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テスラ、EVトラック「テスラ セミ」の価格は15万ドルから

「ブガッティ シロン」よりも優れた空気抵抗係数0.36で最大500マイル走行可能

2017年11月23日(現地時間) 発表

11月16日(現地時間)に公開されたEVトラック「テスラ セミ」

 米テスラ モーターズは11月23日(現地時間)、EVトラック「テスラ セミ」の価格を発表した。航続距離によって価格が異なり、300マイル(480km)は15万ドル、500マイル(800km)は18万ドル。初期ロット1000台の「ファウンダーズ・シリーズ」は20万ドル。基本予約金は2万ドルとなる。

 テスラ セミは、トレーラー牽引用のEVトラック。トレーラーの有無にかかわらず60マイル/hまで5秒で加速し、最大総重量である8万ポンドでも60マイル/hまで20秒で加速可能。5%勾配の坂でも65マイル/hで走行できるとしている。

テスラ セミは2019年生産開始

 搭載されるバッテリーは、テスラ エナジー製品で使用されているバッテリーと似た構成で作られており、充電を繰り返し行なえるように設計。充電は、テスラ メガチャージャーを利用すると30分でフル充電可能となるほか、回生ブレーキでも充電可能。また、フロア下にバッテリーを配置することで低重心化に貢献し、横転リスクを軽減している。

 モーターは各リアホイールごとにそれぞれ計4つ搭載され、そのうちの2つが機能しなくなったとしても走行可能。「ディーゼルトラックよりも優れた性能を発揮する」としている。

 可動部品の数はディーゼル エンジンのトラックと比べて少なくなっており、エンジン、トランスミッション、後処理システムや差動装置がなく、回生ブレーキを採用しているためブレーキパッドを交換する必要もなく、メンテナンス回数を抑えることが可能。フロントウィンドウは耐衝撃ガラス製で割れにくくなっており、トラックの運行に支障をきたさないようになっているという。

 また、安全面では自動緊急ブレーキ、オート レーンキーピング、自動車線変更などの機能を提供するオートパイロットが搭載されるほか、車載センサーで不安定性を検知するとモーターのブレーキを作動させるとともに、トルクをかけてジャックナイフ現象を防ぐことが可能。物体検知をサポー卜するサラウンド カメラでブラインド スポットを最小限に抑え、危険や障害物を感知すると自動的にドライバーへ警告を行なうようになっている。

テスラ セミのエクステリア

 エクステリアデザインでは、空気抵抗を考慮した弾丸のようなノーズと、牽引するトレーラーとの隙間を塞ぐフラップの採用で、「ブガッティ シロン」の空気抵抗係数の0.38よりも優れた0.36を達成したという。加えて、トラックの底を完全にフラットにして空気がまっすぐ通り抜けるようにすることで、高速道路での航続距離を大幅に延ばしたとしている。

テスラ セミのアンベールイベントで行なわれたプレゼンテーション。空力抵抗についての説明

 インテリアは、乗り降りのしやすさが考慮されているほか、視界を最大化するために座席をセンターに配置するなど、ドライバーを中心に考えたデザインがされている。ドライバーの両サイドに左右対称に設置された2つのタッチスクリーン ディスプレイは、ナビゲーション、ブラインド スポット モニタリング、電子データ ロギングへの簡単なアクセスを提供。

 さらに、インターネット接続機能を内蔵し、フリートの管理システムと直接統合して、ルート案内やスケジュール管理、遠隔モニタリングなどの機能をサポートする。

テスラ セミのインテリア