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ブガッティ、究極のドライビングマシン「シロン ピュア スポーツ」
50Kg軽量化、ギアレシオ15%短縮、エンジン回転領域引き上げでよりスポーティに
2020年3月4日 17:31
- 2020年3月4日(現地時間)発表
仏ブガッティ オートモビルズS.A.S.は3月3日(現地時間)、シロンをよりスポーティに仕上げた「シロン ピュア スポーツ」を発表した。発売は2020年後半。価格は300万ユーロ(約3億6000万円)を予定。
搭載される8.0リッターW型16気筒4ターボエンジンは、回転領域上限が200rpm引き上げられ、さらにギアレシオの短縮とサスペンションのリセッティングが行なわれた。また、マグネシウムホイールやカーボンを採用することで、全体で約50Kgの軽量化に成功。特にホイールは4本で16Kgも軽量化され、バネ下重量の軽減に大きく貢献し、運動性能が大幅に向上した。
軽量化もさることながら、油圧式ポンプにより自動的に高さを調整してくれる幅1.9mのリアウイングは大きなダウンフォースを発生。ミシュランと共同開発した新コンパウンドを採用する「スポーツカップ 2R」との組み合わせで高いコーナリング性能を発揮。その結果、60㎞/hから80km/hまでは2秒、60㎞/hから100km/hまでは3.4秒、60㎞/hから120km/hまでは4.4秒、80㎞/hから120km/hまでは2.4秒で加速でき、総合的にはシロンよりも2秒ほど速くなっている。総合的なパフォーマンスは、シロンと比較して40%ほどすぐれるという。
ブガッティのステファン・ウィンケルマン社長は「私たちは、この純粋で妥協のないドライビングマシンの名前をすぐに決めました。シロン ピュア スポーツはとてもスポーティなシャーシと、信じられないほどのロードグリップ、センセーショナルな加速、非常に正確なハンドリングを備えています。新しいシロン ピュア スポーツにより、世界中のブガッティファンに、ダイナミックなコーナリングをさらに重視したハイパースポーツカーを提供できるようになりました」とコメントしている。
野獣と美しさの融合が純粋でパーフェクトな姿を生み出す
インテリアは、ドアパネルに新しい2トンカラーの「ダイナミックアルカンターラ」を採用する。
シロン ピュア スポーツは、純粋なドライビングスリルのために、シャープなハンドリングとドライビングダイナミクスに焦点を当てて開発された。
リアは大きなディフューザーと鷹が羽を広げたような造形の大きなウイングを装着。ふたつが大きなX字を形成し、大きなダウンフォースを生む。リアウイングは油圧システムにより自動的にアップダウンが可能。スレッドフィン排気パネルを備えるマフラーは、新型3Dプリンターを用いた設計により、余分な構造を減らすことで大幅な軽量化を実現した。
新しいフロントバンパーは、より多くの空気を取り入れられるよう大型の開口部を備える。象徴的なホースシューグリルは改良され、エアベントを備えるフロントフェンダーと組み合わされた下部ディフューザーは、シロン ピュア スポーツに独特でより過激な外観を与えるだけでなく、ダウンフォース、熱管理、空力性能を向上させる。
ブガッティはミシュランと共同で、フロント用には285/30R20、リア用には355/25R21サイズの新しいタイヤ、スポーツカップ 2Rを開発。改良されたタイヤ構造と優れた接着性のゴムを使用したことによりグリップが10%向上。コーナリングスピードもさらに向上した。
新しいカラーを導入したことで、ユーザーは自分の好きな色に組み合わせることができ、より個性的でダイナミックなシロン ピュア スポーツに仕上げることが可能。
壮大な進歩に圧倒される純粋なドライビングスリル
シロン ピュア スポーツは、ブガッティの象徴ともいえる8.0リッターW型16気筒ターボエンジンが入念に強化されたことで、レスポンスと加速性を大幅に向上。エンジン回転領域が6700rpmから6900rpmに増加され、スロットルレスポンスが速くなったため、シロン ピュア スポーツはダイナミックドライビングの限界をさらに押し広げている。
ギアボックスは80%が再設計され、7つのギアすべてを15%短縮し、短いギア比を最適化することで、あらゆる速度域でエンジンの最適な出力帯域を確保。60km/h~120km/hの加速はシロンより約2秒も速くなっている。
サスペンションはフロントに65%、リアに33%硬いスプリングを採用・より硬い設定の新しいダンパーと新しいブッシュ、さらに追加されたカーボンスタビライザーにより、高速コーナーでも驚くほどのダイレクトで精度の高いステアリングリアクションを確保し、優れたグリップを実現する。
マグネシウム製ホイールは、1本で4kg、合計16Kgの軽量化を実現し、バネ下重量の軽減と、新しいタイヤのミシュランパイロットスポーツカップ 2Rが、メカニカルグリップを新しい次元へ高める。さらに、革新的なカーボンエアロウィングを装備して、冷却と空気の流れを改善した。
ドライバーがより集中して運転できるようにするため、ESPなどの運転支援も改良。追加された「Sport +」モードでは、トラクションコントロールがかなり後から効いてくるため、ドライバーは自分の運転スタイルで、理想的な走行ラインから高速コーナーでのわずかなドリフト走行まで、意のままに操ることが可能となる。
項目 | 内容 |
---|---|
台数 | 60台限定 |
最高速度 | 350Km/h |
最大出力 | 1500hp(6900rpm) |
最大トルク | 1600Nm(2000-6000rpm) |
エンジン回転領域 | レブリミットを+200rpm |
ギアレシオ | 15%短縮 |
軽量化 | 50Kg |
パワーウェイトレシオ | 1.19Kg/hp |
燃費(l/100km) | 35.2リッター(都市部) |
15.2リッター(都市部以外) | |
22.5リッター(総合) |