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レッドブルとトロロッソにホンダの新兵器。バルセロナでお披露目

単気筒エンジンの新マシンをチームに供給

2019年5月9日(現地時間) 開催

両チームのドライバーと首脳、そしてホンダ首脳陣で記念撮影

 本田技研工業は、5月10日~12日(現地時間)の3日間に渡りスペイン バルセロナにあるカタロニアサーキットで開催されるF1世界選手権 第5戦 スペインGPの会場において、同社がパワーユニットを供給しているレッドブル・レーシングとトロロッソの2チームに、ホンダエンジンを搭載するスクーターとブロワーを贈呈する贈呈式を行なった。

 贈呈されたのは日本では販売されていないスクーターの「SH125i」、ブロワーは日本では「HHB25」として販売されている「Hondaブロワ」の欧州版がベースになっており、それぞれレッドブル・レーシング、トロロッソのカラーに塗られた特別版となっている。

 贈呈式には、レッドブル・レーシングのドライバーであるマックス・フェルスタッペン選手、ピエール・ガスリー選手、トロロッソのダニール・クビアト選手、アレクサンダー・アルボン選手の4人が参加し、除幕などのセレモニーを行なった。

ホンダのHHB25ベースの両チーム特製カラーの「Hondaブロワー」を持ってポーズを決めるトロロッソのダニール・クビアト選手、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手、トロロッソのアレクサンダー・アルボン選手、レッドブル・レーシングのピエール・ガスリー選手(左から)

F1の欧州での開幕戦となるスペインGP。ホンダのエースにとってはゲンのいいサーキット

 今シーズンのホンダのF1活動は、2018年までのトロロッソとのパートナーシップに加えて、レッドブル・レーシングにもパワーユニット供給を行なっている。開幕戦となったオーストラリアGPではフェルスタッペン選手が3位に入賞し、ホンダのパワーユニットを搭載したマシンとしては2008年以来の表彰台を獲得するなどの成果を挙げている。その後もフェルスタッペン選手は3戦連続で4位に入賞し続けており、このスペインGPを迎える時点では、ドライバーズランキングにおいてフェラーリのセバスチャン・ベッテル選手と1ポイント差の4位になるなど確実に実績を残している。

レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手、トロロッソのダニール・クビアト選手、レッドブル・レーシングのピエール・ガスリー選手、トロロッソのアレクサンダー・アルボン選手

 これまでの4戦を見る限りは、ホンダのパワーユニットは2018年よりも確実にパワーアップを続けて、すでに第4戦で「スペック2」と呼ばれるバージョンアップ版を投入しており、このスペインGPではレッドブル・レーシングが新しい空力パッケージを入れる計画になっており、それによる戦闘力のアップが期待されている。

 レッドブルのエースであるフェルスタッペン選手にとって、このスペインGPはレッドブルに昇格してすぐに初優勝を達成したというゲンのいいサーキットであり、そして次戦のモナコGPも近年はレッドブルが強いサーキット。2015年にF1に復帰して以来、さらに言えば2006年にジェンソン・バトン選手がハンガリーGPで優勝して以来となるホンダパワーユニットによる優勝を達成する可能性が期待できる状況と言える。

両チーム色に染められたSH125i、HHB25が贈呈される

 そうした中、F1スペインGPの開催を控えた5月9日に、カタロニアサーキットのパドックに設置されているレッドブルのホスピタリティブースとなる「レッドブル・エナジーステーション」前において、ホンダからレッドブル・レーシングとトロロッソに、スクーターおよびブロワーを進呈する贈呈式が行なわれた。

SH125iの除幕式の様子

 ホンダから両チームへと贈呈されたのは、ホンダがイギリスで販売しているスクーターの「SH125i」、ブロワーはHHB25として日本でも販売されている「Hondaブロワー」の2製品で、それぞれがレッドブル・レーシング、トロロッソのカラーに塗られた特別版となっている。

ピエール・ガスリー選手(左)とアレクサンダー・アルボン選手(右)
マックス・フェルスタッペン選手(左)とダニール・クビアト選手(中央)、トロロッソ 代表 フランツ・トスト氏(右)

 SH125iは125ccの4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載しており、最高出力は8.98kW/8500rpm、最大トルクは11.5Nm/7000rpmとなっており、前輪タイヤが16インチの100/80、後輪タイヤが16インチの120/80となっている。これらのスクーターは、欧州のサーキットでチームが日常の足として使われる予定となっている。

レッドブル、トロロッソ仕様のSH125i

 HHB25は総排気量が25.0cm 3 、最大風量9m 3 /分で、最大風速64m/sとなっている。ホンダのWebサイトによれば「エンジンは刈払機など手持ち作業機に適した小型・軽量のGX25を採用。使い勝手に配慮した低燃費・低騒音・低振動も追求し、毎日作業をする方の要望に応えた1台です」となっており、低燃費、低振動という点がF1サーキットの現場でも役に立ちそうだ。F1の現場ではブロワーは停止中のブレーキを冷やす送風に利用したり、雨が降って乾いていくスターティンググリッドを乾かしたりとさまざまな使われ方をしており、F1チームにとっても性能のよいブロワーが手に入るというのは歓迎すべきことだろう。

レッドブル、トロロッソ仕様のHHB25

 現地時間5月9日17時から行なわれたセレモニーでは、両チームのドライバーであるマックス・フェルスタッペン選手、ピエール・ガスリー選手、ダニール・クビアト選手、アレクサンダー・アルボン選手の4人と、両チームのチーム代表(クリスチャン・ホーナー氏、フランツ・トスト氏)、さらにはホンダを代表してF1マネージングディレクターの山本雅史氏、F1テクニカルディレクター 田辺豊治氏とも加わって記念撮影を行なった。