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ピレリ、ラベリング制度「A-b」獲得の小型車~中型車向けタイヤ「チントゥラート P6」発表会
転がり抵抗を10%改善し、ウェット制動距離を3%短縮した日本市場専用タイヤ
2017年3月29日 00:00
- 2017年4月1日から順次発売
- オープンプライス
ピレリ ジャパンは、日本市場専用の小型車~中型車向けタイヤ「Cinturato(チントゥラート)P6」を4月1日から順次発売する。サイズラインアップは175/65 R14 82H~215/50 R17 95V XLの計21サイズで、価格はオープンプライス。タイヤのラベリング制度で転がり抵抗性能「A」、ウェットグリップ性能「b」を全サイズで獲得している。
チントゥラート P6サイズ表
インチ | タイヤサイズ |
---|---|
17インチ | 215/50 R17 95V XL |
205/50 R17 93V XL | |
215/55 R17 94V | |
16インチ | 205/55 R16 91V |
225/60 R16 102V XL | |
215/60 R16 99V XL | |
205/60 R16 92V | |
195/60 R16 89H | |
215/65 R16 98H | |
205/65 R16 95H | |
15インチ | 195/55 R15 85V |
195/60 R15 88V | |
185/60 R15 84H | |
205/65 R15 94V | |
195/65 R15 91V | |
185/65 R15 88H | |
175/65 R15 84H | |
14インチ | 195/60 R14 86H |
185/60 R14 82H | |
185/65 R14 86H | |
175/65 R14 82H |
3月28日に都内で開催されたチントゥラート P6の新製品発表会では、まずピレリ ジャパン 代表取締役社長 CEOのディミトリオス・パパダコス氏が登壇。2016年の9月1日に就任してまだ半年ほどのパパダコス氏は、自身が1996年からピレリで働いており、日本に来る前は欧州、東欧など11カ国を担当していたという経歴を紹介。
1872年に創業したピレリはイノベーションを重視する革新的な会社であり、現在は世界第5位のタイヤメーカー。プレステージ向け、プレミアム向けのクルマに対応するタイヤを主に扱っており、世界のマーケットに新しい製品を届けるための継続的な投資として、売り上げの3%をR&Dに充てているという。また、ピレリが最も重要な点として目指す目標は「エンドユーザーのみなさまに、運転によるドライビングエクスペリエンスを楽しんでもらうこと」だた1つであると解説した。
チントゥラート P6の具体的な製品紹介は、ピレリ ジャパン プロダクト マーケティング マネージャーの市川仁氏が担当。
市川氏は新しいチントゥラート P6がピレリが推進してきた環境対応製品「グリーン・パフォーマンスシリーズ」の中核を成すチントゥラートの新しいラインアップになり、このチントゥラートという名前がイタリア語で「ベルトを巻いた」という意味で、1950年代にピレリがラジアル構造のベルトを巻いたタイヤとして初めて発表されたタイヤから名称を受け継いでいることを紹介。1990年代以降は一時的に使われなくなっていたが、2008年に「運動性能」「快適性」「経済性」「環境性」などを兼ね備えるトータルバランスを目指したタイヤとして復活させたという歴史を説明した。
その後、2010年から日本で低燃費タイヤのラベリング制度がスタートし、さらに欧州でもラベリング制度が法制化された流れを受け、よりエコロジー性能の高いタイヤとして「チントゥラート P1」「チントゥラート P1 ベルデ」「チントゥラート P7 ブルー」といったラベリング制度に対応する製品が登場。新たに発売されるチントゥラート P6はチントゥラート P1の受け持ってきた小型~中型乗用車の製品レンジに対応して、より低い転がり抵抗、乗り心地のよさや安全性などを追求してバランスのとれたタイヤになっているという。
チントゥラート P6は、従来製品となるチントゥラート P1と比べてフラットでより広い接地面積を手に入れるタイヤの断面形状(プロファイル)を採用し、耐摩耗性と耐アクアプレーニング性能を維持しながら、これまでのピレリ製品で深め(約8.5mm~約9.0mm)に設定していたストレートグルーブの深さをわずかに浅めに調整。トレッドゴム自体もわずかに薄くすることでタイヤの重量を軽量化して、転がり抵抗を大幅に改善している。
トレッドパターンでは従来製品から5%接地面積を拡大したことでドライ&ウェットグリップを高め、接地圧の分布も最適化してコーナーリング時のグリップ力を高めたほか、転がり抵抗の低減にも貢献。新採用したパターンデザインではストレートグルーブの幅を拡大したほか、両サイドの横溝と連続させて排水性を向上。従来製品からウェット制動距離を3%短縮しており、さらにピッチ配列を変更してノイズ周波数の振幅低減で静粛性を向上させている。
トレッドコンパウンドには転がり抵抗を抑制する「フルシリカコンパウンド」、転がり抵抗とウェットグリップのバランスを保つ「機能化ポリマー」を採用しており、加硫サイクルでも見直しを実施。新しく採用した部材が機能を発揮しやすくなるような加硫時間の研究に取り組み、より速い加硫サイクルを導入することでほかの領域の性能を損なうことなく転がり抵抗のさらなる低減を実現しているという。