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トヨタ、MaaS時代へ向け「ツーリズムEXPOジャパン2018」で観光地向けカーシェアリングサービス「Ha:mo」の実績をアピール
OpenStreetMap採用のアイシンAWナビも解説
2018年9月21日 12:19
- 2018年9月20日~23日 開催
世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2018」が東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開幕した。日観振(日本観光振興協会)、JATA(日本旅行業協会)、JNTO(日本政府観光局)の共催で、会期は9月20日~23日で、20日~21日が業者日、22日~23日が一般公開日。
ツーリズムEXPOジャパンに初出展のトヨタ自動車は、EV(電気自動車)「COMS(コムス)」を使用したカーシェアリングサービス「Ha:mo(ハーモ)」を出展。コムスはトヨタ車体が開発した超小型EVで、1人乗りのためコンパクトかつ排出ガスを出さないのが特徴。日本の歴史的な観光地の細街路も入って行くことができ、観光施設までのラストワンマイルを担うことができるとしている。
ハーモはすでに各地で展開が始まっているカーシェアリングサービスで、いわゆるMaaS(Mobility as a Service)の1つの実現例になる。トヨタ コネクティッドカンパニー MaaS事業部 モビリティサービス事業部 主査 川合浩史氏に、このハーモ事業について聞いたところ、ハーモで使用しているコムスは普通充電対応やシェアリングカード対応など、観光地で使いやすいような改良を加えてあるという。
最初にサービスを始めた愛知県豊田市のほか、沖縄県今帰仁村、山口県萩市、島根県出雲市などでサービスを開始しており、運行実績を積み上げている。
コムス内にはタブレットが備えてあり、ここに観光情報などを付加した地図を表示しナビゲーション可能。この地図もOpenStreetMapを利用することで、ハーモサービスを利用する地域などが自由にカスタマイズ可能という。
このナビゲーション地図を担当するアイシン・エィ・ダブリュの田中裕之氏によると、地図にOpenStreetMapを利用することで観光施設内の通路も地図に表示できるようになり、入口までしか案内しない一般のナビゲーション地図より地域に密着した地図を作成可能という。アイシン・エィ・ダブリュでもその仕事を請け負うことは可能だが、講習も行なっており、実際に今ではハーモを運用する自治体が地図のカスタマイズを始めているという。
インターフェースデザインはアイシン・エィ・ダブリュのものを用いているので、最新市販ナビ相当の仕上がり。ただ、現在はプローブ情報などを採り入れておらず、交通情報表示については今後の課題だとした。
ただ、狭い限定された地域を走るハーモのようなサービスでは、そもそも渋滞が発生する主要幹線道を走るのは想定されていないため、プローブ情報よりもどれだけ地域に密着した情報を表示できるかがポイントになるだろう。田中氏によるとサンプルルートの設定や、ルーティング中の音声観光案内などのカスタマイズもできるとのことで、ハーモを採用する自治体がどれだけ使いこなせるかが、観光利用のポイントになるだろう。
ツーリズムEXPOジャパン2018の業者日には各国の観光事業者も訪れているが、体の大きな外国人もハーモサービスに強い興味があるようで、小さなコムスに乗り込みつつ使い勝手を試しているのを見かけることもできた。
超小型EVによる新しい旅の提案が見られるトヨタのブースとなっていた。
ツーリズムEXPOジャパン2018
開催日:2018年9月20日~21日(業界向け)、22日~23日(一般向け)
開催時間:10時~18時(20日は12時~18時)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟 東1~6ホール
入場料:当日券大人1300円、学生700円、前売り券大人1100円、学生600円 ※保護者同伴の高校生以下は無料(中高生は学生証を提示)
Webサイト:ツーリズムEXPOジャパン2018