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英ダイソン、EV開発に元日産のローランド・クルーガー氏が参画。シンガポールに自動車製造拠点を設置へ

2019年1月22日(現地時間)

ローランド・クルーガー氏(Roland Krueger)氏(写真はインフィニティ社長としてフランクフルトショー2015に出席した時のもの)

 英ダイソンは1月22日(現地時間)、同日発表した2018年度の業績報告の中で、本社機能をシンガポールへ移転することや、EV(電気自動車)プロジェクトにローランド・クルーガー(Roland Krueger)氏が参画予定であることを明らかにした。

 現在、ダイソンのEVプロジェクトでは、EV開発チームの本拠地となる英国ハラビントン テクノロジー キャンパスへ2億ポンド(約288億円)の投資を行なって、テストコースや試験施設を含むキャンパスを拡張している。さらに、3億5000万ポンド(約504億円)の投資で、さらなるプロジェクトや自動運転車両試験に対応するとしている。

 4月より新たに同プロジェクトに加わるクルーガー氏は、インフィニティ社長や日産自動車 専務執行役員などを務めた人物。本社機能を移転するシンガポールをダイソンの自動車製造拠点と位置付けて、シンガポールを拠点として市場投入に向けた全工程をクルーガー氏が担うという。

 なお、同社の2018年度業績については、グローバル市場での売上高は28%増加の44億ポンド(約6336億円、1ポンド=144円)、利益(EBITDA)は33%増加の11億ポンド(約1584億円)。

 ダイソン CEOのジム・ローウェン氏は「2018年度、ダイソンは英国において最大規模の投資を行ない、またアジア全域で高まる需要に対応すべく、特にシンガポールでのテクノロジー投資を推進してきました。世界的に、ダイソン製品ユーザーは高性能な製品を求めており、当社はそのような声に応えるべく、技術および事業投資の拡大に取り組んでいます」と報告。

 また、将来に向けてローウェン氏は「ダイソンのようなビジネス形態はユニークです。ダイソンの全従業員の中で半数以上がエンジニアと科学者であり、2019年度も引き続き彼らが未来の製品を具現化につながるコアテクノロジーの研究開発に取り組んでいきます。同時に、私たちの自動車事業は急速に前進しています。ダイソンでは、私たちの未来を形づくる様々なテクノロジーへの投資を行なっているのです」とコメントしている。

2017年に、2020年の発売を目指してEV(電気自動車)開発を開始したことを発表した英ダイソン チーフエンジニアのジェームズ・ダイソン氏