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デンソーウェーブ、自動車用センサー技術を活用した「新型2Dレーザー式踏切障害物検知装」

センサーの検知性能を向上させ、安心、安全な列車運行に貢献

2020年8月1日 発売

新型2Dレーザー式踏切障害物検知装置と設置例(イメージ)

 デンソーウェーブは8月1日、自動車用衝突防止センサー技術をベースにした新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」を発売する。この新型踏切障害物検知装置は、2019年11月に鉄道技術展で発表した「ZONED-RX」を近畿日本鉄道のフィールドにて動作確認を行ない評価したもの。価格はオープンプライス。

 この装置は自動車部品メーカーのデンソーが開発した自動車用センサー技術をもとに、2017年から近畿日本鉄道と共同で踏切障害物検知装置向けの開発を始め、研究と実証を進めてきたもの。

 実証実験の結果をもとに、装置内のCPUを二重化して相互監視を強化し、万が一CPUの一方に不調が発生した場合でも、もう一方のCPUでエラーを認識できるフェールセーフ性を向上。これにより公益財団法人鉄道総合技術研究所の安全性評価を受審し、踏切における安心・安全対策に寄与する。

特許取得技術により検知率が向上

 また従来より、レーザーセンサーはレーザー光を照射し、反射光を測定して物体の有無を判断しているため、光の吸収率が高い黒色の物体や、表面が鏡面仕上げのような物体の場合はレーザー光の十分な反射光量が得られず、センサーで検知しづらいというのが課題。

 そこで新型踏切障害物検知装置は、検知対象エリアの中に高反射素材製のポールを設置して常時検知することで、黒色の車両などの反射光量を得られない物体が検知エリア内に侵入した際は、このポールが検知できなくなり、エリア内の侵入物が存在すると判断する仕組みを構築。この特許取得技術により、検知率を向上させ、さらなる安全性を実現した。

製品名:ZD-LS200RX、質量:センサ:約6000g、バイザー:約800g、取付金具:約1200g、サイズ:320×322.4×300mm(幅×奥行×高さ)