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英ダイソン、EV開発を終了。全固体電池など基礎研究は継続

新技術へ25億ポンド(約3360億円)を投資

2019年10月10日(現地時間) 発表

英ダイソン チーフエンジニア ジェームズ・ダイソン氏

 英ダイソンは10月10日(現地時間)、Dyson Automotiveで進めてきたEV(電気自動車)プロジェクトを終了すると発表した。同社は2020年の発売を目指してバッテリー式EVの開発を進めていた。

 ジェームズ・ダイソン氏の著名の入ったリリースでは、「ダイソン・オートモーティブ・チームは素晴らしいクルマを開発しました。彼らは私たちの哲学に忠実でありながらアプローチは独創的でした」とプロジェクトの成果について評価したものの、採算に合わないことから社内委員会によりプロジェクトの終了を決定。ほとんどのチームメンバーはダイソンの主力ビジネスへ配置転換を検討しているという。

 一方で、ダイソンは新技術への25億ポンド(約3360億円)の投資プログラムを継続。ソリッドステートバッテリー(全固体電池)製造の研究、センシング技術、ロボット工学、AI(人工知能)など、そのほかの基本的な技術に注力。英国とシンガポールの両方で研究を深めていくとしている。

 ジェームズ・ダイソン氏は「私たちのバッテリーは、ダイソンに多大な利益をもたらし、エキサイティングな新しい方向に導いてくれます」と述べるとともに、「私たちの野望、投資能力、チームはこれまでになく強力になりました。将来の冒険を一緒に楽しみにしています」とコメントしている。

ジェームズ・ダイソン氏の著名が入ったプレスリリース