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デンソーウェーブ、川島海荷さんとQRコード25年の進化を振り返る「QRコード25周年記念 PRイベント~未来は、まだまだ育つ~」
トヨタの「かんばん」にルーツを持つQRコード25年の進化
2019年8月9日 07:00
- 2019年8月8日 開催
デンソーウェーブは8月8日、同社が開発した「QRコード」の25周年を記念して「QRコード25周年記念 PRイベント~未来は、まだまだ育つ~」を開催した。会場にはQRコードと同じ年齢ということで女優の川島海荷さんがゲストとして登場し、QRコード25年間の進化を一緒に振り返った。
同イベントには、デンソーウェーブ会長の杉戸克彦氏、QRコード開発者の原昌宏氏も出席。原氏からはQRコードの開発エピソードやこれまでの歴史、これからの活用についてのプレゼンテーションも行なわれた。
QRコードの新しい利用方法を次々と生み出していきたい
イベント冒頭に挨拶をしたデンソーウェーブ 会長の杉戸克彦氏は「QRコードは自動車部品メーカーであるデンソーの応用機器機部門で25年前に開発されました。バーコードの情報量をもっと増やしたい、もっと素早く確実にデータを読み取りたいという工場の生産管理部門の声に応える形で開発がスタートしました。当時開発メンバーはたった2名でした。その後、開発が終わり、2001年にデンソーの生産機器事業部門がデンソーウェーブとして独立した際、QRコードが当社に移管されました」とこれまでのQRコードの歴史を紹介。
また、杉戸氏は「今日のキャッシュレス決済、各種イベントのモバイルチケット、雑誌やチラシへのURLへの添付など、QRコードは近年のスマートフォンの急激な普及に後押しされる格好で、われわれが想像もしなかったスピードで世界中に普及しており、日常生活に欠かせないものとなっています」と、世界中でQRコードを使う場面が広がっていることを強調した。
杉戸氏は「しかしながら社会におけるQRコードの活用は、まだまだ始まったばかりです。私達はQRコードを開発した企業として、QRコードの新しい利用方法を次々と生み出して、社会の快適、利便、安心、安全の向上にお役に立ちたいと考えています。異なる車両が乗り入れる都営地下鉄のホームドアシステム、キャッシュカードや印鑑を持ち歩かなくてもお金を引き出せる銀行ATMの顔認証など、QRコードを利用したシンプルで信頼性の高い新しいソリューションの提供を始めています」と述べるとともに「QRコード25周年のテーマである“未来は、まだまだ育つ”のコピーの通り、私たちは明るい未来を生み出すために、これからも前進を続けてまいります」との意気込みを語った。
トヨタの「かんばん」にルーツを持つQRコード
続いて、QRコード開発者の原氏がQRコードについてのプレゼンテーションを実施。QRコードのルーツについては、1976年にトヨタ自動車の生産工場で採用されている「かんばん」にバーコードを導入したことがその始まりという。その後、デンソーは1980年代にバーコードを事業化し、1994年にQRコードが誕生するまでの歴史を紹介した。
原氏は「QRコードの開発を始めたのは1992年です。その当時は大量生産から多品種少量生産に移り、きめ細かな生産管理をするために製造現場では多くの情報を扱うようになりました。特に自動車工場ではバーコードを10個くらい読み取らせることをやっており非常に生産効率がわるく、作業者が疲れるといったことがあり苦情が多くなっていました。その一方でEDI企業間電子取引構想があり、そこで使われる業界標準伝票では大容量のデータが扱え漢字をつかえるコードの要求があり、そのほかにもICに高密度に印字ができるコードの要求もありました。これらの社会ニーズに対応するにはバーコードでは限界ということで、高度情報化時代に対応する次世代の構造としてQRコードを開発いたしました」と解説した。
その後のQRコードの広がりについては、生産管理や工程管理などの製造物流の領域に留まらず、電子チケットや電子決済などの公共サービス、携帯電話のQR読み取り機能の普及をきっかけにコンシューマ市場での拡大を続けているという。
QRコードが普及した理由について原氏は、読み取り性能の追求、時代のニーズに追従したQRコードの進化といった技術や性能。ユーザーに特許の権利行使を行なわないオープンなコード、業界標準や国際標準化の取得といったインフラ整備。オープンイノベーションやブランド戦略による用途開発にあったことを挙げた。
川島さんのプライベート写真とともにQRコードの進化を振り返る
ゲストとして登場した川島さんによるトークセッションでは、QRコードが誕生した1994年、モバイルチケットが導入された2006年、キャッシュレス決済が始まった2010年について、川島さんのプライベート写真とともに当時を振り返った。QRコードの進化について聞かれた川島さんは「いろんな歴史をたどっているんだなと、プラスして私の昔の写真も振り返ってくださったので、一緒に成長しているなと思いました」と感想を話した。
また、進化を続けるQRコードに対して自身も新たに挑戦したいことについて聞かれた川島さんは「25歳って、大人になった気もしますし、まだまだ子供な感じもしますし、いろんなことができる歳だと思うので。お仕事は頑張りつつ、個人的に色んな国を旅したいなと思っています」と述べるとともに、実際に行ってみたいところについては「オーストラリアとか広大な大地に行ってみたいです」と明かした。
イベントの締めくくりに川島さんは「QRコード25周年、25歳で同い年ということで呼んでいただいて本当に光栄です。歴史を振り返ってみて、QRコードも色んな使い方で色んな方に普及していって、進化を遂げていると思いますし、これからももっともっと進化し続けると思いますので、私もそれと同じくらい進化できるように頑張っていきたい」とコメントした。