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ベントレー、ベントレーマリナーが手掛けた特別な3台を世界初披露

ブレナム宮殿で行なわれるイベント「サロン・プリヴェ」にて

2020年9月22日~26日(現地時間)開催

スーパーチャージャー付き4.5リッターエンジン

 ベントレーは9月22日~26日(現地時間)の期間、ベントレーマリナーが手掛けた「ベントレー マリナー クラシック」「ベントレー マリナー バカラル」「ベントレー マリナー コレクション」の計3台の作品を、イギリスのオックスフォード近郊のウッドストックにあるブレナム宮殿の美しい敷地で行なわれるイベント「サロン・プリヴェ」で初披露する。

 ベントレー マリナー クラシックは2019年9月に、ベントレーのアイコンともいえるスーパーチャージャー付き4.5リッターエンジンを搭載した1929年製ブロワーを12台限定で再生産することを発表したことで注目を浴びた1台。これらのモデルは、ベントレーマリナーのスペシャリストチームによって、ひとつひとつ手作りで製作され、世界初の戦前のレースカーコンティニュエーションシリーズとなる。

再生産される1929年型ブロワー
再生産作業中の1929年型ブロワーのフレーム

 マリナーのこの部門は、2019年のサロン・プリヴェで披露した1939年式ベントレー・コーニッシュの完全なレストアも手掛けている。2020年のクラシックポートフォリオでは、エンジニアと職人の専門チームが、ティムバーキン卿がレースに出場したベントレーのチームカーをレストアするために、12か月間に渡って行なった作業の成果を公開する。この車両はコンティニュエーションシリーズのデータと設計図のもととなったクルマそのものという。

世界限定12台のベントレー マリナー バカラル

 ベントレー マリナー バカラルは、現代のベントレーでもっとも希少な2ドアのベントレーで、2シーターでオープンエアの究極のラグジュアリーを表現したモデル。このグランドツアラーは、世界最古のコーチビルダーであるベントレーマリナーによるコーチビルディングへの回帰の先駆けとなり、わずか12台しか生産されず、希少性と独占性を保証し、最高のラグジュアリーと息を呑むようなパフォーマンスを提供するという。

 また、バカラルはオーダーメイドのラグジュアリーモータリングの未来を見据え、1台1台クルーにあるベントレーマリナーの工房で、ユーザーの好みに合わせて手作りされ、ベントレーマリナーの新しいコーチビルトポートフォリオの一部として誕生した最初のクルマとなる。

ベントレー マリナー バカラル12台は、すでに完売となっている

 屋根のないバルケッタのデザインに、まったく新しく、非常に筋肉質なコーチワークを施し、無数のオプションと素材を取り入れたそれぞれのバカラルは、ベントレーマリナーのデザインチームと個々のユーザーとの直接のやり取りの結果。クラフトマンシップの最高傑作であるバカラルは、素材とインテリジェントな技術の融合をシームレスに実現している。

 バカラルは、フランスのフェスティバル・オートモービル・インターナショナルで「モースト ビューティフルコンセプトカー オブ ザ イヤー」を受賞し、GQ誌では「コンセプトカー オブ ザ イヤー」を受賞したEXP 100 GTのデザインDNAが採用されている。ベントレー マリナー バカラルの詳細は関連記事も参照いただきたい。

新型コンチネンタル GTマリナーコンバーチブル

 ベントレー マリナー コレクションは、新型コンチネンタル GTマリナーコンバーチブルなど、ベントレーのコアモデルの特にラグジュアリーな派生商品を引き続き提供するとともに、新しいベントレーをパーソナライズする機会も提供。

 現行の生産車のフルラインアップには、カラーマッチングされたペイント、ハイド、ステッチの組み合わせから、ビスポークのフィーチャーコンテンツまで、幅広いオプションが用意され、コレクションのポートフォリオは、サロン・プリヴェの前週に発表される予定の新モデルでお披露目となる。

新型コンチネンタル GTマリナーコンバーチブル

 マリナーの歴史を記念して、ベントレーはヘリテージコレクションの中から2台の特別なクルマを会場に持ち込む。ベントレーの1930年製8.0リッターは、かつてW.O.ベントレー自身が所有していた社用車で、HJマリナーのボディを架装していて、イベントに到着する現代のベントレーの車列を先導する予定という。

 この車列には、史上もっとも象徴的なマリナーボディのクルマ、1952年の「Rタイプ コンチネンタル」が加わるという。当時最速の4人乗りスポーツカーであったRタイプの象徴的な美しさは、ベントレー コンチネンタル GTを通じて今日のデザインに影響を与え続けている。

Rタイプ コンチネンタル(画像は1955年式)

世界最古のコーチビルダーである「ベントレーマリナー」

 ビスポークのクラフトマンシップの伝統は、マリナーが馬具製造として創業した1500年代から脈々と受け継がれているという。そして1760年代、マリナー家の事業は馬車製造に重点を置き、ロイヤルメール郵便のために馬車の製造とメンテナンスを委託されたことで注目を浴びるようになった。やがてモーターカーの登場により、マリナー社は馬車から離れ、自動車のコーチビルディングに専念。

 当時独立していたマリナー社は、1923年にロンドンで開催されたオリンピアショーのために、3.0リッターの2シーターベントレーを特注で製作。マリナーは1920年代だけでも240台以上のベントレーのシャシーを架装し、新進気鋭のコーチビルディング会社の中でももっともすぐれた会社として知られるようになったという。

 1959年に、マリナーはベントレーとのパートナーシップを締結。クルーにあるベントレー本社の旧エンジニアリング実験部門に移転し、現在に至っている。現在40年以上のマリナーの経験を持つスペシャリストから、何十年にもわたって磨かれてきた技術を学ぶ見習いまで、約40名の従業員が働いている。