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レクサス、新型フラグシップクーペ「LC」発売。1300万円から

V8 5.0リッター+10速ATの「LC500」、V6 3.5リッター搭載のハイブリッド「LC500h」

2017年3月16日 発売

1300万円~1450万円

新型フラグシップクーペ「LC」(写真はLC500)

 レクサス(トヨタ自動車)は3月16日、新型フラグシップクーペ「LC」を発売した。価格は、V型8気筒5.0リッターに10速ATを組み合わせる「LC500」が1300万円~1400万円、V型6気筒エンジンと走行用モーターに自動変速機構を組み合わせるマルチステージハイブリッドシステム搭載の「LC500h」が1350万円~1450万円。

LC500
モデルエンジン変速機駆動方式価格
LC500V型8気筒DOHC 5.0リッター10速AT2WD(FR)13,000,000円
LC500“L package”13,000,000円
LC500“S package”14,000,000円
LC500h
モデルエンジン変速機駆動方式価格
LC500hV型6気筒DOHC 3.5リッターマルチステージハイブリッドトランスミッション2WD(FR)13,500,000円
LC500h“L package”13,500,000円
LC500h“S package”14,500,000円

 LC500は、2016年のデトロイトモーターショーで世界初公開されたレクサスブランドのクーペとして頂点に立つ新型ラグジュアリークーペ。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)ルーフ、フロント6ピストンキャリパー、20インチ鍛造アルミホイール&ランフラットタイヤ(フロント245/45 RF20、リア275/40 RF20)、予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」、運転席・助手席アルカンターラ/本革スポーツシートなどがベースグレードから標準装備となり、CFRPルーフの代わりとなるガラスパノラマルーフ、運転席・助手席セミアニリン本革シートなどを装備するラグジュアリー仕様の「“L package”」、トルセンLSD、LDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)、21インチ鍛造アルミホイール、アクティブリアウイング(格納式)、アルカンターラのルーフ/サンバイザー/ピラー・ルーフサイドガーニッシュ/パッケージトレイなどを装備するスポーツバージョンの「“S package”」が用意される。

V型6気筒DOHC 3.5リッターエンジンにマルチステージハイブリッドトランスミッションを組み合わせる「LC500h」

 エクステリアデザインは、2012年のデトロイトモーターショーで公開したFCV(燃料電池車)のコンセプトカー「LF-FC」をモチーフとし、新開発の「GA-Lプラットフォーム」採用による骨格を活かして走行性能の要件とデザインの狙いを合致させた独創的なデザインに仕上げた。ボディサイズは4770×1920×1345mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2870mm。スポーツクーペ「RC」と比べ75mm長く、80mm広く、50mm低いプロポーションを実現。ホイールベースは140mm長くなる。

 具体的には、低重心かつ低い全高とワイドな全幅によりアグレッシブなスタンスを目指し、4隅のタイヤを強調するフェンダーが張り出した抑揚ある立体構成でクーペとしての機敏さを表現。フロントまわりでは、下部から上部に開口比率を粗から密に変化させるデザインのスピンドルグリルを中心に、新開発の超小型3連LEDヘッドライトユニットやL字型に発光するLEDクリアランスランプ(デイライト機能付き)などを採用。リアまわりではスピンドル形状のテーマを採用し、テールランプ外側から縦下方向に伸びたターンシグナルランプ、ディフューザー左右下端の配置と合わせて重心の低さとワイド感を強調している。

 ボディカラーは、下地に現行カラーの中塗りのなかでもっとも白いものを採用し、濃度の高いイエローベースと組み合わせることで高彩度の発色を実現した新開発の「ネーブルスイエロー」を筆頭に全11色を設定する。

幻想的で非日常的な世界観を訴求する新開発の特別内装色「ブリージーブルー」。“L package”にオプション設定

 インテリアでは、コクピットの両サイドにドライバーを包むホールド感のあるデザインを施すとともに、走りに直結する操作系はステアリングを中心にドライバーまわりに、情報系はドライバー側から優先順位をつけて視線が乱れないように水平にレイアウト。また、ステアリングにはレクサス初となる365φの小径ステアリングを採用したほか、マグネシウム製のパドルシフト、レクサスFRモデル初のエレクトロシフトマチックなどを装備。

 また、ドライブモードセレクトスイッチやアナログクロック、助手席前オーナメントパネルなどにL字パターンのレリーフを採用することで、スポーティイメージの訴求と車内の統一感を図ったほか、鏡面の周囲に樹脂カバーのないフレームレスインナーミラー、ベゼルのないシンプルなインサイドドアハンドル、新開発となる表皮素材と金属素材を緻密に融合させた電子キーなども採用している。

 新開発の「GA-Lプラットフォーム」ではフロントミッドシップレイアウトを採用し、エンジンなどの重量物を車両中心近くに配置。加えて軽量のCFRPやアルミ部材を活用することで重心を下げるとともに、慣性モーメントを低減することで回頭性に優れたハンドリングを実現。フレーム全体のねじれ特性を均一化することで、コーナリング時の姿勢変化を滑らかにしているという。

 また、前後ともに新開発のサスペンションを採用。フロントのハイマウントマルチリンクサスペンションでは、運転操作や路面からの入力に対してより細かな動きをコントロールできるダブルジョイント式上下4本アーム構造を採用するとともに、アームを低く配置することでオプションの21インチ鍛造アルミホイール(フロント245/40 RF21、リア275/35 RF21)の装着や低いフード高を実現させた。

 加えてサスペンションタワー部にはアルミダイキャストを採用した。アルミダイキャストを採用するにあたり、アルミとスチールでは金属特性が異なるため接触するとスチールが錆びやすくなること、そもそもアルミの方が融点(熱で溶ける温度)が低いため接合する際の技術が課題だったという。今回、その2つの課題をクリアする接合技術(セルフピアッシングリベットと接着剤)を用いることで高剛性のアルミダイキャストとスチールボディの結合を実現している。

最高出力351kW(477PS)/7100rpm、最大トルク540Nm(55.1kgm)/4800rpmを発生するV型8気筒DOHC 5.0リッター「2UR-GSE」エンジン

 パワートレーンについては、「RC F」にも搭載されるV型8気筒DOHC 5.0リッター「2UR-GSE」エンジンに新開発の10速ATの組み合わせと、V型6気筒DOHC 3.5リッター「8GR-FXS」エンジンとハイブリッドシステムに有段ギヤを組み合わせた世界初の機構「マルチステージハイブリッドシステム」の組み合わせを用意。

 V8エンジン搭載車では、自然吸気エンジンに求められる優れたレスポンスと躍動的なエンジンサウンドを実現するとともに、直噴機構「D-4S」やアトキンソンサイクル化などによって燃費性能も高めた。また、チタン製吸排気バルブや鍛造クランクシャフトなどの採用で軽量化を図ったほか、新たにデュアルエアクリーナーを採用することで吸入圧損を低減するとともに、高回転域では吸入空気量を増大させることに成功。これらにより、最高出力は351kW(477PS)/7100rpmとRC Fと共通になるが、最大トルクは540Nm(55.1kgm)/4800rpmと10Nm(1.1kgm)増になる。JC08モード燃費は7.8km/L。

 また、滑らかな変速、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)に負けない変速スピードとダイレクト感を追求して開発された10速ATでは、シフトチェンジ時の心地よいフィードバックと切れ味に優れる変速とともに、構成部品のアルミ化によって軽量化と部品の小型化を実現。アクセルやブレーキ、車両のG(重力加速度)からドライバーの意図を読み取り、最適なギヤを選択するという新制御も用いられている。

ハイブリッド車に搭載されるV型6気筒DOHC 3.5リッター「8GR-FXS」エンジン。最高出力は220kW(299PS)/6600rpm、最大トルクは356Nm(36.3kgm)/5100rpmで、これに最高出力132kW(180PS)、最大トルク300Nm(30.6kgm)の「2NM」モーターを組み合わせる

 一方のハイブリッド車に採用されるマルチステージハイブリッドシステムでは、高回転化したV6エンジンと走行用モーター両方の出力を制御することで、低速から力強い駆動力を生み出すパワフルな走りを実現。加えて全域でシステム効率の高い動作点を選択するとともに、EV走行領域も拡大することで、エモーショナルな走りと燃費性能に優れた快適なクルージング走行を実現したという。

 V6エンジンの最高出力は220kW(299PS)/6600rpm、最大トルクは356Nm(36.3kgm)/5100rpmで、これに最高出力132kW(180PS)、最大トルク300Nm(30.6kgm)の「2NM」モーターを組み合わせ、システム全体で264kW(359PS)を発生。JC08モード燃費は15.8km/Lとなる。

LC主要諸元

LC500LC500h
全長×全幅×全高(mm)4,770×1,920×1,345
ホイールベース(mm)2,870
トレッド(前後[mm])1,630/1,635
最低地上高(mm)135140
車両重量(kg)1,9402,000
エンジンV型8気筒DOHC 5.0リッター「2UR-GSE」V型6気筒DOHC 3.5リッター「8GR-FXS」
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm]351(477)/7,100220(299)/6,600
エンジン最大トルク[Nm/rpm]540(55.1)/4,800356(36.3)/5,100
モーター最高出力[kW(PS)/rpm]-132(180)
モーター最大トルク[Nm/rpm]-300(30.6)
システム最高出力[kW(PS)]-264(359)
JC08モード燃費[km/L]7.815.8
トランスミッション10速ATマルチステージハイブリッドトランスミッション
タイヤフロント245/45 RF20、リア275/40 RF20
ラゲッジルーム容量(L)約197約172