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アウディ、過去5年間に燃費・排出ガスで抜取検査した692台のうち、無効にすべき37台を有効に

燃費・排出ガス値に影響なし

2018年9月28日 発表

 アウディ ジャパンは9月28日、国土交通省から調査要請された「燃費及び排出ガスの抜取検査の不正事案を受けた確認の実施等について」(国自審第674号)に基づき、独アウディの生産工場で完成検査時に実施されている燃費・排出ガスの抜取検査に関する調査結果を独アウディから入手し、同日国交省に報告した。

 報告内容を紹介するニュースリリース内では、燃費・排出ガス検査データと試験環境(測定条件)の書き換え事案はなかったとしつつ、検査の実施時に指定された速度の許容範囲を超えて走行(速度トレースエラー)したため、本来は無効と判断すべき試験結果を有効としていた事案があったことを明らかにしている。

 調査対象期間は2014年7月~2018年7月の5年間で、この間に燃費・排出ガス検査データとして有効化された計692台のうち、計37台が本来無効にすべき速度トレースエラーとなっていた。なお、いずれの場合も測定結果は正規に測定された他の数値と同等の範囲内に入っており、燃費・排出ガス値への影響はないとしている。

 発生原因については「測定結果を精査した後にデータを手動でシステムに伝送する際、プルダウンメニューで『無効』を選択しなかったために起きた人的ミス」としている。

 再発防止策として、すべての測定結果や走行ログを書き換えできない仕組みにしている従来からの対応に加え、「複数のオペレーターによる結果判定を常時行ない、データベースシステムへの伝送後の有効・無効の選択ミスを防止する。従来は燃費値や排ガス値等の測定データのみを複数のオペレーターでチェックしていたが、走行ログを含めたすべてのデータを複数のオペレーターでチェックする仕組み(2018年8月6日週より実施済み)」「走行ログを含む測定結果を自動的にデータベースに伝送するシステムに変更した。これにより、オペレーターが判定に集中できるようプロセスを簡略化(2018年8月27日週より実施済み)」を新たに実施。

 さらに今後の恒久対策として、「規定された速度の許容範囲を超過(速度トレースエラー)して走行した際に、システム上で測定結果そのものを自動的に無効と判断し記録する機能を追加していく」としている。

 ニュースリリース内では「今回の事案発生を真摯に受け止め、ドイツ本社でのプロセスを再点検し改善に向けた取り組みを開始致しました。今後このような事案の発生が2度とないよう再発防止に努めてまいります」としている。