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マグナ、「スープラ」に採用されたリフトゲート補強材「スペースフレーム」でペースアワード2020を受賞

繊維強化複合材料を使用することでスチール製よりも10%の質量削減に成功

2020年4月28日(現地時間)発表

ペースアワードを受賞したマグナ製「スペースフレーム」

 カナダの自動車部品メーカーであるマグナ・インターナショナルは4月28日(現地時間)、繊維強化複合材料を使用したリフトゲート補強材の「スペースフレーム」が、革新的な進化をもらたす製品や革新的な製造工程により製品化されたものを讃える「オートモーティブニュース2020」のペースアワードを受賞したと発表した。

 このコンポジット製スペースフレームは、連続ガラス繊維を巻きつけることにより強化されたポリウレタン熱硬化性樹脂を注入した“フォームコアのチューブ型フレーム”で、コンポジット製スペースフレームとしては初めて自動車のリフトゲートに採用された製品。スチール製のものと比較すると10%の質量削減となっている。

写真は北米仕様のスープラ
生産工程にあるトヨタ自動車「スープラ」のリフトゲート
2020年で26年目となるオートモーティブニュース ペースアワードは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、バーチャル受賞式にて受賞者が発表された

 なお、このリフトゲートの補強材は、チェコ共和国のリベレツにある外装グループで開発生産が行なわれ、マグナの外装グループがこのスペースフレームで補強されたトヨタ自動車「スープラ」向けリフトゲートモジュールを生産。最終的にスープラの完成車を生産しているマグナの完成車受託生産拠点へ納品される。

PACE Space Frame - MAGNA(55秒)

 マグナではこの技術をサイドドアモジュールなど、自動車メーカーの質量削減目標やデザイン目標を満たすための材料革命に活用できないか調査中だという。

 ロンドンに拠点を置く調査会社IHS Markitでは「世界で生産されている車種の62%に当たるリフトゲートを持つ車種(ハッチバッグやステーションワゴン、ワンボックスなど)で、プラスチック製のリフトゲートを採用しているものは未だ少数である」という。

 マグナ・エクステリアのグラハム・ブロウ社長は「コンポジット製スペースフレームのような革新的な軽量ソリューションは、環境目標を満たすために排出ガス削減や燃費改善などを目指す自動車メーカーをサポートするのに重要な技術です。また、大きいモジュールで軽量化を目指すため、デザイン自由度を求める中、未来のモビリティーを形作るプラスチックやコンポジットなどの先進材料を使用したソリューションに成長を見越しています。そしてこの製品は、マグナでも成長著しい技術と位置付けており、こういった革新的な軽量ソリューションへの自動車メーカーからの需要も引き続き増加すると予測しています」とコメントしている。