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DS、新型スタイリッシュサルーン「DS 9」発表。2種類のPHEVも用意
2900mmのロングホイールベースで広い後席空間を確保
2020年3月18日 16:21
- 2020年2月24日(現地時間) 発表
DS Automobilesは2月24日(現地時間)、グローバル展開を予定する新型ラージサルーン「DS 9」を発表した。日本市場の導入時期や仕様は未定。
DS 9のボディサイズは全長4930mm、全幅1850mmで、これまでにセダンで使われたことのない2900mmのロングホイールベースを備える新バージョンの「EMP2(Efficient Modular Platform 2)」アーキテクチャーを採用。急角度にカットされたリアウィンドウにより、トランクを備える3ボックスサルーンながらファストバックテイストの外観デザインとなっている。
「DSウイング」と呼ばれるブランドアイデンティティを受け継ぐフロントマスクが与えられ、ボンネット中央に、これまでのDSモデルではインテリアに使用していた“クル・ド・パリ文様”のセイバー(サーベルの意味)と呼ばれるクローム加飾を、ボディ外装に初めて採用。
また、ルーフ外縁部は円錐型フォルムを取り入れ、1955年に発表された「シトロエン DS」のヘリテージを表現。ボンネットと同じくセイバーを備えるリアコンビネーションランプでは、彫刻的な彫りの入ったテールランプが埋め込まれ、3D表現でうろこのような視覚効果を演出。ドラマチックなコントラストが表現されている。ボディ全体では滑らかでスリークなシルエットを採用し、ラグジュアリーブランドであるDSらしいスタイリッシュサルーンとなっている。
2900mmのロングホイールベースによって広い後席空間を確保した車内では、シートにヒーター機能、クーリング機能、マッサージ機能などを装備。レザー素材を使うセンターアームレストには、USBポート内蔵のストレージ、シートのマッサージ機能やマルチカラーのウェルカムライトのコントローラーなどを備え、乗員それぞれの好みに合わせて調整できるようにして、“乗り心地についての新たな定義”を提案している。
このほか、開放感のあるインテリアでは、ナッパレザーで完全に覆われたダッシュボードやウォッチストラップを模した意匠のシートなどを採用。ほかにもクリスタルのように造形されたスイッチ類、アルカンターラを表皮に使うルーフライニングやサンバイザー、手縫いの革で仕上げられたドアハンドルなど、触って感触を確かめたくなるような処理が施されており、ディテールに細心の注意を払ったデザイン、高いクオリティの素材を使った洗練性などを強調している。
PHEVの「E-TENSE」2種類とガソリンターボをラインアップ
DS 9のパワートレーンでは、電動化パワーユニットであるPHEV(プラグインハイブリッドカー)の「E-TENSE」2種類と、ターボチャージャー付きで225HPを発生する“PureTech”ガソリンエンジンをラインアップ。E-TENSEでは中国マーケットでのローンチ時に設定されるという最高出力250HPの前輪駆動モデルと、最高出力360HPを誇るインテリジェントな4輪駆動モデルの2種類を用意する。トランスミッションにはスムーズで素早い変速を可能にする8速ATがそれぞれ組み合わされる。
E-TENSEでは最高出力80kW(110HP)、最大トルク320Nmを発生するモーターとガソリンターボエンジンを組み合わせ、システム出力は225HP。11.9kWhの容量を持つバッテリーを採用し、モーターだけを使う「ゼロエミッションモード」で40km~50km(WLTPモード)の航続距離を実現する。また、ゼロエミッションモードでも135km/hまでの加速が可能となっている。充電には7.4kWの車載チャージャーとDS 9に標準装備するケーブルを使い、自宅や公共の充電設備によって1時間半で充電できる。
走行モードではゼロエミッションモードのほか、走行状況に応じてエンジンとモーターの動力配分を自動的に制御する「ハイブリッドモード」、アクセルペダル、ギヤボックス、ステアリング、アクティブサスペンションのマッピングが調整され、エンジンとモーターの組み合わせによる最大限のパワーが発揮される「E-TENSEスポーツモード」などを設定。
このほか、ギヤセレクターを手前に引いて選択する「Bモード」では、回生発電による制動力がさらに強力になることに加え、“E-Save”機能によってバッテリー残量を指定されたレベルで確保。例えば走行ルート上にLEVエリア(欧州で設定されている、LEVのみが通行可能となる指定エリア)が存在する、または郊外でゼロエミッションモードを使う必要があると分かっている場合に、必要なバッテリー残量を自動的に担保できるようにしている。