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マクニカ、自動運転向けを含むAIソリューションサービス「macnica.AI」を提供開始

2019年1月24日 開催

株式会社マクニカ 代表取締役社長 中島潔氏

 半導体、ネットワーク機器などの輸入、販売、開発を手がける電子部品関連商社のマクニカは1月24日、東京都内で記者会見を開催し、同社が提供するAI(人工知能)ソリューションサービス「macnica.AI」を1月から提供開始したと明らかにした。

 マクニカによれば、macnica.AIは同社が提供する各種のAI領域におけるビジネスの総合的なブランドとなる。この傘の下でさまざまなサービスを顧客に提供し、企業がAIを活用する際の伴走者になっていきたいと説明した。

 そうしたmacnica.AIには自動車/部品メーカー向けのソリューションが含まれており、自動車の生産工場向けには製造ラインや工作機械へのAI実装をサポートしたり、自動運転車の開発に向けてAI環境の構築をサポートする仕組みが提供される。

CrowdANALYTIXのプラットフォームを元にAIソリューションを提供

マクニカの概要

 冒頭で会社概要などの説明を行なったのはマクニカ 代表取締役社長 中島潔氏。中島氏は「マクニカは2015年に富士エレクトロニクスと経営統合し、マクニカ・富士エレ ホールディングスとして新しいスタートを切った。全社員3200名のうち30%強が技術者という技術寄りの企業となっており、現在はAIを強化していて、そのブランドとしてmacnica.AIを利用して訴求していく」と述べ、今後同社がAI関連に投資を行なってAI向けのソリューションを増やしていき、AIによるビジネスを同社の新しい柱に育てていきたいという意向を表明した。

中島氏のそのほかのスライド

 次いで登壇したマクニカ 常務執行役員 事業戦略室 室長 森重憲氏は、マクニカが提供するAIソリューションの全体像などを説明した。森氏は「この1月に41.8%の株式を取得して関連会社としたCrowdANALYTIXが持つ、データサイエンティストの人的資源とSaaS型のサービスを活用して、顧客に対してAIソリューションを提供していく。お客さまの持つ経営課題は何かをお客さまと一緒に調査し、検証を進めて、お客さまに最適なソリューションを提供していく。そうした伴走型のパートナーになっていきたい」と述べ、同社が1月に41.8%の株式を取得して関連会社化したCrowdANALYTIXが、macnica.AIの鍵になっていると説明した。

株式会社マクニカ 常務執行役員 事業戦略室 室長 森重憲氏
macnica.AIのソリューション全体像

 森氏によれば、CrowdANALYTIXは現在業界でも不足が叫ばれているデータサイエンティストを社内だけでなくコミュニティとしても抱えており、かつSaaS(Software-as-a-Service)型として提供されるAIのプラットフォームを持っており、APIの形で提供することが可能であるため、顧客の業務システムに容易に統合できるようになっているという。CrowdANALYTIXのAIはモジュラー化されており、必要に応じて組み合わせることで、顧客が必要とするようなAIのサービスを容易に提供できることが強みだという。

CrowdANALYTIXの特徴

 すでに具体的な事例も出てきており、流通事業者のTRIALを展開するトライアルホールディングス、ユニマットなどが同社のAIソリューションを使ってさまざまな課題を解決しているとのことだった。

森氏のそのほかのスライド

自動車向けでは工場へのAI導入、自動運転の開発向けAI構築などを請負

株式会社マクニカ 取締役 イノベーション戦略事業本部 本部長 原一将氏

 マクニカ 取締役 イノベーション戦略事業本部 本部長 原一将氏は、macnica.AIの製造業向けの取り組みに関して説明した。原氏によれば製造業向けにおける同社のAIソリューションの強みは、同社の強みであるセンサーなどの技術やAIのアルゴリズム、そして半導体商社として積み重ねてきた長年の経験を生かしたAIに必要となる半導体などのハードウェアなどになるという。

工場への導入事例
自動運転向けAI導入

 製造業向けの事例としては、自動車メーカーの工場などで多い工作機械へのAI導入による異常検知・劣化予測、製造ラインへのAI実装などによる不良原因分析・最適化、さらには検査工程へのAI実装で外観検査を自動化するなどを実現しているという。また、自動車メーカー向けというより自動車部品メーカーなどに向けたものとなるが、自動運転の開発向けにAI構築を請け負ったりということが求められており、そうしたソリューションを提供していると原氏は説明した。

原氏のそのほかのスライド