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開催10年目の「2016 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」レポート

歴史を語れる日本車が増えてきたことを証明

2016年11月26日 開催

1960年式のトヨペット クラウンがパレードの先導車となった

トヨタ博物館(愛知県長久手市)は11月26日、東京都渋谷区にある明治神宮外苑 聖徳記念絵画館前にて、「2016 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」を開催した。

 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバルはトヨタ博物館が創立された1989年より開催しているもので、当初は愛知県のみでの開催だったが、2007年にお台場にあるメガウェブで開催。2008年からは明治神宮外苑で開催している。そして今年で10回目を迎えたイベントである。

トヨタ博物館館長の布垣直昭氏のよる開会の挨拶

 オープニングセレモニーではトヨタ博物館 館長の布垣直昭氏による開会の挨拶があった。「今年はパレードのスタート位置を変更して、絵画館の建物をバックにクラシックカーがスタートしていく光景を楽しめるようにしました。それに加えてパレードにおいて大きな変更を致しました。従来は欧米のクルマに走っていただいたあとに、日本のクルマがスタートするというやり方でしたが、今年からは欧米車、日本車と分けず、時代順にスタートしていく方法に変えています。これによって来場されている皆さまは、居ながらにして時代の変化を感じていただけるのではないかと思います」と語った。

 続けて「構成を変えた理由ですが、クラシックカー・フェスティバルが始まったのは1989年です。当時、トヨタ自動車も50周年を迎えているわけですが、クラシックカー・フェスティバルの出場資格は30年以上のクルマというのを1つの目安としております。そうしますと、トヨタ自動車ですら20年ほどの歴史しかないことになります。車種ラインアップも少なく、クラシックカーを語るには若いかなと言う判断がイベント開催当初にあったのかと思います。それから27年の時が経ちまして今回を迎えたわけですが、今年は日本のモータリゼーションを盛り上げた立役者の1台でもあるトヨタ『カローラ』が50周年目を迎えました。また、『サニー』や『ファミリア』なども続々と50年を迎え、そろそろ機も熟してきたのではないかと判断しました。それを裏付けるように200台ものエントリーのうち半分くらいが日本車でした。皆さまには新しい趣向のパレードを楽しんでいただければと思います」とのことだった。

来賓者と参加者、それぞれから代表者による挨拶もあった。来賓者代表は高島氏
参加者代表の三嶋氏

 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバルでは、パレード参加車だけでなく展示のみのクルマもあった。また、展示車のデモ走行や出店などもあったので、それらも写真で紹介しよう。この催しは毎年この時期に開催しているので、貴重なクラシックカーを実際に見てみたいという人は、来年の開催を楽しみにしていてほしい。

連続3昼夜、78時間も走り続けて3つの世界記録と13の国際記録を樹立したトヨタ2000GT“スピードトライアル”のレプリカマシン。当時の資料や関係者からの情報を元に“スピードトライアル”を忠実に再現したクルマだ
“スピードトライアル”はデモ走行も行なった
1967年に公開された映画「007は二度死ぬ」のために作られたクルマ。主人公のジェームズ・ボンドが使用するボンドカーだ。オープンカーになっているが、映画の撮影に間に合わせるため、わずか2週間でボディ補強などの改造を行なったとのこと。当時から007シリーズは世界的に人気の映画だったが、そこに日本車が起用されたことがニュース。2000GTのボンドカーは世界における日本車のイメージを変えた存在
ボンドカーのデモ走行には布垣館長が同乗
クラシックカーに座れるコーナーもあった。写真は ディーノ246GT
ホンダコレクションホールからも展示車が持ち込まれ、N360は走行も行なった
白バイの記念乗車撮影もあった
パレードは銀座まで行って戻ってくるコース。走行距離は約11km.スタートして約1時間後、パレードを終えたクルマが続々と戻ってくる
夕方まで多くの人で賑わった。会場にはトヨタ博物館からのブース出展もある。家族で楽しめる内容なので来年は会場へ行ってみてはどうだろう

新しいパレードをスタート順に紹介

 記事では新しくなったパレードの光景を読者の皆さんにも見ていただくため、スタート順に全車の写真を掲載する。

挨拶が終わると、布垣館長がフラッグを振り下ろしてパレードスタート
先頭のフォード モデルAはクランクでのエンジン始動を実演
1931年 フォード モデルA
1932年 MG J2
1938年 ダットサン フェートン
1947年 トライアンフ ロードスター1800
1950年 ハドソン コモドア エイト セダン
1954年 MG TF
1954年 オースチン A40 サマーセットサルーン(日産製)
1955年 シトロエン 2CV
1955年 ジャガー XK140 ドロップヘッドクーペ
1956年 オースチン A35
1956年 オースチン ヒーレー 100BN2
1956年 フォルクスワーゲン タイプ1
1958年 ポルシェ 356A クーペ
1959年 MG A
1959年 メルセデス・ベンツ 190SL
1960年 オースチン ヒーレースプライトMk1
1960年 トヨペット クラウン
1960年 メルセデス・ベンツ 220SE カブリオレ
1960年 ロータス スーパー7 シリーズ2
1961年 オースチン ヒーレー スプライトMk2
1961年 トヨペット クラウン
1963年 オースチン ミニ カントリーマン
1963年 サンビーム レイビア
1963年 ダットサン ブルーバード1200 ファンシー デラックス
1963年 日産 セドリック 1900 デラックス
1964年 ボルボ P1800S
1965年 アルファ ロメオ ジュリアスパイダー ベローチェ
1965年 トヨタ スポーツ 800
1965年 トヨタ コロナ デラックス
1965年 BMW 3200CS
1965年 日野コンテッサ クーペ
1965年 フォルクスワーゲン タイプ2
1965年 ポルシェ 911(901)
1965年 ホンダ S600
1965年 グリフォン
1966年 パブリカ コンバーチブル
1966年 ダットサン ブルーバード 1300SS
1966年 ポルシェ 912
1966年 マツダ ファミリア クーペ
1967年 ダイハツ コンパーノ スパイダー
1967年 トヨタ 2000GT
1967年 ダットサン サニー 2ドアセダン
1967年 ダットサン フェアレディ
1967年 ダットサン ブルーバード エステートワゴン
1967年 日産 シルビア 1800クーペ
1967年 日産 プリンス スカイライン 2000GTA
1967年 日野 コンテッサ 1300クーペ
1968年 アルファ ロメオ スパイダー 1300ジュニア
1968年 オースチン J410 ドアモビル キャンパー
1968年 DAF 44
1968年 ディムラー ソブリン 420
1968年 トヨペット クラウン スーパーデラックス
1968年 モーガン +4
1969年 スバル 1000 スポーツセダン
1969年 フィアット 600D
1969年 フォルクスワーゲン タイプ3 カルマンギア
1969年 フォルクスワーゲン タイプ3 スクエアバック
1969年 三菱 ジープ
1969年 メルセデス・ベンツ 280SE
1969年 メルセデス・ベンツ 280SL
1969年 ルノー アルピーヌ A110 1300S
1970年 アストンマーチン DBⅥ MkII
1970年 いすゞ ベレット 1600GTR
1970年 シボレー コルベット
1970年 スバル R2 SS
1970年 ダットサン サニークーペ
1970年 日産 グロリア スーパーデラックス
1970年 メルセデス・ベンツ 280SL
1971年 アルファ ロメオ ジュリア GT1300ジュニア
1971年 トヨタ カローラ 1400
1971年 日産 フェアレディZ
1971年 マツダ コスモスポーツ
1971年 ロータス エラン スプリント
1972年 トヨタ クラウン ハードトップ 2600 スーパーサルーン
1972年 トヨタ セリカ
1972年 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R
1973年 アルファ ロメオ 1600 ジュニアZ
1973年 キャデラック エルドラド
1973年 トヨタ カローラ レビン
1973年 トヨタ セリカ 1600GT
1973年 日産 フェアレディ 240ZG
1974年 アルファ ロメオ 2000 ベルリーナ
1975年 トヨタ セリカ 1600GTV
1975年 ホンダ シビック 1200 RS
1975年 ランチア ストラトス HF
1978年 トヨペット コロナ マークII
1979年 トヨタ コロナマークII 2ドアハードトップ 2600グランデ
1980年 トヨタ カローラ 1600GT
1980年 トヨタ ランドクルーザー
1981年 ホンダ シティ
1983年 マツダ サバンナ RX-7 ターボ
1984年 ポルシェ 911 ターボ
1985年 スズキ マイティボーイ
1986年 スバル レオーネ RX/II
1986年 トヨタ カローラ レビン
1986年 トヨタ スープラ