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日産とNTTドコモ、5G通信で見えないものを可視化する「I2V」を走行中の車両で活用する実証実験
「3Dアバター」とドライブする新しい体験も提供
2019年3月12日 14:04
- 2019年3月12日 発表
日産自動車とNTTドコモは3月12日、「5G(第5世代移動通信方式)」によって走行中の車両で「I2V(Invisible-to-Visible)」技術を活用する実証実験を開始した。
日産ではリアルとバーチャルの世界を融合させ、ドライバーが見えないものを可視化するI2Vの技術を「ニッサン インテリジェント モビリティ」を体現する“未来のコネクテッドカー技術の1つ”に位置付けて研究開発を進めている。
このI2Vでは、車両の内外にあるセンサーで収集した情報とクラウド上にあるデータを統合。車両の前方や建物などの裏側、ブラインドコーナー先の状況など、通常は目視できない情報をドライバーに提供する。さらに日産では、I2Vに「VR(仮想現実)」を組み合わせることで、人々がアバター(自身の分身となるキャラクター)として活動する仮想世界「メタバース」と車両を接続。「AR(拡張現実)」の技術を使って車内に「3Dアバター」を登場させ、その場にいない人とドライブしているような新しい体験も提供する。
神奈川県横須賀市にある日産のテストコース「グランドライブ」でスタートした実証実験では、「NV350 キャラバン」をベースとした実験車両とメタバースをNTTドコモの5G通信で接続。グランドライブ内の離れた場所にいるユーザーを3Dアバターとして走行中の車内に出現させ、車内のユーザーと会話をしながらさまざまな情報提供を行なう内容としている。
5Gの通信で実験車両に向けたアバターの伝送、車内の状況を車外のユーザーが確認する俯瞰映像の伝送をリアルタイムで実施する実証実験により、双方でリアルな存在感や同乗感覚を得るために必要な情報提供方法(ユーザーインタフェース)、インタラクティブなコミュニケーションの有用性などを評価、確認する。
今後も両社は、I2Vのさまざまな利用シーンを想定した実証実験を共同で行ない、これまでにない新しいコネクテッドカー体験をユーザーに提供する技術の研究開発を推進していくとしている。