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【SUPER GT 第1戦 岡山】大雨に見舞われた開幕戦は、30周でレース終了。平成最後のGT500は、8号車 ARTA NSX-GT(野尻/伊沢組)が優勝

GT300は、96号車 K-tunes RC F GT3(新田/阪口組)

2019年4月14日 決勝開催

平成最後のGT500クラスを制した、8号車 ARTA NSX-GT(野尻/伊沢組)

 4月13日~14日の2日間にわたり、2019年のSUPER GT開幕戦「2019 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」が岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催された。4月14日(日)には14時半から決勝レースが行なわれ、平成最後のSUPER GTレースは午前中から降り続いた雨に翻弄されたレースになった。

 セーフティーカー先導で始まったレースは、降雨に左右され4度のセーフティーカー、2度の赤旗という荒れた展開になり、レースは31周で赤旗中断となった。そのまま再開されることはなく、レースは終了。フルポイントを与えられる75%の周回数を消化していないため、ポイントは半分だけが与えられることになる。

 GT500は赤旗終了時点でトップだった17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)にレース終了後にペナルティがでたため、8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也、BS)が繰り上がって優勝。GT300は予選2位からスタートした96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)が優勝した。

2019 AUTOBACS SUPER GT Rd.1 OKAYAMA GT 300km RACE Final

レース前から降り続いた雨がレースを左右、セーフティカースタートでレース開始

GT500クラスのポールポジション、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)
スタート進行では、パレードラップで先導予定の岡山県警もグリッドに。その後天候が悪化し、セーフティカースタートとなった
岡山国際サーキットのサーキットクイーン

 レースは午前中に降り出した雨により左右されるレースとなった。レースに向けて徐々に雨量が減っていくという状況で、スタート前にはほぼ雨は止んでいる状態になったが、それでも路面は完全にウェットになっており、混乱を避けるためにパレードラップなどは省略され、セーフティーカー先導で1周目からスタートする状況になった。気温、路面温度ともに12℃近辺と、タイヤにはかなり厳しい状況でのスタートになった。

セーフティカー先導でスタート

 2周ほどセーフティーカー先導でタイヤを温めた後3周目にスタートが切られた。各社順位どおりに1コーナーに飛び込んでいったが、その次の周回のバックストレート終わりのヘアピンで、3位を走っていた1号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)が2位を走っていた12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター組、BS)のインに飛び込んでオーバーテイクして2位に上がった。

 その後GT300車両のクラッシュでセーフティーカーが導入され11周目にレース再開。すると、2位を走っていた1号車 RAYBRIG NSX-GTは、トップを走っていた23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)と1コーナーでアウトに位置してコーナーへ、そのまま2コーナーに向けてインを取りトップに浮上した。

トップを走る23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)を、1号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)がオーバーテイク

 その後、4位を走っていた17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)も2台のGT-R(23号車、12号車)を一挙に抜き2位に浮上し、NSX-GTが1-2隊列を構築した。

 NSX-GTの勢いはさらに続き、予選5位からスタートした8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也、BS)が4位を走っていた12号車 カルソニック IMPUL GT-Rをオーバーテイクした。この雨の状況では、NSX-GTとブリヂストンの組み合わせが明白に最速のようだ。それに対して2台のGT-R勢は、ミシュランをつけた23号車によせよ、ブリヂストンをつけた12号車にせよ、路面状況にあっていないようだ。

 GT500が14周目に入った周回で、モスSコーナーでGT300車両によるマルチクラッシュが発生し、赤旗中断となった。

4度もセーフティカーが入り、2度の赤旗中断後、そのままレースは終了。GT500クラスは8号車 ARTA NSX-GTが優勝

 その後45分近い中断後、15時45分にセーフティーカー先導で15周目からレース再開。セーフティーカーで先導されている間に、レクサス勢の先頭を行っていた37号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)が最後尾に後退、何が起きたのかは不明だが、スピンなどがあったようだ。

 19周目にセーフティーカーがピットに入りレース再開。レースが再開すると8号車 ARTA NSX-GTが23号車 MOTUL AUTECH GT-Rをオーバーテイク。これでNSX-GTの1-2-3フォーメーションが完成した。23号車のタイヤは暖まりがあまりよくないようで、後ろから来る同じGT-Rだがブリヂストンとなる12号車 カルソニック IMPUL GT-Rにあおられている状況だ。

セーフティーカーを先頭にNSX-GTの1-2体制

 ところがトップを走っていた山本尚貴選手がドライブしていた1号車 RAYBRIG NSX-GTに、2位を走っていた塚越広大選手がドライブしていた17号車 KEIHIN NSX-GTが徐々に追いつく。このまま17号車が1号車とクリーンなバトルが行なわれるのかと予想されたのだが、23周目の1コーナーで誰もが目を疑いたくなる光景が展開されていた。

1-2の1号車、17号車がNSX-GT、3位の23号車がGT-R。そして4位が8号車のNSX-GT。最終的に8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也、BS)が優勝した

 なんと後ろを行く塚越選手が、前を行く山本選手の1号車のリアに追突、たまらずリアからスピンした山本選手の1号車はグラベルにつかまってしまう。しかも、そこから抜け出す前にセーフティーカーがでてしまい、それが出るまで救出に時間がかかったため、山本選手の1号車は1周遅れとなってしまい、完全に優勝争いから脱落した。

 その後GT300クラスの車両がセーフティーカー中にもかかわらずクラッシュしたことでその車両を排除し、スポンジバリアを直すのに時間がかかり、その後ずっとセーフティーカー先導の周回が続いたが、32周目に赤旗中断となった。

 この時点でレースの最大延長時間となる17時半まで約1時間。雨は強くなる一方で、レースも再開できる状態ではないため、16時40分から監督会議が行なわれ、再開するのかレースを終了するのか話し合いが行なわれた。

 それと並行して、1号車に追突した17号車の塚越広大選手はコントロールタワーに呼び出されて事情聴取が行なわれる……そんな形で進行していき、最終的に16時58分に株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏より「あいにくの雨で、安全を期してやむなく中止とさせていただきます」というアナウンスがありレースはそのまま終了となった。レース終了後には特別のセレモニーとしてドライバーがメインストレートに整列し、詰めかけたファンにあいさつをすることになった。

レースの中断を発表する株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏(左)。公式アナウンサーのピエール北川氏(右)とともに来場者にあいさつ。この時点で順位は確定していなかった

 レース終了時点ではGT500のレース結果は暫定結果すら出せないという異例の状況となった。というのも、トップだった17号車 KEIHIN NSX-GTが1号車 RAYBRIG NSX-GTに追突して押し出したと思われていたからだ。

 その審議には長い時間がかかり、レース終了がアナウンスされてから30分以上経過しても結果は出ない状態。その間、表彰式などのセレモニーも行なうことができず、ただただ、待つという状況が続くことになった。結局17時半にウイナーインタビューが開始され、結局17号車にペナルティが出ることが確定(17号車[塚越広大選手]は競技結果に対して34秒加算[Spr.13-1b「危険なドライブ行為」レース中のドライビングスルーペナルティ未消化])し、終了時点で2位だった8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也、BS)が繰り上がって優勝。

 2位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、3位は12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター組、BS)、4位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ組、MI)、5位は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー組、YH)となった。規定周回数の75%を中断によりクリアできなかったため、獲得ポイントはハーフポイントとなる。

GT500クラス 決勝結果
順位カーナンバーマシンドライバータイヤタイム周回数
18ARTA NSX-GT野尻智紀/伊沢拓也BS1時間53分35秒50530
223MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI1時間53分36秒73230
312カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/ジェームス・ロシターBS1時間53分38秒28630
43CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィMI1時間53分39秒71530
524リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボローYH1時間53分41秒26730
619WedsSport ADVAN LC500国本雄資/坪井翔YH1時間53分44秒10830
716MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/中嶋大祐YH1時間53分45秒53230
838ZENT CERUMO LC500立川祐路/石浦宏明BS1時間53分47秒00530
936au TOM'S LC500中嶋一貴/関口雄飛BS1時間53分47秒71230
1064Modulo Epson NSX-GTナレイン・カーティケヤン/牧野任祐DL1時間53分49秒11930
1139DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン/中山雄一BS1時間53分50秒40930
1237KeePer TOM'S LC500平川亮/ニック・キャシディBS1時間53分52秒42530
136WAKO'S 4CR LC500大嶋和也/山下健太BS1時間53分53秒14030
1417KEIHIN NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS1時間54分08秒43330
151RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/ジェンソン・バトンBS1時間53分54秒89529

※17号車(塚越広大選手)は競技結果に対して34秒加算(Spr.13-1b「危険なドライブ行為」レース中のドライビングスルーペナルティ未消化)

GT500クラス 獲得ポイント
順位カーナンバーマシンドライバータイヤポイント次戦ウェイトハンデ
18ARTA NSX-GT野尻智紀/伊沢拓也BS1020
223MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI8.517
312カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/ジェームス・ロシターBS5.511
43CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィMI48
524リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボローYH36
619WedsSport ADVAN LC500国本雄資/坪井翔YH2.55
716MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/中嶋大祐YH24
838ZENT CERUMO LC500立川祐路/石浦宏明BS1.53
936au TOM'S LC500中嶋一貴/関口雄飛BS12
1064Modulo Epson NSX-GTナレイン・カーティケヤン/牧野任祐DL0.51
GT500クラスの表彰台

GT300クラスは、序盤にポールの55号車をオーバーテイクした96号車 K-tunes RC F GT3が優勝

GT300クラスを優勝した96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)

 GT300のスタートも、セーフティーカー先導で2周した後スタートして、予選順位どおりでスタートしていった。スタートしてからすぐにポールポジションからスタートした55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)と2位の96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)が激しくトップを争っていた。

GT300クラスのポールポジション、55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)。スタート前のため空が明るい

 だが、スタートして2周目の1コーナーで、25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/佐藤公哉組、YH)がスピン、そこに5号車 ADVICS マッハ車検 MC86(坂口夏月/平木湧也組、YH)が突っ込んでしまい、25号車はそのままイン側に止まってリタイヤ、5号車は再度走り出すことができたが、結局止まってしまった25号車を排除するためにセーフティーカーが導入され、レースは再び振り出しに戻ってしまった。

25号車 HOPPY 86 MCがスピンし、セーフティーカーが導入された

 その後レースが再開されると55号車と96号車の争いはより激しくなり、結局55号車がアクアプレーニングで速度が乗らない状態に陥り、そこを96号車がついてオーバーテイクして1位に上がった。

 その直後にモスSカーブにおいて、10位を走っていた10号車 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/石川京侍選手、YH)がふらついたところを34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/大津弘樹組、YH)がオーバーテイク。それに88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)も続こうとしたところ、10号車 GAINER TANAX triple a GT-Rが見えていなかったのか、88号車に寄って行ってしまい、10号車は弾き飛ばされてクラッシュしてしまった。そこにきた7号車 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)、33号車 エヴァRT初号機 X Works GT-R(ショウン・トン/マーチー・リー組、YH)の2台が巻き込まれ、3台によるマルチクラッシュになってしまった。

多くのアクシデントが発生したモスS

 レースは再開されたが、GT500のトップ2台による1コーナーでの事故によりセーフティーカーが出され、その後赤旗中断となり、レースの最大延長が可能な時間に近づいてしまったため、そのままレースは再開されず終了となった。

 優勝したのは96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)。阪口晴南選手はデビューレースで優勝となったが、今回のレースではほぼ全部のチームがスタート時のドライバーだけで走りきったため、後半のドライバーである阪口選手には出番がなく、結局デビューレースで予選を走っただけで優勝を手にするという異例のデビュー優勝となった。

 以下、2位は55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)、3位は52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹組、BS)、4位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)、5位は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信、DL)が入った。規定周回数の75%をクリアできなかったため、ポイントはハーフポイントとなる。

2位になった55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)
3位は52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹組、BS)
4位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)
GT300クラス 決勝結果
順位カーナンバーマシンドライバータイヤタイム周回数
196K-tunes RC F GT3新田守男/阪口晴南BS1時間56分50秒81031
255ARTA NSX GT3高木真一/福住仁嶺BS1時間56分54秒98531
352埼玉トヨペットGB マークX MC脇阪薫一/吉田広樹BS1時間56分56秒60331
461SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL1時間56分58秒88831
511GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL1時間56分59秒91631
656リアライズ 日産自動車大学校 GT-R平峰一貴/サッシャ・フェネストラズYH1時間57分02秒73431
765LEON PYRAMID AMG黒澤治樹/蒲生尚弥BS1時間57分06秒18831
860SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/宮田莉朋DL1時間57分07秒86631
94グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1時間57分09秒23631
1034Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/大津弘樹YH1時間57分11秒00131
1188マネパ ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH1時間57分12秒69031
1218UPGARAGE NSX GT3小林崇志/松浦孝亮YH1時間57分14秒06131
1331TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴BS1時間57分16秒12231
1421Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/富田竜一郎YH1時間57分17秒06131
152シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規YH1時間57分19秒05231
169PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE横溝直輝/峰尾恭輔YH1時間57分19秒97331
1787T-DASH ランボルギーニ GT3高橋翼/アンドレ・クートYH1時間57分20秒95831
1822アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH1時間57分21秒78831
1935arto RC F GT3ナタポン・ホートンカム/ショーン・ウォーキンショーYH1時間57分23秒11631
20720McLaren 720S荒聖治/アレックス・パロウYH1時間57分25秒10531
2148植毛GO&FUN GT-R田中勝輝/飯田太陽YH1時間57分27秒25231
2250ARNAGE AMG GT3加納政樹/山下亮生YH1時間35分23秒38223
R360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤YH30分12秒02213
R10GAINER TANAX triple a GT-R星野一樹/石川京侍YH28分13秒05312
R7D'station Vantage GT3藤井誠暢/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラYH28分15秒48512
R33エヴァRT初号機 X Works GT-Rショウン・トン/マーチー・リーYH28分21秒16212
R30TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH1時間56分57秒79312
R25HOPPY 86 MC松井孝允/佐藤公哉YH7分47秒1373
R5ADVICS マッハ車検 MC86坂口夏月/平木湧也YH7分47秒4423
GT300クラス 獲得ポイント
順位カーナンバーマシンドライバータイヤポイント次戦ウェイトハンデ
196K-tunes RC F GT3新田守男/阪口晴南BS1020
255ARTA NSX GT3高木真一/福住仁嶺BS8.517
352埼玉トヨペットGB マークX MC脇阪薫一/吉田広樹BS5.511
461SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL48
511GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL36
656リアライズ 日産自動車大学校 GT-R平峰一貴/サッシャ・フェネストラズYH2.55
765LEON PYRAMID AMG黒澤治樹/蒲生尚弥BS24
860SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/宮田莉朋DL1.53
94グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH12
1034Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/大津弘樹YH0.51
GT300クラスの表彰式
レース中断後、マシンを並べてドライバーやチームスタッフがファンにあいさつ。雨の降りしきる中、特別なイベントを実施した

GT500クラス、GT300クラス優勝記者会見

 レース終了後、GT500クラス、GT300クラス優勝ドライバーによる記者会見が開催された。

──今日のレースは特殊なレースとなったが、優勝クルーの今のお気持ちを、今日走った方のドライバーからお願いしたい。

新田守男選手:走っていてもかなりコンディションがわるくて、ウォータースクリーンで何も見ることができず、強く降っているのだなということ認識するようなレースだった。僕達にとっては台数の多いバトルはなかったのだが、SCが入ってほかのクルマがクラッシュしているのを見る度に危険なレースだったんだなと改めて認識させられた。2度も赤旗があったので、そのたびに集中力を切らさないように注意した。

新田守男選手

阪口晴南選手:僕は今日は乗っていないが、予選でフロントローを獲得できたのは貢献できた。レースではずっとモニタとにらめっこで、こんなに長いレースがあるのだと驚いたほどだ。セーフティカーが明けた後の少ないチャンスで新田さんがあそこしかないというポイントで見事にオーバテイクしていただけたので、シンプルにすごいなと感じた。

阪口晴南選手

伊沢拓也選手:今までSUPER GTで多くのレースをやってきたが、その中でも雨量もそうだが、ウォータースクリーンが酷かった。前の4台のしぶきで何も見えなかったほどだ。その中でクルマを留めないといけない状況だった。その中で前の日産の2台を抜けたことが最大のポイントだった。その後起こったホンダ同士の接触という形(での繰り上げ)なので、個人的には素直に喜べない部分はある。野尻選手が予選で5位を獲得してくれたことで、今日の展開をよりやりやすくしてくれた。今年のシリーズを考えると幸先のよいスタートだ。

伊沢拓也選手

野尻智紀選手:阪口選手と同じでモニタを見続ける時間が長かった。何よりもよかったのは、このレースで命に関わる怪我だったり、レースができなくなる選手が出なかったことだ。このコースは少しでもはみ出すと本当に危ない。そうした中で感じたのは、何かがあってSCが出たり、赤旗が出るという状況だったということだ。レースに関しては伊沢選手が前にいるクルマを抜いてきてくれたのが勝ちにつながった。あの状況で自分がそれをできたかと自分に問うと考えるところがあるので、伊沢選手、ホンダ、チーム、ブリヂストンみんなで獲得した勝利だ。

野尻智紀選手

──今回のレースでは勝ってもハーフポイントなので、ウェイトもいつもより軽くなる。その結果として連勝できる可能性が高まっていると思うが、それがシーズンに与える影響は?

新田守男選手:ハーフポイントと重量に関しては優勝して多少なりともポイントが取れて次のレースに行けるのはいいことだ。では調子がよいから連勝できるのかという部分では、正直僕達はノーチャンスだと思っています、ARTAの55号車が勝つんじゃないですかね……。

阪口晴南選手:新田選手と同じで富士ではテストでもちょっと辛かったので厳しいレースになりそうだ。その中でもしっかりポイントを取るという目標をもってやっていきたい。僕の優勝予想も55号車で、GT500でもARTAの8号車があってダブルあるかな、と(と、笑いながら8号車の2人を見る)。

野尻智紀選手:昨シーズンを振り返ってみると、ホンダとして富士をどう戦うかがシーズンの行方に大きな影響があった。富士でもいいパフォーマンスが出せるように準備をすることが大事だ。富士でも他メーカーと戦える結果を出せれば、チャンスあるので大きな山場になると考えている。

伊沢拓也選手:フリー走行、予選の結果を見ても、昨年以上にタイム的には3メーカーが拮抗している。10点で20kgは、予選も含めて確実に影響はすると思う。富士はNSXがあまり得意としていないサーキットなので、そんな中でもポイントを取ることが大事。連勝どうのこうのよりも、昨年以上のいい戦いをするということを念頭に置いて臨みたい。