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【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ

オープニングレースもウェットレースで接触上等の熱い戦い、トム・チルトン選手が優勝

2017年10月29日 開催

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 豪雨となったメインレースで、2位のニッキー・キャッツバーグ選手(63号車 Volvo S60 WTCC)をリードするノルベルト・ミケルズ選手(5号車 Honda Civic WTCC)
豪雨となったメインレースで、2位のニッキー・キャッツバーグ選手(63号車 Volvo S60 WTCC)をリードするノルベルト・ミケルズ選手(5号車 Honda Civic WTCC)

「2017 FIA 世界ツーリングカー選手権シリーズ JVCKENWOOD 日本ラウンド」(以下WTCC 日本ラウンド)が、台風の影響により貨物の搬送などに遅延が生じたため、10月29日に予選、決勝が行なわれるという異例のワンデーレースとして栃木県茂木町にあるツインリンクもてぎで開催された。10月29日は台風22号の影響による降雨というあいにくの天気ながら、午前中に予選、午後にオープニングレース(レース1)、メインレース(レース2)という2つの決勝レースが行なわれた。

 予選でポールポジションを奪ったのは、中国ラウンドのホンダ勢失格という裁定を受け、ポイントリーダーとの差が32.5点差となってしまい後がなくなったノルベルト・ミケルズ選手(5号車 Honda Civic WTCC)で、2位になったボルボのニッキー・キャッツバーグ選手(63号車 Volvo S60 WTCC)に0.370秒差をつけてポールポジションを獲得した。

 14時15分より行なわれた上位10台がリバースグリッドとなるオープニングレース(11周)では、予選9位になり2位グリッドからスタートしたトム・チルトン選手(3号車 Citroen C-Elysee WTCC)が抜群のスタートを決め、そのまま優勝した。ワークス勢の最上位は7番グリッドからスタートしたエステバン・グリエリ(86号車 Honda Civic WTCC)の3位で、見事表彰台を獲得した。

 また、15時半から行なわれたメインレース(13周)では雨が強くなったことを受けてセーフティカースタートとなり、2周目終了時点からレースが行なわれたが、7周時点でさらに雨が強くなったためセーフティカーが再度導入され、10周目までセーフティカー先導で行なわれたが、ポールポジションからスタートしたノルベルト・ミケルズ選手が優勝。

 2位はボルボのニッキー・キャッツバーグ選手、3位にもボルボのネストール・ジロラミ選手(61号車 Volvo S60 WTCC)が入った。自己最高の5位からスタートした道上龍選手(34号車 Honda Civic WTCC)はリタイヤに終わった。

大逆転シリーズチャンピオンを目指すホンダのミケルズ選手がポールポジションを獲得、道上選手は初めてQ3へ進出

 土曜日の記事でも説明した通り、ホンダ勢はちょっとした行き違いから車両規定違反に問われてしまい中国ラウンドでの結果から除外されることになり、3台とも中国ではノーポイントということになってしまったのだ。このため、ティアゴ・モンテイロ選手の欠場が決まったことで、今後はホンダのエースになるノルベルト・ミケルズ選手(5号車 Honda Civic WTCC)は2点差だったポイントリーダーとの差は32.5点差に広がってしまい、ホンダドライバーのタイトル獲得のためには、このWTCC日本ラウンドから残り3戦でポイント差を縮める必要に迫られているのだ。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
午前中に行なわれたフリー走行2回目の様子、この時点では雨はそれほどは強くなった
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ ウェットの中で行なわれた予選1回目(Q1)の様子
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ ウェットの中で行なわれた予選1回目(Q1)の様子
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ ウェットの中で行なわれた予選1回目(Q1)の様子
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ ウェットの中で行なわれた予選1回目(Q1)の様子
ウェットの中で行なわれた予選1回目(Q1)の様子

 そうした状況の中、ミケルズ選手は気迫の走りを見せ、土曜日のフリー走行1回目、日曜日朝のフリー走行2回目ともにトップタイムをマークしており、予選に向けて勢いをつけ、そのままノックアウト方式の予選(Q1、Q2、Q3)に臨み、Q3で見事トップタイムをマークして、メインレースのポールポジションを獲得した。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ Q1を走るノルベルト・ミケルズ選手、予選1位を獲得
Q1を走るノルベルト・ミケルズ選手、予選1位を獲得

 2番手のタイムをマークしたのは、ボルボのニッキー・キャッツバーグ選手(63号車 Volvo S60 WTCC)。キャッツバーグ選手は、今回のWTCC日本ラウンドでボルボ勢の中でもっとも好調で、常にボルボ勢の最速タイムをマークしている。前戦でホンダ勢が結果から除外されたことで、キャッツバーグ選手もトップから23点差もランキング3位に浮上しており、残り3ラウンド/6レースあることを考えれば十分に逆転チャンピオンが狙える位置につけている。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 予選を走るニッキー・キャッツバーグ選手、予選2位に
予選を走るニッキー・キャッツバーグ選手、予選2位に

 その逆に同じボルボ勢でもポイントリーダーのテッド・ビョーク選手(62号車 Volvo S60 WTCC)は、ツインリンクもてぎに来てから精彩を欠いており、この予選でも5台がQ3に進めるQ2で、チームメイトのネストール・ジロラミ選手(61号車 Volvo S60 WTCC)に最後の最後で追い抜かれ、6位となりQ3へ進むことができなかった。これにより、ビョーク選手は予選でのボーナスをポイントを得ることができず、ミケルズ選手に5点、キャッツバーグ選手に4点差を詰められる結果となった。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 予選6位に終わりQ3には進出できなかったポイントリーダーのテッド・ビョーク選手
予選6位に終わりQ3には進出できなかったポイントリーダーのテッド・ビョーク選手
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ Q2でビョーク選手をアウトクオリファイしたネストール・ジロラミ選手
Q2でビョーク選手をアウトクオリファイしたネストール・ジロラミ選手

 予選で大きく盛り上がったのは、地元のヒーローとも言える道上龍選手(34号車 Honda Civic WTCC)が、今シーズン初めてQ3に進んだ瞬間だ。今シーズンからWTCCにフル参戦を開始した道上選手だが、これまで今シーズンマシンに苦労しており、Q3に進めたことはなかった。しかし、今回のQ2では堂々の3位タイムをマークしてQ3に進むと、あいにくの雨の中でも詰めかけたファンからは大きな声援が飛んでいた。ただ、Q3に関しては、初めてのシングルカーアタック(WTCCのQ3は、上位5台が1台1台アタックしていく形式)に戸惑い、タイヤの内圧調整などがうまくいかず、タイヤをうまく使いこなすことができずに、5位に終わった。しかし、これでメインレースは5位からスタートすることになり、表彰台争いができそうな位置につけることになった。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 予選5番手につけた道上龍選手
予選5番手につけた道上龍選手
予選結果
順位車番ドライバーカテゴリー車両Q1Q2Q3
15ノルベルト・ミケルズMHonda Civic WTCC2分09秒9842分08秒9792分08秒890
263ニッキー・キャッツバーグMVolvo S60 WTCC2分09秒5222分08秒4112分09秒260
361ネストール・ジロラミMVolvo S60 WTCC2分10秒7392分09秒5132分09秒824
486エステバン・グリエリMHonda Civic WTCC2分10秒4652分09秒3942分10秒091
534道上龍MHonda Civic WTCC2分10秒0272分09秒3822分10秒465
662テッド・ビョークMVolvo S60 WTCC2分10秒2682分09秒550-
725メディ・ベナーニTCitroen C-Elysee WTCC2分10秒4752分09秒627-
868ヤン・アーチャーTLada Vesta WTCC2分10秒8912分10秒059-
93トム・チルトンTCitroen C-Elysee WTCC2分10秒3802分10秒271-
1024ケビン・グレイソンTLada Vesta WTCC2分11秒0662分10秒599-
1199ダニエル・ナジTHonda Civic WTCC2分11秒0592分10秒604-
1227ジョン・フィリッピTCitroen C-Elysee WTCC2分11秒2222分10秒981-
1312ロブ・ハフTCitroen C-Elysee WTCC2分11秒879--
149トム・コロネルTChevrolet RML Cruze TC12分11秒944--
1511クリス・リチャードTChevrolet RML Cruze TC12分13秒462--
1666ゾルト・デビッド・サーボTHonda Civic WTCC2分14秒234--
1726フィリペ・デ・ソウザTLada Vesta WTCC2分15秒938--

 予選終了後には、MAC3(Manufacturers Against the Clock 3:マックスリー)と呼ばれるマニファクチャラーチーム(ホンダとボルボ)の3台が連続して走り、3台が同時にスタンディングスタートして、3台すべてがゴールするまでの時間を競うというユニークなタイムトライアル。1台だけ早くても勝てないし、1台だけ遅くても負けるという非常に難しいタイムトライアルとなっている。今回はこのMAC3に道上選手も参加しており、見事道上選手も参加しているホンダがボルボに勝利し、マニファクチャラータイトルのポイントを4点縮めた。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ MAC3にチャレンジするホンダ勢、しんがりを道上龍選手が務めている
MAC3にチャレンジするホンダ勢、しんがりを道上龍選手が務めている
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 同じくMAC3にチャレンジするボルボ勢
同じくMAC3にチャレンジするボルボ勢
MAC3結果
順位マニファクチャラーゴールタイム獲得ポイント
1ホンダ技研工業4分25秒35412
2ポールスターレーシング4分27秒8808

オープニングレース優勝はチルトン選手。雨の中でバンパートゥーバンパーどころではなく、激しく接触する肉弾戦をホンダとボルボが展開

 オープニングレースは予選トップ10のリバースグリッドとなり、ポールポジションからスタートしたのはケビン・グレイソン選手(24号車 Lada Vesta WTCC)。2位はトム・チルトン選手(3号車 Citroen C-Elysee WTCC)、3位はヤン・アーチャー選手(68号車 Lada Vesta WTCC)と、いずれもマニファクチャラーではないチームからエントリーしている選手。5位以下からスタートするボルボ、ホンダなどのマニファクチャラーチームがどこまで追い上げられるのかが焦点となる。しかし、天候は前日より降り続く雨で、路面はフルウェット。このため、ウォータースクリーンもかなり強く、追い上げが難しいと考えられる状況でのスタートとなった。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ チームメイトのミケルズ選手(左)と健闘を誓い合う道上龍選手(右)
チームメイトのミケルズ選手(左)と健闘を誓い合う道上龍選手(右)
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ マシンに乗り込む道上選手
マシンに乗り込む道上選手
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ WTCC独自のマシンをピットレーンに並べてコースインを待つ態勢
WTCC独自のマシンをピットレーンに並べてコースインを待つ態勢
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 華やかな晴れ着なのに無情の雨が天
華やかな晴れ着なのに無情の雨が天
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ グリッドの様子
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ グリッドの様子
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ グリッドの様子
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ グリッドの様子
グリッドの様子

 いいスタートを切ったのは、2番手グリッドからスタートしたトム・チルトン選手選手。1コーナーまでにポールのグレイソン選手をオーバーテイクし、トップに立った。また、このスタートでジャンプアップを見せたのは、エンジンを交換したため最後尾グリッドスタートになっていた道上龍選手、1周目の終わりには既に10位にあがりポイント圏内へと上がっていた。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ スタートシーン
スタートシーン
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ イン側のチルトン選手がポールからスタートしたグレイソン選手をオーバーテイク、これでチルトン選手の勝ちはほぼ決まった
イン側のチルトン選手がポールからスタートしたグレイソン選手をオーバーテイク、これでチルトン選手の勝ちはほぼ決まった

 トップを走るチルトン選手の後ろには3位からスタートしたアーチャー選手、3位には、5番手からスタートしたポイントリーダーのビョーク選手があがり、その後ろにホンダのエステバン・グリエリ選手(86号車 Honda Civic WTCC)があがる展開になっていた。その後、レースはホンダとボルボによる熱いレースが展開された。特に道上選手と同じようにペナルティで最後尾に回っていたボルボのキャッツバーグ選手は大暴れ、最後尾から道上選手に次いで11位に上がっていたが、10位の道上選手を抜こうとして後ろから接触。それにより道上選手はハーフスピンして順位を落とした。さらにホンダのエースカーであるミケルズ選手を抜こうとして、こちらもミケルズ選手に後ろから接触してスピンさせ、ミケルズ選手はポイント圏外に落ちてしまった。ボルボとポイント争いをしているホンダとしてはこれは手痛い接触となってしまった。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 抜群のスタートをきった道上選手はどんどん順位を上げていくが…
抜群のスタートをきった道上選手はどんどん順位を上げていくが…

 道上選手の受難はそれでは終わらなかった。今度は前をいくロブ・ハフ選手(12号車 Citroen C-Elysee WTCC)選手を抜こうとして、コース外へ押し出され、さらに順位を落としてしまった。その後、ミケルズ選手がハフ選手をオーバーテイクして、10位にあがり。ポイント圏内へ。ところが、その後2台のボルボ(ネストール・ジロラミ選手、ニッキー・キャッツバーグ選手)はホンダ勢などとの接触がラフプレイと判断され、2台ともピットスルーペナルティが出されたことで、再びミケルズ選手は7位、道上選手は10位に浮上した(その後もう一度ボルボ勢に抜かれて、11位に後退)。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ ピットスルーペナルティーを課せられた2台のボルボ(ネストール・ジロラミ選手、ニッキー・キャッツバーグ選手)
ピットスルーペナルティーを課せられた2台のボルボ(ネストール・ジロラミ選手、ニッキー・キャッツバーグ選手)

 終盤には、2番手アーチャー選手、3番手ビョーク選手、4番手グリエリ選手のバトルが激しくなっていた。3番手のビョーク選手はチャンピオン争いをしているなかでリタイヤが許されていないのに対して、ホンダの代役を務めているグリエリ選手は、ランキングに関係ないためアグレッシブな走りが可能になっており、なんどもビョーク選手と接触しながら激しいレースを展開した。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 終盤の2番手アーチャー選手、3番手ビョーク選手、4番手グリエリ選手のバトル、この後グリエリ選手がビョーク選手をオーバーテイクして表彰台獲得
終盤の2番手アーチャー選手、3番手ビョーク選手、4番手グリエリ選手のバトル、この後グリエリ選手がビョーク選手をオーバーテイクして表彰台獲得

 結局レースはチルトン選手が、2位グリッドからポールショットを奪い一度も順位を脅かされることはなくそのまま優勝。2位はアーチャー選手、3位はホンダのグリエリ選手が、ポイントリーダーのボルボのビョーク選手を抑えきって表彰台を獲得した。

 グリエリ選手がビョーク選手を抑えきったことで、ホンダとしては7位に入ったミケルズ選手とのポイント差を最小限にすることに成功した訳で、損害を最小化する意味では成功だったと言えるだろう。また、最後にボルボ勢のジロラミ選手が、キャッツバーグ選手に譲ろうとした好きをついて道上選手がボルボの1台をフィニッシュラインで抜くことに成功し10位となり、貴重な1ポイントを獲得した。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 優勝したトム・チルトン選手
優勝したトム・チルトン選手
オープニングレース結果
順位車番ドライバーカテゴリー車両レースタイム周回数
13トム・チルトンTCitroen C-Elysee WTCC23分53秒26211
268ヤン・アーチャーTLada Vesta WTCC24分06秒42011
386エステバン・グリエリMHonda Civic WTCC24分08秒55011
462テッド・ビョークMVolvo S60 WTCC24分09秒10811
525メディ・ベナーニTCitroen C-Elysee WTCC24分12秒31511
624ケビン・グレイソンTLada Vesta WTCC24分13秒92111
75ノルベルト・ミケルズMHonda Civic WTCC24分20秒61111
812ロブ・ハフTCitroen C-Elysee WTCC24分29秒54011
963ニッキー・キャッツバーグMVolvo S60 WTCC24分29秒89111
1034道上龍MHonda Civic WTCC24分30秒36611
1161ネストール・ジロラミMVolvo S60 WTCC24分30秒38911
1227ジョン・フィリッピTCitroen C-Elysee WTCC24分31秒01011
139トム・コロネルTChevrolet RML Cruze TC124分33秒36911
1411クリス・リチャードTChevrolet RML Cruze TC124分33秒94911
1599ダニエル・ナジTHonda Civic WTCC24分35秒94511
1626フィリペ・デ・ソウザTLada Vesta WTCC24分47秒66411
1766ゾルト・デビッド・サーボTHonda Civic WTCC25分01秒44711

メインレース優勝はホンダのミケルズ選手。大雨の中でセーフティカー先導のまま10周目にレースは赤旗終了

 メインレースは、WTCC恒例のリペアタイム(2つのレースの間にクルマを修復する時間)でクルマを修復した後、各車はグリッドについた。激しいオープニングレースとなったため、車両によってはダメージを受けているクルマもあったが、すべての車両が無事にグリッドについた。メインレースは雨が降り続いていること、特にスタート時には大粒の雨となってきたことなどが考慮され、セーフティカースタートになった。これによりフォーメーションラップが無く13周のレースは2周加算されて15周のレースとなりセーフティカー先導で始まった。そして2周目の終わりに、セーフティカーはピットに入り、残り13周でレースのスタートが切られた。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ セーフティカー先導でレースはスタートし、2周目の終わりにセーフティカーがピットに入り3周目からグリーンに
セーフティカー先導でレースはスタートし、2周目の終わりにセーフティカーがピットに入り3周目からグリーンに

 スタートでは各車とも順位通りに1コーナーに入っていったが、水量はオープニングレースよりも多く、ファーストアンダーブリッジの先には川もできている状況。このため、各車ともに前走車の跳ね上げるウォータースクリーンで見えない状況。このため、上位陣はほとんど単独走行となっていたが、その中で熱い戦いを繰り広げていたのは、5位からスタートした道上龍選手と、6位からスタートしたボルボのビョーク選手。コーナー毎に順位を入れ替えるレースをしていたが、道上選手はV字コーナーでブレーキが床に貼り付いたまま戻らないというブレーキトラブルが発生し、グラベルにはまってしまい、ピットには戻れたもののそのままリタイアとなってしまった。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 3位のジロラミ選手を、4位のグリエリ選手が追いかける
3位のジロラミ選手を、4位のグリエリ選手が追いかける

 その後もオープニングレースの優勝者であるチルトン選手がスピンしたりと、コンディションは悪くなる一方で、結局7周目に再びセーフティカーが導入され、レースはセーフティカー先導で続行され、コンディションの回復を待つ展開となった。しかし、雨量は減ることはなく、セーフティカー先導でもアクアプレーニングを起こしてコースアウトする車両がでるほどの状況。そしてレース周回の75%を越えた10周終了後に、赤旗が提示されレースはそのまま終了成立となった(レースとしては9周終了時で成立)。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ トップ争いはホンダのミケルズ選手とボルボのキャッツバーグ選手の争いに
トップ争いはホンダのミケルズ選手とボルボのキャッツバーグ選手の争いに

 これで優勝はホンダのノルベルト・ミケルズ選手、2位はボルボのニッキー・キャッツバーグ選手、3位はボルボのネストール・ジロラミ選手、4位はホンダのエステバン・グリエリ選手、5位はボルボのテッド・ビョーク選手選手となった。この結果、ホンダのミケルズ選手は212点となり、ビョーク選手の228.5点と16.5点差となり、レース前よりもポイント差を半分近くに縮めることになった。

【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ メインレースに優勝したノルベルト・ミケルズ選手
メインレースに優勝したノルベルト・ミケルズ選手

 WTCCは11月17日~11月19日のマカオラウンド(マカオGP併催)、11月30日~12月1日のカタールの2ラウンド/4レースを残すのみとなり、ホンダとボルボの熱い戦いはその2ラウンドの結果で決定されることになる。

メインレース結果
順位車番ドライバーカテゴリー車両タイム周回数
15ノルベルト・ミケルズMHonda Civic WTCC22分17秒9249
263ニッキー・キャッツバーグMVolvo S60 WTCC22分18秒3169
361ネストール・ジロラミMVolvo S60 WTCC22分19秒7229
486エステバン・グリエリMHonda Civic WTCC22分21秒2309
562テッド・ビョークMVolvo S60 WTCC22分23秒4789
625メディ・ベナーニTCitroen C-Elysee WTCC22分24秒1209
768ヤン・アーチャーTLada Vesta WTCC22分24秒9879
824ケビン・グレイソンTLada Vesta WTCC22分25秒4619
927ジョン・フィリッピTCitroen C-Elysee WTCC22分25秒8359
103トム・チルトンTCitroen C-Elysee WTCC22分26秒6889
1112ロブ・ハフTCitroen C-Elysee WTCC22分27秒5579
1211クリス・リチャードTChevrolet RML Cruze TC122分29秒4689
139トム・コロネルTChevrolet RML Cruze TC122分30秒3969
1499ダニエル・ナジTHonda Civic WTCC22分31秒1789
1526フィリペ・デ・ソウザTLada Vesta WTCC22分32秒8239
1666ゾルト・デビッド・サーボTHonda Civic WTCC22分34秒5649
R34道上龍MHonda Civic WTCC7分46秒4673
WTCCポイントテーブル(10位まで手元集計、日本ラウンド終了時点)
ドライバーポイント
テッド・ビョーク228.5
ノルベルト・ミケルズ212
ニッキー・キャッツバーグ209.5
ティアゴ・モンテイロ200
トム・チルトン184.5
メディ・ベナーニ184
エステバン・グリエリ180
ロブ・ハフ142
ネストール・ジロラミ110
ヤン・アーチャー90

最大限のポイントを獲れて嬉しいと語ったミケルズ選手、次につながるレースができたと語った道上選手

 メインレース終了後には表彰式や記者会見などが行なわれた。優勝した両選手のコメントとメインレースでは惜しくもリタイヤに終わってしまった道上選手のコメントを紹介する。

メインレースに優勝したノルベルト・ミケルズ選手のコメント
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ ノルベルト・ミケルズ選手
ノルベルト・ミケルズ選手

ノルベルト・ミケルズ選手:非常にタフなレースだった。途中から雨が強くなって、アクアプレーニングも発生していた。でも今回僕はベストカーに乗っていたので問題は無かったよ。個人的にはメインレースで最大ポイントをゲットできたことが本当に嬉しい。また、今週末は新しいクルマを入れたりしてチームは本当に大変だったけど、いい仕事をしてくれたと感謝したい。

オープニングレースに優勝したトム・チルトン選手のコメント
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ トム・チルトン選手
トム・チルトン選手

トム・チルトン選手:オープニングレースは本当に楽なレースだった。スタートしたら(ポールからスタートした)ケビンはどっか行っちゃって楽々首位に立てた。今回はシャシーもエンジンも本当に調子よくて、あっという間に2位以下に差をつけることができたので、楽しんでドライブしていたよ。

オープニングレース10位、メインレースリタイヤに終わった道上龍選手
【WTCC日本ラウンド】豪雨で赤旗終了のメインレース、ホンダのノルベルト・ミケルズ選手が勝利。年間タイトルに望みをつなぐ 道上龍選手
道上龍選手

道上龍選手:今年WTCCに初参戦して苦労してきたが、ここでは是が非でも結果を残したいという気持ちで戻ってきて、自分の力は出し切れたとは思うが、メインレースではブレーキトラブルがでてしまいリタイヤになってしまった。世界のトップドライバーと対等なレースができたので、次につながるレースだったと思っている。