「コンコルソ デレガンツァ 京都 2018」の最優秀賞を「アルファ ロメオ 6C 2500SS ヴィラ デステ」が受賞

2018年の最優秀賞である「ベスト・オブ・ショウ」に選ばれた1951年式「アルファ ロメオ 6C 2500SS ヴィラ デステ」

　京都にある世界遺産の元離宮二条城で3月30日～4月2日、クラシックカーの美を競う祭典「コンコルソ デレガンツァ 京都 2018」が開催され、コンクールの最優秀賞である2018年の「ベスト・オブ・ショウ」に1951年式「アルファ ロメオ 6C 2500SS ヴィラ デステ」が選ばれた。

2回目にして世界に認められつつある「コンコルソ デレガンツァ 京都」

コンコルソ デレガンツァ 京都は、歴史が魅力となるクラシックカーと元離宮二条城のコラボで行なわれるイベント

　米国を代表する「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」、欧州のイタリア コモ湖畔で開催される「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」が代表格で、現在グローバルではこの2つがステータスのあるコンクール・デレガンスとして知られている。その一方、日本をはじめとしたアジア圏では、コンクール・デレガンスはまだ根付いていないのが現状である。そこで、アジア圏を代表する国際格式のコンクール・デレガンスを日本で開催することを目標に始められたのが、このコンコルソ デレガンツァ 京都だ。

　2016年の初開催時から、両コンクールなどを含めて海外で活躍するクラシックカーを得意とするジャーナリストなどを審査員として招致してレベルを確保。また、参加車両も海外から広く招待し、その存在をアピールしている。

クラシックカーを得意とする海外のジャーナリストなどを招き、展示されたクラシックカーの美を審査

　第2回目となる今回、その成果が表れてきているエピソードがあった。それは全ての結果発表の後、審査委員長であるランボルギーニ博物館 キュレーターのアントニオ・ギーニ氏から、コンコルソ デレガンツァ 京都の総合プロデュースを務める木村英智氏にサプライズでプレゼントが渡されたのだ。

　ギーニ氏は出発前に奥様に対し、「私たちは日本というとても素晴らしい国にいる、素晴らしいアーティストに会いに行くのです。彼はビジネスマンであり、情熱を持っている人でもあり、まさにイタリアのルネッサンス時の芸術家を支えた貴族のような人なのです」と、アートアクアリウムアーティストでもある木村氏を紹介。そして、「その彼が行なうイベントに参加する私たちは彼に何をプレゼントしたらいいかを考えました。その結果、彼女のアイデアで我々が誇るイタリアの建築家、ジオ・ポンティがデザインしたプレートをプレゼントすることにしたのです。過去の歴史が現代に受け継がれた素晴らしい作品で、日本が誇る京都の素晴らしい伝統を表すコンクールに敬意を表したものでもあるのです」と、彼らの中でこのコンクールが認められていることをコメント。

　これに対して木村氏は、「イタリアが好きで、クルマが好きで、そして日本も京都も好き。その全部合わせたものを何かやりたいと思い、このイベントができました。好きなものに囲まれて幸せではありますが、いろいろな人を巻き込んだり、お金がかかったりすることで辛いこともあるのです。それでもこのサプライズとコメントで報われた気がしました」と喜びの涙を見せていた。

コンコルソ デレガンツァ 京都 総合プロデューサーの木村英智氏

木村氏に審査委員長のアントニオ・ギーニ氏と奥様からサプライズプレゼントが贈られた

アルファ ロメオの“新旧ディスコ ヴォランテ”も展示

　今回は、8人の著名な審査員が素晴らしいコンディションに仕上げられた27台のクラシックカーを審査。一般来場者の人気投票を含めて12の賞が決定した。

　今回エントリーしたクラシックカーは、1926年式の「フィアット 509 デルフィーノ」から1977年式の「ランボルギーニ カウンタック LP400」まで多岐にわたり、その多くがイタリアをはじめとした海外から来日した希少なクルマたちであった。

各賞を受賞した12台のクラシックカー

　また、今回の特別テーマが「カロッツェリア トゥーリング スーパーレッジェーラ」ということで、本国のアルファ ロメオ歴史博物館「ムゼオ・ストーリコ・アルファ ロメオ」から歴史遺産にも指定されている、「アルファ ロメオ C52 ディスコ ヴォランテ」が来日。さらにそのオマージュとして新生カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラが8台のみ作成した「アルファ ロメオ 8C ディスコ ヴォランテ」も3台展示され、そのひと区画は来場者の驚きを誘っていた。

新生カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラが8台のみ作成した「アルファ ロメオ 8C ディスコ ヴォランテ」（左）と、「ムゼオ・ストーリコ・アルファ ロメオ」が歴史遺産に指定する「アルファ ロメオ C52 ディスコ ヴォランテ」（右）

　今回のアワードタイトルで、最優秀賞以外の受賞車は以下のとおり。なお、前述したようにカロッツェリア・トゥーリングをフィーチャーしていることから、それにまつわるアワードも用意されている。

「Early Cars to 1951」（1951年以前に作られた中で最も優れているクルマ）　1946年式 フィアット 1100 フルアスパイダー

「Late Cars from 1952」（1952年以降に作られた中で最も優れているクルマ）　1977年式 ランボルギーニ カウンタック LP400

「Touring Early Italian」（1951年以前に作られた、イタリアのメーカーでトゥーリングのボディを纏った最も優れているクルマ）　1939年式 アルファ ロメオ 6C 2500SS スポーツベルリネッタ

「Touring Classic Italian 1952～1961」（1952年～1961年に作られた、イタリアのメーカーでトゥーリングのボディを纏った最も優れているクルマ）　1955年式 アルファ ロメオ 1900 CSS

「Touring Italian class of 1962～」（トゥーリングのボディを纏い、1962年以降に作られた最も優れているクルマ）　1962年式 マセラティ 3500GT

「Touring Foreign」（イタリア以外のメーカーで、トゥーリングのボディを纏った最も優れているクルマ）　1959年式 アストンマーティン DB4 3.7

「Auto Italiana elegante（ACI）」（イタリアのメーカーで最も優れているクルマ）　1962年式 マセラティ 3500GT

「Touring Milestone」（トゥーリングの歴史において画期的な道しるべとなるクルマ）　1949年式 フェラーリ 166 インテル

Premio Sakura（春の二条城に最も似合うクルマ）　1939年式 フィアット 1500 トゥーリング

Craftsman award（匠の技のエピソードが最も優れているクルマ）　1926年式 フィアット 509 デルフィーノ

People's choice（一般投票で最も得票数が多かったクルマ）　1971年式 ランボルギーニ ミウラ SV

　4月2日でこのコンコルソ デレガンツァ 京都は終了となったが、翌4月3日から、今回のアワード受賞車などを含めた10台以上が京都を出発して、伊勢、伊豆、箱根、大磯を経由し、4月8日のお昼ごろに東京 日本橋にゴールする「ツール・デレガンツァ」が行われている。

アワード受賞車など10台以上が京都の二条城から東京 日本橋を目指して走る「ツール・デレガンツァ」も実施中。ゴールは4月8日のお昼ごろの予定だ

　また、次回の開催について主催者からコメントを得ることができたので、最後にご報告しておこう。2018年の開催より若干遅めの2019年4月13日～14日の2日間、場所は今回と同じ京都の元離宮二条城で開催される予定だ。テーマは「カロッツェリア・ザガート」。2019年にザガートが100周年を迎えることを記念し、“ザガートボディ”を纏った数多くの名車が全世界から集まる予定となっている。