ニュース

ノキア、トヨタプロダクションエンジニアリングの5G自営用無線ネットワークに選出

2020年6月23日 発表

 ノキアは6月23日、福岡県福岡市にあるトヨタプロダクションエンジニアリングの製造設計センターにおいて、産業用グレードの自営用無線ネットワークに導入されることになったと発表した。

 ノキアはローカル・システム・インテグレータである日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)と協業しており、今回の契約はトヨタプロダクションエンジニアリング、NSSOL、ノキアの間の既存の取引関係に基づいているとのこと。

 今回、ノキアは産業用のグローバル・デジタル・オートメーション・サービスのプラットフォームである「Nokia Digital Automation Cloud(NDAC)」を提供。NSSOLは無線エリア設計、ライセンス申請サポート、システム構築、継続的な保守および運用を提供する。

 トヨタプロダクションエンジニアリングは、LTE/4.9Gおよび5G の自営用無線ネットワークがトヨタの製造拠点で利用できるかどうかを評価し、デジタルトランスフォーメーションの目標達成に役立つ新しい製造プロセスを設計する。

 具体的には、自営用LTE/4.9Gネットワークがトヨタプロダクションエンジニアリングのサイトに導入され、機器のデジタル化と可視化を可能にするさまざまなIoTデバイスをサポート。時間の経過とともにネットワークは5Gにアップグレードされ、製造プロセスを進化させるとともに、自動化が進んだオペレーティング環境にするという。

 ノキアが提供するNDACは、ニーズに応じて拡張できる4.9G/5Gネットワーク設備(コアネットワーク、基地局)とクラウドベースの運転監視システムを含む、コンパクトなプラグアンドプレイシステムで、ユーザーは生成されたすべての独自データを安全に収集、処理、および提供することができるとしている。

 なお、5Gネットワークは超高速、超低遅延、およびマッシブMIMOによる複数の同時接続により、製造業界の変革をもたらすアプリケーション、サービス、およびワークフローを提供するための大きな一歩になるとしている。

 ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社のエンタープライズビジネス統轄営業本部長であるドニー・ヤンセン氏は、「ノキアのシステム統合パートナーであるNSSOLさまと連携することで、ノキアの5G対応の自営用無線ネットワークソリューションによって、トヨタプロダクションエンジニアリングさまによる次世代の製造ユースケースの統合が可能になり、トヨタのデジタルトランスフォーメーションが加速し、将来の自動車IoTビジョンの実現をサポートします。NSSOLさまと、トヨタと最も親密な関係にあるトヨタプロダクションエンジニアリングさまとともに、ノキアは国内自動車産業にブレークスルーをもたらしています」とコメント。

 トヨタプロダクションエンジニアリング エンジニアリング革新部 エンジニアリングフェロー大西章宏氏は「トヨタプロダクションエンジニアリングでは最先端の設備や技術の研究開発を行なっており、生産準備、設備開発・設計、品質データ管理などを行なっています。ノキアの5G自営用ネットワーキング機能を導入することで、この新たなデジタルエンジニアリング技術を通じて、トヨタのモノづくりに貢献していきます」とコメント。

 日鉄ソリューションズの執行役員 テレコムソリューション事業部長 吉田利昭氏は「トヨタプロダクションエンジニアリングさまによる先進的なデジタルトランスフォーメーションの取り組みの実現に貢献できることを嬉しく思います。このプロジェクトを通じて、トヨタプロダクションエンジニアリングさま、ノキアとともに、自動車業界のデジタルトランスフォーメーションを支援していきたいと考えています」とコメントしている。