズな加速といった、セレナ e-POWERの魅力が語られた

 はじめに登壇した星野氏は、「セレナ e-POWERは“家族史上、最高でかけたくなる。”をメッセージとして、もっと多くの皆さまにさらに最高の笑顔や感動をお届けできると思っています。セレナは『BIG』『EASY』『FUN』を商品コンセプトとしており、このコンセプトのもと日本の自動車メーカー初の自動運転技術“プロパイロット”を搭載して2016年秋にデビューしました。セレナを購入されるお客さまの未だに半数はプロパイロットを搭載して運転いただいています。プロパイロット搭載のセレナが、家族みんなで楽しく、楽チンで安心、安全、便利といった価値をご提供させていただいていると思っています」と、ベースのセレナについて紹介。

セレナ e-POWERの商品メッセージ

 そして今回のセレナ e-POWERについては、「e-POWERはノートに搭載して爆発的なヒットをいただいております。セレナ e-POWERは電動化と自動化の技術が融合した、まさにニッサン インテリジェント モビリティそのもののクルマに仕上がりました。システムはEV(電気自動車)『リーフ』で培った電動化の技術などを用い、他車に類を見ない世界初のパワートレーンと言えると思います。EVと同じくストレスのないスムーズな走り、高い静粛性と燃費効率、アクセルペダルだけで加速、減速もできるe-POWERならではの“ひと踏み惚れ”というe-POWER Driveにより、ひと踏みすれば誰をも魅了するという感動の走りを実現します。この素晴らしい技術を、こんなに楽しいドライブ感覚をもっと多くのお客さまに体感していただきたい、大切なご家族と一緒に乗っていただきたいという思いからセレナ e-POWERは誕生しました。一緒に乗られるご家族の皆さまにも、“家族史上、最高”を感じていただけると思います。ミニバンの価値観を大きく変えるものだと確信しています」とアピールした。

 一方、車両概要を説明した町田氏は、「セレナは1991年の発売以降、現行モデルが5代目になります。当初から守ってきた価値は『家族のためのミニバン』であること。その価値を『BIG』『EASY』『FUN』と表現し、ナンバー1の室内空間、全ての人が実感できる使いやすさ、そして家族みんなが楽しめるセレナ時間という3つの要素を守ってきました。そして現行のセレナにはこの3つの要素を強化するものとして、とくにロングドライブ時に運転を楽しくするプロパイロットという自動運転技術を搭載しました。そして今回e-POWERを搭載することになり、e-POWERを簡潔に申しますと発電専用のエンジンを持ったEVであり、100%電気モーター駆動のモデルということになります。このe-POWERを、家族のためのミニバンのセレナに搭載することにより、私たちは“家族史上、最高でかけたくなる。”ミニバンを実現しました。これは日産が考えるニッサン インテリジェント モビリティの電動化、自動運転化でできることの全てをセレナに搭載し、いち早く多くの家族の皆さまに使っていただきたいという私たちの思いです」と、セレナ e-POWERを開発した経緯について説明。

セレナの商品コンセプト
e-POWERについて

 また、セレナ e-POWERの特徴については「アクセルどおりに、スッと発進、スムーズに加速」「e-POWER Driveによるラクで楽しい運転操作」「会話が弾む1クラス上の静かな室内空間」「おでかけが増えても大丈夫! クラスNo1の低燃費」の4点が挙げられ、それぞれの項目ごとに紹介。

セレナ e-POWERの特徴

 発進&加速では、「100%モータードライブの特性として、アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、発進→加速のタイムラグが非常に短いということが挙げられます。そのため、ご家族全員のお出かけにおいても、多くの荷物を載せていただいてもスムーズな発進と加速で快適にお出かけができます。例えば、躊躇しがちな交差点での右折、こうしたシチュエーションでもスッと発進してスムーズな加速で安全に曲がることができます。これは、リーフで培われた緻密なモーターの制御技術があるからこそ実現できた運転のしやすさです」と述べるとともに、ドライブモードについては燃費と加速を両立させたモードの「S(smart)」、Sに比べてより燃費を重視したモードの「ECO」、そして「Normal」の3モードがあることを紹介。セレナ e-POWERでもワンペダルで加減速を行なえることに触れ、「日本は世界でも稀に見る信号大国。そのなかで、当社の調べでありますが(e-POWER Driveにより)アクセルとブレーキの踏み換え回数が7割も減ったというデータがあります。さらにこの機能は停止直前の挙動も非常に穏やかで、いわゆる首がカックンとなるようなブレーキを解消します。そのため、ご家族が同乗されていてもブレーキで不快な思いをすることはありません」とアピール。

 また、セレナ e-POWERではフロントガラスに遮音中間膜を入れるとともに、日産初採用となる4層構造のセンターカーペットの装備、ダッシュインシュレーターの構造変更など静粛性が高められており、このことについて町田氏は「競合他車はもちろん、車格が上のミニバンをもしのぐ静粛性を誇ります。私の体感としましては、3列目に乗っておられる方の普通のしゃべり声が運転席や助手席にも届く、これくらいの静かさを誇ります。このことで移動中の会話が弾み、移動の時間も楽しみになるのは間違いないと思います」と述べるとともに、今回新たに採用したバッテリーをほぼ満タン(約90%)にする「チャージモード」、バッテリー残量に関わらず可能な限りバッテリーのみで走行する「マナーモード」により、深夜に帰宅する際に幹線道路で「チャージモード」を用いてバッテリー充電を行ない、自宅付近で「マナーモード」にしてバッテリー走行で静かに帰宅するといった使い方が可能になることを解説した。

 そしてJC08モード燃費26.2km/Lを達成したことにも触れ、「これもセレナ e-POWERの経済性の高さを示すものだと思います。お出かけするときに、経済的な面でも躊躇がなくなると思います。本日、セレナ e-POWERのご説明をさせていただきましたが、一番大切なことはセレナは家族のためのミニバンであるということです。さらに、日産自動車が進めるe-POWERに象徴される電動化、プロパイロットに象徴される自動運転化技術、これがセレナをお使いいただくご家族の生活をさらに豊かにし、毎日をアグレッシブなものにしていくと信じております。その思いを込めて、“家族史上、最高でかけたくなる。”をセレナ e-POWERのコミュニケーションワードとし、今後皆さまにご実感いただきたいと思っています」と話したほか、日産グローバル本社ギャラリーでセレナ e-POWERの発売を記念した写真展「家族史上、最高写真展」を開催(2月16日~3月14日)していることにも触れ、「この写真のような素敵な家族の笑顔をセレナ e-POWERで作っていただきたい。それが私たちの思いです」とアピールしてプレゼンテーションを終えている。

ミニバンに最適な加速特性を備える
3つのドライブモードについて
e-POWER Driveによりアクセルとブレーキの踏み換え回数が7割も減ったという
静粛性も高められた
新機能の「チャージモード」と「マナーモード」について
JC08モード燃費は26.2km/L