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日産、衝突エネルギーの吸収部品にも使える980MPa級の“第2世代ハイテン材”採用拡大

米国で3月発売の「インフィニティ QX50」は超ハイテン材適用率27%達成

2018年6月18日 発表

3月に米国で発売されたインフィニティブランドの新型SUV「QX50」、高成形性980MPa級超ハイテン材を自動車として世界初採用している

 日産自動車は6月18日、新日鐵住金と共同で世界初開発した「高成形性980MPa級超ハイテン材(冷間プレス用超高張力鋼板)」の採用を拡大すると発表した。

 この高成形性980MPa超ハイテン材は「第2世代ハイテン材」と呼ばれる素材で、引張強度980MPa以上の高い強度を備えつつ、自動車用の鋼板として従来から多用されている590MPaハイテン材に近いプレス成形性や衝突時のエネルギー吸収性能を両立。これにより、従来はプレス成形が困難だった複雑な形状の部品、衝突時に乗員を保護するためエネルギー吸収の役割を持つ部品などに適用可能となり、超ハイテン材の採用拡大で車体の軽量化がさらに推し進められるという。

 日産では車体を軽量化するため、「車体部品における超ハイテン材を25%(重量ベース)以上に採用する」という目標を掲げ、2013年から高成形性1.2GPa級超ハイテン材の採用しているほか、超ハイテン材の適用技術を開発するため積極的に取り組んできた。

 3月に米国で発売したインフィニティブランドの新型SUV「QX50」では、フロントサイドメンバーやリアサイドメンバーなどの車体骨格の部材として高成形性980MPa級超ハイテン材を自動車として世界初採用し、超ハイテン材の適用率27%を達成。日産では今後発売する新型車に採用を拡大していくとしている。