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国内外のクラシックカー250台がエントリーした「第14回クラシックカーフェスティバル in 桐生」レポート
2019年11月6日 14:46
- 2019年11月3日 開催
14回目を迎えるクラシックカーフェスティバル in 桐生が11月3日、群馬大学 理工学部 桐生キャンパスにおいて開催された。
このイベントは1980年までに生産されたクルマであれば国産車、輸入車を問わず参加可能で、2019年は250台がエントリー。会場ではエントリー車が国別に分けられて展示され、来場者の目を楽しませていた。
例年会場の中心には、テーマをもとにしたクルマが展示されており、今回はレーシングモデルに注目。毎年多数のメーカーが協力を惜しまず、自社のコレクションからヒストリックカーを持ち込んでいるのだが、今回は2013年(第8回)に続いてホンダコレクションホールが本田技研工業「S800」と「ブラバム ホンダ BT16」を出展。S800は1968年の鈴鹿12時間自動車レースのGT1クラスに出場してクラス優勝を飾った車両そのもの。ブラバムは1965年に、ブラバムレーシングチームにホンダがサプライヤーとしてエンジン供給し、F2に初参加したマシンだ。今回展示された個体はジャック・ブラバム自身がステアリングを握り、同年の第6戦 フランスグランプリで2位に入ったものだという。
そのほか、7台しか生産されなかったロータス「マーク8」やベントレー「スピード6」、ブガッティ「T38」が展示された。ロータス マーク8は7台中3台目に作られた個体で、ロータス設立メンバーの1人であるナイジェル・アレン氏が初代オーナーだという。1955年4月にイギリスのブランズハッチで開催されたレースで2位の成績が最高戦績のようだ。
このようにレーシングマシンが展示されて注目を集めた一方、このイベントは国産車、しかも地元の群馬ナンバーのワンオーナー車が数多く展示されているのも特徴だ。単にワンオーナーと言えば新車購入したオーナーがそのまま乗り続けているクルマを指すが、ここには父から子へ、祖父から孫へといった“家庭内ワンオーナー”のクルマも数多く見られる。それらが当時の雰囲気を色濃く残しながら、使い込まれた印象を持っており、今でも丁寧に使われていることをうかがわせる個体が多いのも特徴と言えるだろう。
また、子供や若者からお年寄りまで幅広い来場者に楽しんでもらおうと、子供のお絵描き大会やフードコートも充実。そのほか、参加車両のうちの60台ほどが桐生市内をパレード。車両展示の静とパレードの動が組み合わされることで、クラシックカーの魅力が伝わるように企画されている。
この時期に桐生市では、桐生ファッションウィークと銘打ち、市内のあちらこちらで同時多発的にさまざまなイベントが開催されている。「そのメインとなるのがこのクラシックカーフェスティバル in 桐生だ」と語るのは、2019年4月に桐生市の市長に就任した荒木恵司氏。また、このイベントは桐生商工会議所の協力を受けて進められていることもあり、桐生商工会議所 会頭の籾山和久氏も応援に駆け付け「桐生は匠の街であり、ものづくりの街。そこから世界に発信できるレベルの高い商品を作っている」と言う。
そして「ものを作るだけではなく、文化も必要と考えおり、このクラシックカーフェスティバル in 桐生は非常に大きなイベントに成長し、街を活性化するもの。そして桐生の文化の中に大きく位置付けられるイベントだ」と大いに評価。その一方、「50年前に買った日産 ブルーバード SSSのプラモデルが売っていたので、懐かしくて買ってしまった」と、1人のクルマ好きとしての側面も見せていた。
このように、イベントは終始にぎやかな雰囲気の中、老若男女2万人を超える来場者が足を運んで大盛況で行なわれた。最後にこのイベントの実行委員長である前原勝良氏は、「皆さんが秋の1日を楽しんで笑顔で帰ってもらう、その顔を見るのが嬉しい」と述べ、会の終了まで会場の隅々まで歩きまわって、車両を展示するオーナーだけではなく、イベントを見に来た来場者とも交流していた。