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ボッシュ、日本国内での2017年売上高は前年比10%増の2950億円

「全世界のグループ売上高は過去最高の781億ユーロ」とクラウス・メーダー社長

2018年6月6日 開催

ボッシュ株式会社 代表取締役社長 クラウス・メーダー氏

 独ロバート・ボッシュの日本法人であるボッシュは6月6日、2018年ボッシュ・グループ年次記者会見を開催した。この年次記者会見において、日本国内での2017年売上高は前年比10%増の2950億円(約23億ユーロ)になったと紹介した。

 あいさつに立ったボッシュ 代表取締役社長 クラウス・メーダー氏は、全世界の売上高から紹介。ボッシュ・グループの2017年の売上高は過去最高の781億ユーロとなり、前年の731億ユーロから6.8%増加。とくに、モビリティ ソリューションズ事業においては売上増加が顕著で、売上高は前年比7.8%増の474億ユーロ。同年の世界の自動車生産台数の伸びは2.4%だったため、それを上回るに伸びになっているという。

 支払金利前税引前利益(EBIT)については、前年と同一条件で見た場合、前年比6.8%増加し53億ユーロ。前年69億ユーロだった研究開発費は、2017年に約73億ユーロに増加したといい、先行投資の主な分野は、ドライバー アシスタンス システム、自動運転機能、ディスプレイ分野、インフォテインメントシステム、センサー技術だという。

ボッシュグループの業績
日本のボッシュの業績と、2018年の展望
世界における日系自動車メーカー関連の売上

 2017年の日本における第三者連結売上高は、前年比約10%増加の約2950億円で、こちらも日本国内の自動車生産台数の増加率5%上回る結果となっている。

日本国内の状況について語る、ボッシュ株式会社 取締役副社長 森川典子氏

 また、注力している分野として、あらゆる環境、交通シーンにおいて確実に動作する自動運転システムを実現するための「ボッシュ ロード シグニチャー」に加え、衛星測位システムを使用した自車位置推定技術の開発にも取り組んでいる。Vehicle Motion and Position Sensor(以下V、VMPS)と呼ばれるこのシステムでは、レーダーやカメラで検知する対象物が少ない環境でも自車位置を推定することができるとし、日本では豪雪地帯でとくに有用性があるという。

 そのほか、事故発生時の車両の状態を記録する「EDR(Event Data Recorder)」が記録したデータの抽出を行なうボッシュのツール「CDR(Crash Data Retrieval)」についても注力していくという。このCDRでデータ取得を行なえるため、2017年末よりデータ解析トレーニングなども提供開始。現在CDRは、自動車メーカー各社、あいおいニッセイ同和損害保険など大手損保各社、科学警察研究所や警視庁などの警察組織で利用されているという。

現在位置を特定する「ボッシュ ロード シグニチャー」
ボッシュ ロード シグニチャーに使われている「ビークル モーション アンド ポジション センサー」
CDRでEDR情報にアクセス

 2017年は過去最高の業績となったボッシュだが、2018年はさらなる業績の向上を目指す。そのため、上記の様な分野を強化するとともに、グローバルサプライヤーであるメリットを活かし、日系自動車メーカーのグローバルカーへの供給増なども図っていく。