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三菱電機、EVのバッテリーを有効活用して建物の電力コストを削減するエネルギーマネジメント技術
11月から中国で実証実験をスタート
2018年10月25日 17:48
- 2018年10月25日 発表
三菱電機は10月25日、駐車中のEV(電気自動車)や蓄電池などの蓄電設備と、太陽光発電や発電機などの発電設備を組み合わせた需要家向けのエネルギーマネジメント技術を開発したと発表した。
この技術を適用する形態の1つとして、EVの普及が見込まれる中国でのフィールド実証実験を行なう予定となっており、中国 常熟市にある三菱電機自動車機器有限公司の工場で、三菱電機(中国)有限公司と共同で11月から実証実験を実施する。
実証実験を行なう新しいエネルギーマネジメント技術では、駐車している複数のEVと太陽光発電などの発電設備を連携。電力需要とPV発電量を予測して、電力コストの最小化を目的関数とした最適化計算を行ない、ピークカット・ピークシフトを実現する。この最適化計算では契約電力量、電気料金単価、電力需要、EVの使用予定などの情報を入力し、契約電力量などの受電電力容量と需給バランス、蓄電池の最大・最小充放電量などを制約条件に設定する独自のモデルを組み込んでいる。
これは1000人規模の工場で使う電力量の約10分の1をEVなどに充電した電力でまかなうモデルとなり、EV10台を活用するシミュレーションでは、1日あたりの電力コストを5%削減できることを確認しているという。
環境意識の高まりを受けて開発されたこの技術により、三菱電機では今後増加するEVを建物の蓄電池として活用して、電気料金単価の変動に連動してEVの充放電スケジュールと太陽光発電などの発電設備の運転を最適化。建物の電力コスト削減に貢献するとしている。