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【NGK 鈴鹿2&4】1994年の全日本F3000王者マルコ・アピチェラ氏がダラーラの市販車「ストラダーレ」とともに来日

日曜日に鈴鹿サーキットを走行

ダラーラ開発の市販車「ストラダーレ」。決勝日に走行する

 スーパーフォーミュラのプロモーターであるJRP(日本レースプロモーション)は、4月20日(土)~4月21日(日)の2日間にわたって鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの開幕戦となる「2019 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」を開催している。予選日となる20日に、定例記者会見となる「サタデーミーティング」が開催された。

 今シーズンのスーパーフォーミュラは新型車両SF19を導入し、新たに8人のルーキードライバーが参。海外から参戦するドライバー増えるなどしており、近年にない活況を見せている。そうしたなかで迎える開幕戦だけに大きな注目を集めている。

 開幕戦の記者会見では、そうした新型車両SF19を開発・製造したイタリア ダラーラアウトモビリのCEOであるアンドレア・ポントレモリ氏、そしてそのダラーラの初の市販車となる「ストラダーレ」の開発に関わった1994年の全日本F3000選手権(スーパーフォーミュラの前々身にあたる)チャンピオンでもあるマルコ・アピチェラ氏が参加して行なわれた。

1994年の全日本F3000選手権(スーパーフォーミュラの前々身にあたる)チャンピオンであるマルコ・アピチェラ氏

 ダラーラ ストラダーレは、明日4月21日(日)のピットウォーク時(12時055分~)に国際レーシングコースを走行する予定になっている。

SF19のコンセプトは速いだけでなく追い抜きができること

株式会社日本レースプロモーション 代表取締役社長 倉下明氏

 冒頭、JRP代表取締役社長 倉下明氏から2019シーズンについての説明が行なわれた。倉下氏は「今年はクルマが新しくなる年で、横浜タイヤさんも新しいタイヤを投入してくれて、海外からのドライバーも含めてルーキーが8名も参加してくれる。JRPとしても勝負の1年だと考えており、この1年スーパーフォーミュラを盛り上げていけるように頑張っていきたい」と述べ、JRPとしても海外からダニエル・ティクトゥム選手はじめとした有望な若手ドライバーが多数参戦して注目度が上がっている状況を認識し、スーパーフォーミュラの盛り上がりにつなげていきたいと語った。

 そして倉下氏は今年のスーパーフォーミュラに導入される新型車両「SF19」について「2017年5月に初めてダラーラ社を訪問し、最初に合意したことがとにかくオーバーテイクできるフォーミュラカーを作ろうとということだった。すでに何回かテストしてきたが、本当にオーバーテイクできる車両かどうかは明日の決勝レースでお見せすることができる」と述べ、新しいSF19のコンセプトがとにかく追い抜きができるクルマであり、それを明日のレースでドライバーが見せてくれることに期待感を表明した。

ダラーラアウトモビリ CEO アンドレア・ポントレモリ氏

 ダラーラアウトモビリ CEO アンドレア・ポントレモリ氏は「倉下氏とお会いしてから1年半が経ち、ここでSF19を皆さんにお見せできることは大変喜ばしく感動的な気持ちだ。明日は20台のSF19がレースをしてくれるし、F3でもダラーラの車両が走っている。倉下氏がおっしゃっていたように、我々のターゲットはオーバーテイクができる車両ということで、データが正しかったかどうかは明日判明する。クルマはとても速く、鈴鹿のセクター1ではF1よりも速い。さらに、ドライバーが感じるGは5Gに達しており、それをドライバーは瞬間的に経験するので、非常にタフなレースになるだろう。将来このSFを戦ってチャンピオンになったドライバーが世界中のレースシーンで活躍するようになるのではないだろうか。また、JRPとのパートナーシップにより、FIAのシリーズでも導入されているような要素を、SF19で採用できている。セーフティパネルや新しい素材などをふんだんに使っている。我々としては信頼性があって、非常に速いクルマを用意したつもりなので、明日のレースを楽しみにして欲しいと述べた。

マルコ・アピチェラ氏

 最後に1994年の全日本F3000選手権のチャンピオンで、現在ダラーラがまもなく日本でも販売を開始する市販車「ストラダーレ」の開発ドライバーを務めているマルコ・アピチェラ氏が「鈴鹿に戻ってきて嬉しい。この週末に2ラップ、ストラダーレで走行する。僕らの時代と今のスーパーフォーミュラはラップタイムが6~7秒程度も違う。僕らのクルマも相当速かったはずで、F1グリッドの最後に並べるほどだったハズだけど、それほど今のスーパーフォーミュラは速いということだろう」と述べ、スーパーフォーミュラの速さにびっくりしていると述べた。

 なお、報道関係者からの「息子ハリソン・ニューウェイ選手の応援に来日して鈴鹿入りしているレッドブル・レーシングF1のエイドリアン・ニューウェイ氏とSF19について話をしたか?」という質問には、ポントレモリ氏は「まだ彼とは会っていないが、F1とよい勝負ができるクルマを作れたと思う。重要なコトは速さだけでなく、レース中の動きだ。例えばインディカーは、オースティンのサーキットでF1より13秒も遅いが、ドライバーが自由に動かすことができてオーバーテイクがある」と述べ、SF19がF1カーに匹敵する車両だと強調し、かつドライバーが自由に操ることができ、オーバーテイクしやすい車両であることが重要だ」と述べた。

 会見の最後には坂下社長から「SF19の開発にはJRP前社長で技術顧問の白井氏と、ダラーラ社との間をつないでくれたル・マンの松永氏の協力なくして今日はなかった」と謝辞が表明された。