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横浜ゴム、氷上でゴムと路面が実際に接する「真実接触部」を可視化する新技術
吸水性に優れる配合剤や排水性が高いトレッドパターンの開発に活用
2018年9月27日 13:21
- 2018年9月26日 発表
横浜ゴムは9月26日、氷上路面と摩擦中のゴム（走行中のタイヤをイメージ）の接地状態を可視化する新しい評価技術を、金沢大学 理工研究域 岩井研究室との共同研究で開発したと発表した。
冬期に車両が氷上を走行する際、氷の表面に発生する水膜によってタイヤが路面に密着できなくなることがグリップ力低下の原因とされており、スタッドレスタイヤでは水膜を除去する吸水剤、排水性の高いトレッドパターンなどが一般的に採用されている。
これまではタイヤと路面の接地面を観察する場合に、路面とゴムの間に水が入り込んでいる部分と、ゴムが直接路面に接している部分（真実接触部）が同じように見えることから見分けることが困難となっており、真実接触部について正確に把握できていなかった。
今回発表した新技術では、高速度カメラを搭載する特殊試験機を新たに開発して接地状態を可視化。真実接触部の識別に成功した。さらに接触画像を数値化する解析技術を確立したことで、ゴムが持つ吸水性や排水性を数値的に評価できるようになっている。
新開発の特殊試験機では、氷、あるいは氷を再現した透明で平滑な円盤とゴムサンプルを最高50km/hで摩擦させ、接地面のミクロレベルの画像を高速度カメラによって1秒間に100万枚撮影可能。撮影に加えて試験中の摩擦力も測定する。特殊試験機で撮影した画像では真実接触部だけを黒く写すことができ、実際に吸水剤を配合している場合と配合していない場合では、吸水剤を配合している方が黒く写った真実接触部の面積が広いことを確認。さらに接触面積と摩擦力を関連付けるために開発した新しい解析技術によって画像を数値化した結果、導き出された数値からゴムの摩擦力と高い相関関係があることも明らかになっているという。
横浜ゴムではこの新技術に活用により、吸水性に優れた新たな配合剤や、排水性の高いトレッドパターンなどをさらに高精度に開発できるようになり、氷上でのグリップ性能を高めたスタッドレスタイヤの開発が期待できるとしている。
