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トヨタ、ガソリンやアルコール燃料で走行する世界初「ハイブリッドFFV(Flexible-Fuel Vehicle)」

「プリウス」ベースの試作車をブラジルで公開

2018年3月19日(現地時間) 発表

ガソリンに加えてエタノールなどのアルコールを燃料として走行できるハイブリッド車の試作車「ハイブリッドFFV」

 トヨタ自動車のブラジル生産・販売事業を担う事業体Toyota do Brasil(ブラジルトヨタ)は3月19日(現地時間)、ガソリンに加えてエタノールなどのアルコールを燃料として走行できる世界初のハイブリッド車の試作車「ハイブリッドFFV」を、ブラジルのサンパウロ市で初公開した。

 ハイブリッドFFVは、トヨタが日本とブラジルで開発を進めるFFV(フレックス燃料車:Flexible-Fuel Vehicle)にハイブリッドシステムを搭載する新たなパワートレーンシステムを採用。走行実証には、現在ブラジルで販売するハイブリッド車「プリウス」に同システムを搭載した試作車を用いる。

 トヨタが主催したイベントには、サンパウロ州政府やサトウキビ産業協会(UNICA)など産官学の関係者が出席。今後、ブラジルでのテスト走行を通じてデータを収集し、ブラジルにおける実用化に向けてハイブリッドFFVの耐久性やパワートレーン性能などの検証を進めていくとしている。

 同社の調べによると、植物の生長過程からエネルギーとしてクルマで使われるまでのCO2総排出量で比較すると、一般的なFFVに比べて、ハイブリッドFFVは、特にサトウキビ由来のエタノールのみを燃料とする場合、排出量を大きく削減できると試算。ハイブリッド車の性能をベースに、植物由来の再生可能エネルギーを使うことで、総合的なCO2排出量を大きく低減させるポテンシャルがあるとしている。

 ハイブリッドFFVの開発は、2050年までにグローバル新車平均走行時CO2排出量の2010年比「90%削減」や車両のライフサイクルでのCO2排出量ゼロを目標とする「環境チャレンジ2050」における新たな取り組みのひとつでもあり、2030年にはグローバル販売台数における電動車を「550万台以上」とする電動車普及に向けた取り組みの一環という。

 トヨタの専務役員および中南米事業の本部長で、ブラジルトヨタの会長を務めるスティーブ・セントアンジェロ氏は「ブラジルトヨタのエンジニアが日本の技術者と力をあわせて、エタノールを用いた世界で最もクリーンなハイブリッド車をブラジルのお客様のために開発していることを嬉しく思います。今回の試作車は、新たなモビリティ社会を目指して、新たな技術に取り組む象徴となります」とコメントしている。

ガソリンに加えてエタノールなどのアルコールを燃料として走行できるハイブリッド車の試作車「ハイブリッドFFV」