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【鈴鹿8耐 2017】決勝スタートから4時間経過。21号車ヤマハの独走で後半へ

雨とセーフティカーで混乱した序盤〜中盤。ヨシムラ、ムサシは転倒

2017年7月27日~30日 開催

3連覇に向けて走行する21号車ヤマハ ファクトリー レーシング チーム(マイケル・ファン・デル・マーク、アレックス・ロウズ、中須賀克行)

 7月30日、三重県・鈴鹿サーキットで「2016-2017 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第40回記念大会」(以下、鈴鹿8耐)決勝レースのスタートが切られた。

 11時30分の決勝スタートから4時間経過時点、レースは21号車ヤマハが2番手におよそ1分40秒の差をつける独走という展開で、後半へ続く。ここではおおよそ前半4時間までのレース模様をお伝えする。

2017年の鈴鹿8耐、世界耐久シリーズ最終戦がいよいよスタート
スタート前、グリッド脇で出番を待つ21号車ヤマハ ファクトリー レーシング チーム(左からマイケル・ファン・デル・マーク、アレックス・ロウズ、中須賀克行)
634号車MuSASHi RT HARC-PRO.Honda(左から中上貴晶、高橋 巧、ジャック・ミラー)
11号車Kawasaki Team GREEN(左からアズラン・シャー・ビン・カマルザマン、レオン・ハスラム、渡辺一馬)
5号車F.C.C.TSR Honda(左からステファン・ブラドエル、ドミニク・エガーター、ランディ・ドゥ・プニエ)

コース半分がドライ、コース半分が雨の序盤

 コース東側となるスタート地点のホームストレート付近はドライだったが、西コースでは雨が降る微妙なコンディションで、11時30分を迎える。

 ライダーがホームストレートの観客席側から走り、ピット側に置いてあるマシンに駆け寄る、ル・マン式のスタート。ポールポジションの21号車ヤマハ ファクトリー レーシング チームのトップバッター中須賀克行選手は、ワンテンポ遅れて発進し、1コーナーまでに4、5台にパスされる。

 ホールショットを決めたのは予選4番手からジャンプアップしたレオン・ハスラム選手が駆る11号車Kawasaki Team GREEN、次いで634号車MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの高橋巧選手。

スタート。ホールショットは11号車

 しかし、21号車はオープニングラップの間に2番手まで挽回。634、21、11号車の順にコントロールラインを切って2周目に入っていく。2周目から早くもこの3台が先頭集団を形成し、4番手の5号車F.C.C.TSR Hondaのドミニク・エガーター選手以下を引き離し始める。

 そんななか、12号車ヨシムラ スズキMOTULレーシングの津田拓也選手が転倒。再スタートできたものの大きなダメージを負い、ピットイン。序盤で戦線を離脱する。

21号車は遅れを取ったが、オープニングラップを終える頃には2番手まで挽回していた
2周目に転倒を喫した12号車の津田選手

 9周目には、先頭集団がさっそく周回遅れに追いつき、バックマーカーとの新たな戦いも始まる。レース開始から30分を待たず、コース西側では雨が強くなり、路面が濡れ、難しいレース運びが強いられる。

 先頭の2台は次第に3番手の11号車をも引き離し、一騎打ちへともつれ込む。16周目、バックマーカーの処理の隙をついて21号車が634号車をパス。先頭に立った21号車だが、直後にコース中央付近のデグナーカーブあたりでも一時的に雨が強くなり、バックマーカーの渋滞もあって634号車が再びトップを取り返す。

序盤は634、21、11号車の3台がデッドヒート
しかし次第に634号車と21号車の戦いになる
11号車はやや遅れるも、3番手を堅持

 雨まじりの難しいコンディションで、先頭の2台を除き軒並み大きくペースを落とすなか、19号車MORIWAKI MOTUL RACINGの清成龍一選手だけがハイペースでラップを刻み一時4番手に。

 そうこうしている間に20周を過ぎ、雨がほとんどやんだところで、21号車が最終コーナー立ち上がりで634号車をかわしてトップに、27周を終えるタイミングでピットインして21号車はアレックス・ロウズ選手にバトンタッチした。

ついに21号車がトップに躍り出る
71号車Team KAGAYAMAの加賀山 就臣選手。序盤は5、6番手で安定して周回

1時間経過、セーフティカー導入で順位が入り乱れる

 21号車がピットアウトした直後、コース上のアクシデントのためセーフティカーが導入。その周で634号車がピットインし、さらに隊列が整えられたことで、順位が入り乱れる。

 そんななか、高橋選手から代わった634号車ジャック・ミラー選手がレース再開時の大渋滞を巧みにかわして21号車をパス。ところが、そこから7、8周ほど周回して混雑がバラけてきたところで、21号車が634号車を捕らえ引き離しにかかる。

 21号車が安定したラップタイムを刻みながら2時間が経過し、634号車に4〜5秒の差をつけたところで2回目のピットイン。21号車はマイケル・ファン・デル・マーク選手、634号車は中上貴晶選手にそれぞれ交代すると、634号車がそれまでの自己ベストタイムを記録するなどして追撃態勢に入る。スタートから2時間15分、トップグループは60ラップを超えたところ。

 一時4番手まで追い上げる健闘を見せた19号車の清成選手は、10番手走行中にS字コーナーで痛恨の転倒。なんとかピットに戻って修復に入るが、上位入賞は厳しい状況となる。さらに、2時間半を経過しようとするところ、世界耐久選手権でシリーズランキングトップの1号車Suzuki Endurance Racing Teamも転倒。最終戦の重要な局面での致命的なミスにより、シリーズチャンピオン獲得に暗雲が立ちこめるが、再スタートしてピットイン後、わずか数分で修復を終えレースに復帰する。

一時は4番手になった19号車だが、手痛い転倒で大きく後退してしまう

 スタートから2時間40分、71ラップ目。それまで21号車に最小で1.5秒差まで迫っていた634号車の中上選手が転倒。無事再スタートを果たすが4番手まで後退する。トップの21号車と、繰り上がった2番手5号車との間には半周以上、1分30秒の差で、21号車が独走状態に。その差はますます広がるばかり。

 3時間余りが経過。83周を終えた21号車がピットインしてライダーは一巡、中須賀選手がピットを出る。2番手争いの5号車と11号車の間で激しいつばぜり合いが繰り広げられるが、その間も21号車は淡々と周回してギャップを広げ、4時間経過時には、2番手におよそ1分40秒もの差をつけ、後半戦へと流れ込んでいく。

独走する21号車は、2番手の5号車以下すべてを周回遅れにする勢い。周回数は108で、目標としていた219周には届かないか

4時間経過時点の暫定順位表

1:21号車「ヤマハ ファクトリー レーシング チーム」
2:5号車「F.C.C.TSR Honda」
3:11号車「Kawasaki Team GREEN」
4:634号車「MuSASHi RT HARC-PRO.Honda」
5:7号車「YART-YAMAHA」
6:71号車「Team KAGAYAMA」
7:25号車「Honda鈴鹿レーシングチーム」
8:104号車「Honda Dream Racing」
9:22号車「Satu HATI. Honda Team Asia」
10:03号車「MotoMapSUPPLY FutureAccess」