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スバル、完成検査で不適切な事案あり。対象車両のリコール検討中

リコールは25万5000台が対象。トヨタ「86」も含まれる

2017年10月27日 発表

スバル、完成検査で不適切な事案あり。対象車両のリコール検討中 株式会社SUBARU 代表取締役社長の吉永泰之氏が10月27日に会見を開いた
株式会社SUBARU 代表取締役社長の吉永泰之氏が10月27日に会見を開いた

 スバルは10月27日、日産自動車の完成検査の不正事案を受けて社内調査を行なった結果、完成検査業務で不適切な事案があることを確認したと発表した。これらの調査結果をもとにさらに精査し、10月30日に国土交通省に報告する予定。

 調査結果は以下のとおり。


報告内容

(1)完成検査員について
型式指定を申請する際に、国交省へ提出している上位規定(完成検査要領)は、完成検査員が完成検査を行なうことになっている。一方、業務規定では、完成検査員登用にあたっては、現場経験の期間が必要と義務付けているため、当該工程の完成検査員と同じく、十分な知識と技能を100%身に付けたと現場管理者(係長)が認定した者を、監督者(班長)の監視下で検査業務に従事させており、型式指定申請書にある上位規定とは異なる運用になっていた。

(2)完成検査の代行押印について
完成検査工程の運用ルールでは登用前の検査員に、完成検査員の印章貸与を行ない、代行押印を行なわせていたが、それを明文化した規定はなかった。

(3)完成検査に関連する規定の確認について
上記(1)(2)で記載した運用は、完成検査に関わる規定に織り込まれておらず、規定全体が体系的に整備されているとは言い難い状況だった。

同社の完成検査の実施要員

・同社の完成検査に従事することができる者は、まず担当検査工程に必要な教育と訓練を受け、完成検査業務に必要な知識と技能を100%身に付けたと現場管理者(係長)に認定され、担当検査工程に従事するよう、監督者(班長)に指名された者。認定結果については、記録簿にて確認することができる仕組みとなっている。

・この指名された者は、個々人の保有資格(2級自動車整備士等)に応じて設定された期間までは、監督者の監視下で完成検査業務に従事。⇒2017年10月1日現在、同社全体で4名

・当該期間を経て、かつ社内の筆記試験に合格した者は、完成検査員という呼称を付し、原則監視下から外します。⇒2017年10月1日現在、同社全体で245名

・上記のとおり、完成検査正規登用前の検査員が完成検査に従事している場合があり、規定として明文化されていなかった。

今後の対応

同社の完成検査を今後、透明性を高め、将来に渡って誤った運用や解釈が生じないように、改めて規定を体系的に整理し直す。なお、対象車両に関しては、市場措置(リコール)を検討中。