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【ル・マン24時間 2018】公開車検を実施。予選は6月13日~14日(現地時間)

各クラスの主な参加車両をおさらい

2018年6月10日~11日(現地時間)開催

TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)はマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組の7号車、中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ組の8号車という2台の「TS050 HYBRID」でル・マン24時間レースに挑む

「第86回ル・マン24時間レース」の公開車検が6月10日~11日(現地時間)に行なわれた。2018年はWEC(FIA世界耐久選手権)が“スーパーシーズン”と銘打ってウインターシーズンとなったため、ル・マンは今回の第2戦と2019年の第8戦(最終戦)が行なわれる。第2戦は6月13日に公式練習と予選1回目、6月14日に予選2回目と3回目、そして6月16日15時に決勝レースがスタートするスケジュールだ。

 2017年にポルシェがWECからの撤退を決めたため、メーカーとしての参加がトヨタ自動車だけとなってしまったLMP-Hクラスは今年廃止され、LMP1クラスに統合された。2011年の規則に戻ったと思ってもらえれば分かりやすいかもしれない。

 では、なぜ2018年になってLMP1クラスに参加するチームが増えたかというと、2017年にLMP2クラスのマシンがトップを走ったことが挙げられる。結局ポルシェに敗れたものの、プライベートチームにとって1つの希望を抱かせる出来事だったことに違いない。

 トヨタ「TS050 HYBRID」は、電池とその冷却システムがアップデートされた以外は基本的に2017年のマシンのまま信頼性が上げられた。外観上で一番大きく変わったのはカラーリング、そしてノーズ部分にトヨタのマークが入ったことだろう。

TS050 HYBRIDのノーズ部分にトヨタのマークが入った
TS050 HYBRID(8号車)のドライバーを務めるフェルナンド・アロンソ選手

 一方で、5チーム/7台が参加するプライベートチームのマシンは、いずれもLMP2マシンなどを手掛ける有名コンストラクター製で、LMP2クラスで培ったノウハウが多く投入されている。しかし、FIA(国際自動車連盟)/ACO(フランス西部自動車クラブ)はあくまでLMP1の基準はTS050 HYBRIDとし、他のLMP1マシンがこの性能を超えないようにEoT(Equivalency of Technology/技術の均等化)をいつでも変更できるとしている。こうして優勝を約束されたかのようなトヨタではあるが、2016年、2017年のこともあるので楽観視することはできない。

LMP1クラス 11号車のBR Engineering BR1-AER(SMP RACING)
LMP1クラス 6号車のGinetta G60-LT-P1-Mecachrome(CEFC TRSM RACING、左)
LMP1クラス 5号車のGinetta G60-LT-P1-Mecachrome(CEFC TRSM RACING)
LMP1クラス 4号車のENSO CLM P1/01-Nismo(BYKOLLES RACING TEAM)
LMP1クラス 1号車のRebellion R13-Gibson(REBELLION RACING)
LMP1クラス 10号車のBR Engineering BR1-Gibson(DRAGONSPEED)
LMP1クラス 11号車 BR Engineering BR1-AER(SMP RACING)のドライバーを務めるジェンソン・バトン選手

 また、2018年にLMP1に移行したチームがあるため、LMP2クラスは20台の参加が認められた。2017年、あわや総合優勝かと思われたジャッキー・チェン DCレーシングはなんと4台のマシンをエントリーしている。

LMP2クラス 38号車のOreca 07-Gibson(JACKIE CHAN DC RACING)
LMP2クラス 35号車のDallara P217-Gibson(SMP RACING)

 大激戦区のLMGTE-Proクラスは、“これこそがメーカーチャンピオンシップ”と言えるほどのエントリーを見せ、17台が参加。フォード GTが4台、ポルシェ 911 RSRが4台、フェラーリ 488 GTE EVOが3台、コルベット C7.Rが2台、2018年からWECに参戦したBMW M8 GTEが2台、ニューマシンのアストンマーティン ヴァンテージ AMRが2台という内訳だ。

LMGTE-Proクラス 64号車のシボレー コルベット C7.R(CORVETTE RACING-GM)
LMGTE-Proクラス 81号車のBMW M8 GTE(BMW TEAM MTEK)
LMGTE-Proクラス 95号車のアストンマーティン ヴァンテージ AMR(ASTON MARTIN RACING)
LMGTE-Proクラス 93号車のポルシェ 911 RSR(PORSCHE GT TEAM)
LMGTE-Proクラス 91号車と92号車のポルシェ 911 RSR(PORSCHE GT TEAM)
LMGTE-Proクラス 67号車のフォード GT(FORD CHIP GANASSI TEAM UK)

 また、1年落ちのマシンで戦うLMGTE-Amクラスはミッドシップとなったポルシェ 911 RSRを含め、13台がエントリー。澤圭太、石川資章という日本人が乗る2台のフェラーリ 488 GTE(61号車、70号車)にも注目したい。

LMGTE-Amクラス 88号車のポルシェ 911 RSR(DEMPSEY-PROTON RACING)
LMGTE-Amクラス 61号車(CLEARWATER RACING)と70号車(MR RACING)のフェラーリ 488 GTE