JAXAとトヨタ、月面探査車「有人与圧ローバ」の共同研究に着手

有人与圧ローバのイメージ

　JAXA（宇宙航空研究開発機構）とトヨタ自動車は7月16日、FCV（燃料電池車）技術を用いた月面でのモビリティ「有人与圧ローバ」の共同検討について、試作車の製作・実験・評価を含めた3年間（2019年度～2021年度）の共同研究協定を締結したと発表した。

　JAXAとトヨタは有人与圧ローバの共同検討について3月12日に公表。今回、共同研究期間を2019年6月20日～2021年度末として、一般市販車をベースとして改造した試作車の仕様定義、製作、実験・評価などを実施することが決定された。

各年度の研究内容（概要）

2019年度：実際の月面走行に向けて開発が必要な技術要素の識別、試作車の仕様定義

2020年度：各技術要素の部品の試作、試作車の製作

2021年度：試作・製作した部品や試作車を用いた実験・評価

　トヨタでは、7月1日付で専門組織「月面探査車開発（室格）」を立ち上げて、年内に約30名規模まで拡大を予定している。なお、JAXAとトヨタは2029年の打ち上げを目指した構想（案）として、2022年以降の計画を公開している。

2022年～：1/1スケール試作車の製作・評価、月極域での走行系に関するデータ取得・実証

2024年～：エンジニアリングモデルの設計・製作・評価、フライトモデル（実機）の設計

2027年～：フライトモデルの製作・性能品質検証

有人与圧ローバのイメージ