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平成最後の「2018 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」レポート
平成元年生まれの5台の日本車も展示&走行
2018年11月27日 00:00
- 2018年11月17日 開催
トヨタ博物館(愛知県長久手市)は11月17日、明治神宮外苑 聖徳記念絵画館前 特設会場(東京都新宿区)にて、「2018 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」を開催した。
12回目となる2018年のテーマは「Japanese Vintage Year 1989」。平成時代の幕開けとなった1989年、空前の好景気に後押しされて後にまで人気の続くモデルが多くデビューしたこの年を“ジャパニーズヴィンテージイヤー”と位置付け、100台ものクラシックカーに加えてテーマに沿った5台の日本車の展示を行ない、参加者、来場者が秋晴れの神宮外苑で楽しんだ。
オープニングセレモニー
フェスティバルの開幕を告げるオープニングセレモニーでは、トヨタ博物館 館長の布垣直昭氏が主催者挨拶を行ない、「今年はテーマに沿ったクルマをメーカーの垣根を越えて集めることができたことで、このイベントが1歩ステップアップできた」と語り、協力を仰いだメーカーが快く協力してくれたことに感謝の意を述べた。
また、参加者代表の挨拶を行なった牛丸哲郎氏は「自動車に対する情熱や記憶、愛だとか、そういったものがずっと続いていけば自動車文化も長きにわたり醸成されていくのだろうと、今回参加してあらためて思いました。多くの方の記憶に残り自動車に対するハートに火がつくような1日になるよう共に盛り上げたい」と語った。
オープニングセレモニー終了後は恒例のクラシックカーパレードが行なわれた。参加車両約100台は中島秀之氏による1台1台の解説とともに、神宮外苑をスタート。二重橋~銀座~日比谷を走行して再び会場入りした。
企画車両展示
2018年のテーマは「Japanese Vintage Year 1989」。バブル景気のさなか、1989年に登場した5台の日本車が展示され、場内での走行も行なわれた。なお展示車両は各メーカーが所有するもので、これだけコンディションのよい車両が一同に揃うのは貴重だ。
記念乗車車両
来場者による人気投票
会場では来場者による人気投票が行なわれ、30歳以上の来場者による投票ではNo.6「フォード モデルA」、29歳以下の来場者による投票「ユースセレクト賞」はNo.92「フェラーリ 308 GTS クワトロバルボーレ」が選ばれた。また、特別賞としてトヨタ博物館 館長賞にNo.37「ASA 1000 GT」、ヒストリカルコーディネート賞にはNo.17「ディーノ 196S(レプリカ)」、ベストコーディネート賞にはNo.34「ダットサン ブルーバード ファンシーデラックス」が選ばれ、表彰式が行なわれた。
平成最後のトヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑は「Japanese Vintage Year 1989」をテーマに掲げ、平成元年に発売または発表されたクルマとともに催され、各メーカーから出展されたコンディションのいい車両が来場者を楽しませた。ちなみにマツダの出展した赤いユーノス ロードスターは、今年90歳になる女性オーナーから寄贈された1台で、ユーノス ロードスターの発売当時60歳だったオーナーが赤いちゃんちゃんこの代わりに購入したというエピソードを持つ。
ビッグ3以外のアメリカ車を探していたというオーナーの「デロリアン DMC-12」は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」公開の遥か前から雑誌などでこのクルマを知って憧れ続けたという。オーナーにとってデロリアンは劇中車ではなく、あくまで30年以上前から憧れ続けているアメ車なのだ。
また、今回のフェスティバルに親子で参加していた白い「トヨタ スープラ 2000GT ツインターボ」のオーナーは、初代「セリカ」から初代&2代目「セリカ XX」を乗り継ぎ、現在のスープラも新車から大切に乗り継いでいる1台だそうだ。息子さんが免許を取得して最初に運転したのもこのスープラだそうだが、この1台だけは息子さんに譲る気は無いと笑った。
規定では一般参加車両は車歴が30年を超えるものとなっており、今年から1988年製造のクルマが仲間入りしている。貴重な戦前のモデルとともにクラシックカーと呼ぶにはまだ若いと思えるようなクルマも一堂に集まるのがこのフェスティバルの特徴であり、魅力の1つだ。古いクルマも、まだまだ若いと思えるようなクルマも、その1台1台にオーナーそれぞれのエピソードがあり、会場でオーナー同士や来場者が語り合う、ファンミーティングのような雰囲気も心地よい。
2019年、新しい元号とともにトヨタ博物館も30周年を迎えるという。館長の布垣直昭氏は「こうした節目をステップアップの機会として、これからも自動車文化を盛り上げていきたい」と語った。