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フォルクスワーゲン、「Volkswagen Car-Net」体験試乗会

コネクテッドサービスに注目する顧客は増加傾向に

2017年12月21日 実施

2017年導入のフラグシップモデル「アルテオン」に搭載したVolkswagen Car-Net

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは12月21日、「Volkswagen Car-Net」の報道向け体験試乗会を開催した。2017年モデルは全車標準装備となる新型「ティグアン」や「アルテオン」が登場したほか、EV(電気自動車)の「e-ゴルフ」に搭載されるリモート機能「e-Remote」でクルマの状態確認や外部からのエアコン操作を試した。

 Volkswagen Car-Netには大きく3つの機能がある。今回の体験試乗会でも中心的に体験した「Guide & Inform」はシステムをインターネットに接続し、VICS情報をオンラインで取得したり、目的地検索や天候、駐車場の満空情報などをリアルタイムで取得したりする機能。

 そして、「App-Connect」は車両の画面にスマートフォンアプリの情報や画面を映し出して活用する機能で、iPhone向けに「Apple CarPlay」、Android向けに「Android Auto」と、スマートフォンなどの画面を投影する「MirrorLink」がある。

 さらに、EVやPHEV(プラグインハイブリット車)向けには充電状態の確認や制御、車両のエアコンの制御、ドアロックや窓の状態など車両状態をモニターするなどの機能がある「e-Remote」が加わる。

 搭載する車種は、現在の国内のフォルクスワーゲンのラインアップのうち「Guide & Inform」が5割超、「App-Connect」については9割が対応する。

フォルクスワーゲンのコネクテッドサービスの概要
Guide & Informはフォルクスワーゲン全モデルの5割超が対応
App-Connectはフォルクスワーゲン全モデルの9割が対応

Volkswagen Car-Netに注目する顧客は増加傾向

フォルクスワーゲン認定トレーナー 金子陽一氏

 Volkswagen Car-Netについては、2016年末にも説明会を行なっているが、今回はフォルクスワーゲン認定トレーナー 金子陽一氏によるもの。金子氏は運転のトレーナーとして以前から運転技術を指導しているが、Volkswagen Car-Netについても熟知。Volkswagen Car-Netの販売店向けトレーニングにも携わっている。

クルマがドライバーと対話する時代
Volkswagen Car-Netの概要
Guide & Informで施設検索が可能

 金子氏は販売店の一般向けイベントでエンドユーザーと同乗試乗することもあると言い、「本当に自分自信が肌で感じているが、“つながるクルマ”に対して、新車を購入するのにあたってとても重要なファクターになっている」と指摘した。

 コネクテッドサービス機能に対しての顧客の興味は関心の薄い人と両極端としながらも、「このクルマはどのくらいのことができるんですか?」と聞いてくる来店者が増えているという。

 また、Volkswagen Car-Netの意義も「お客様に快適に、便利に、またなんといっても安全にカーライフを楽しんでいただくため」と説明。日本市場への導入も早かったとした。

EVやPHEV用に遠隔でエアコンや充電制御のe-Remoteが加わった

 今回の体験試乗会ではe-Remoteの機能についても説明が行なわれた。EVやPHEV向けの機能となり、EVのe-ゴルフにも搭載されている。充電のON/OFF、エアコンのON/OFFを遠隔で操作できることが基本で、ドアロックや窓の状態まで確認できる。

 EVやPHEVには充電情報などの通信を行なう通信モジュールが組み込まれており、フォルクスワーゲンのサーバーを介してサービスを提供する。通常のVolkswagen Car-Netではナビゲーションなどの情報をやりとりするためにテザリングなどで接続するスマホが必要だが、EVやPHEVにはそれが車内になくても外部と通信を行なうことができる。

 体験試乗会では、地下駐車場に停められているe-ゴルフの状態をビルの上階の会議室から遠隔で確認した。運転席の窓が下げられていることが手元のタブレット端末で確認でき、窓は開いているもののドアロックがかけられていることも確認できた。

e-Remoteで充電やエアコンの制御が可能
バッテリーやドアロック、ライトの管理も可能
タブレットから離れた場所にあるe-ゴルフの状態を確認。運転席の窓が赤く表示されており、開いてることを示し、ドアロックは施錠してある状態
e-ゴルフの駐車場所に来てみると窓が開いていた

 また、充電状態やエアコンの状態を確認した後、遠隔操作が可能。例えば、事前に充電プラグを接続しておき、電気代の安い時間帯に遠隔で充電をスタートさせる操作も可能。また、エンジンの動作とエアコンが独立しているクルマの強みを活かし、出発前にエアコンを先に作動させておくということもe-Remoteで可能になる。出発予定時刻をセットしておけば、クルマのエアコンなどを入れて準備しておくことも可能だ。

事前にスマホで目的地設定ができる「Guide & Inform」

 説明会のメインであるGuide & Informの機能は、インターネットを介して情報を活用、目的地への誘導を手助けする。これまでのカーナビはナビゲーションシステム自体に保存した情報をもとに誘導しているが、これをインターネットに広げてGoogleの情報を活用したり、リアルタイム情報を活用したり、ネット連携をするものになる。それに加えて音声検索にも対応する。

Guide & Informの機能
オンラインVICS
ガソリンスタンド検索
駐車場の満空情報をリアルタイムで確認
自車位置だけでなく、離れた場所の天気予報も確認できる
ニュースも確認できる
EVやPHEVは充電場所の確認もできる

 説明会で試したことは、クルマから離れた会議室においてスマホで目的地を検索して「転送」を指示。クルマに乗ってからナビゲーション画面で目的地がすぐに呼び出せるというもの。説明会ではまず、スマホから石川県金沢市にある金沢城を検索、そこを目的地とすることを試した。

金沢城を検索
地図で目的地を確認
転送して、クルマに乗った際にその目的地を有効にできる

 スマホで事前に検索して確認することにより、もし、似た名称で全く違う場所の施設があっても間違える可能性を少なくする。情報はGoogleのものを活用し、金沢城のWebサイトのリンクまで用意されており、間違いないことも確認できる。金沢城と同じ名称は少ないかもしれないが、例えば飲食店は全く同じ名前の店は全国に複数ある可能性がある。それをGoogleの情報を活用してさらに情報を検索すれば、全く同じ名前の店があったとしても間違えることがなくなる。

 また、音声検索もサポートしている。走行中に途中休憩をしたくなった場合は、コーヒーショップを検索して経由地として設定が可能。音声検索とその検索結果に対して音声で指示できるため、画面を凝視することなく設定ができる。Googleの検索エンジンを使うため、Googleならではのあいまいなキーワードでも検索ができるようになっている。

音声でコーヒーショップを検索した
音声検索の開始はステアリングホイールの右側にあるボタンのうち、声を発している絵柄のものをひと押しする
発声の例がインパネの液晶部分に表示
中央のディスプレイにも発声の例を表示

 そのほか、インターネットに接続していることによる情報活用では、ガソリンスタンドの検索で最新の価格情報を参考にして選ぶことができるほか、駐車場もリアルタイムの満空情報を検索でき、目的地とした駐車場が走行中に満車になってしまった場合はそのことが表示されるなど、リアリタイム性を追求したものとなっている。

ガソリンスタンドを検索
価格も表示されるが、このクルマ(アルテオン)はハイオク仕様のためハイオクガソリンの値段が表示される。店舗の詳細情報でレギュラーガソリンや軽油の価格も確認できる
距離順や価格順などで表示できる
駐車場検索
満空情報はPの文字に左側の色となる。緑は空き有り
赤は満車。そのほかに黄色の混雑がある

 これらの情報はクルマのVolkswagen Car-Netがテザリングの子機となり、テザリングを有効にしたスマホやモバイルルータなどに接続することでインターネットから情報を得られるようになっている。また、それとは別にBluetoothハンズフリー機能も搭載しており接続は別。例えばデータ通信用にモバイルルータを使い、通話は別の携帯電話ということも可能だ。

実際に車両でナビゲーション

 車両に乗り込むと、まずはVolkswagen Car-Netの画面左の「MENU」をタッチ、その後[Car-Net]→[オンライン目的地]を選ぶと、事前に目的地として転送しておいた金沢城を選ぶことができる。目的地を転送するといってもまずはサーバーに取り込まれ、実際にクルマに取り込まれるのはクルマに乗ってVolkswagen Car-NetをONにしたときとなるが、すぐに転送されるのでそれは気にならない。

これがメインのメニュー
Car-Netをタッチしたあとのメニュー。EVやPHEVはここに充電場所の情報も掲示される

 クルマに乗ってから目的地を検索したり、検索結果から自分の目的地が正しいかどうかを確認したりすることなく、すぐにスタートすることができる。また、渋滞などのVICS情報がインターネットで取得できるため、これまでのカーナビのようにFMラジオの受信タイミングを待ったり、ビーコンのあるところまで走行したりしないと情報を得られないということがない。都市部では駐車場を出る際に右に出るか左に出るかによって到達時間が大きく変化することもあるが、オンラインのVICS情報を活用することで、走り始めから最適なルートを通ることができる。

 VICS情報はFMラジオでは同一都道府県の情報に限られていたが、オンラインのVICSなら都道府県を超えて情報を得られるため、東京から金沢といった遠方までの経路検索でも、最初から最後までの交通状況を走行開始の時点で把握できる。さらに、天気予報も現在地だけでなく目的地の情報が得られるため、冬期の積雪や気温に応じた走行を準備することもできる。

 そのため、出発する前には、今回行き先に設定した「金沢城」付近の天候や、近隣の渋滞情報が得られており、出だしから最適ルートを通り、途中経路の準備や心構えの対策も十分という状態で走行開始できた。

 今回は実際に金沢に行ったわけではないが、途中で経路を変更することも音声指示で完結できる。目的地の変更も比較的簡単だ。

 試したクルマは登場したばかりのアルテオン R-Lineで、最新の9.2インチ画面のタッチスクリーンを採用している。画面部分以外のMENUなどの操作ボタンまで一体のガラスパネルとなっていてタッチで操作する。タッチパネルでは指紋の付着が気になるところだが、ガラス製のためガラス用のクロスなどで簡単に拭き取ってしまうことが可能。とくに手に何らかのクリーム類を塗っているときなどでも、跡が残らないためユーザーにも好評だという。

 ガラス画面ということで映り込みが気になるところだが、角度や位置がうまく設定されており、日中の屋外を走行中でも気になるところはなかった。朝夕の太陽が傾いたときは反射で見えずらい時間帯があるかもしれない程度。この点についてはあまり心配はなさそうだ。

 なお、ジェスチャーコントロール機能も搭載しており、画面の前で手を左右に振ると横スクロールの場面では効果音とともにスクロールする。画面に手が近づくと、地図や情報が全画面表示でもメニューバーが出てくるというように必要な操作をシンプルに組み込んでいる。なお、今後は前後左右などもう少し複雑なジェスチャーコントロールを導入する予定とのことだ。

スマートフォンで設定して転送しておいた目的地
目的地の場所を確認
条件ごとのルートが表示される
昼間の地図表示
現在地の天気予報
金沢の天気予報もすぐ取得できる
現在の天気だけでなく先の日の予報も表示
実際の道案内はメーター内のディスプレイと中央のディスプレイの両方