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ピレリ、オールシーズンタイヤのサイズラインアップを拡大

パンクに備えるシールインサイドテクノロジーやランフラット機能も搭載

2020年9月8日(現地時間)発表

 ピレリは9月8日(現地時間)、年間を通じて使用できるオールシーズンタイヤの高まる需要に応えるべく「スコーピオン・ヴェルデ・オールシーズン SF」および「チントゥラート・オールシーズン・プラス」のサイズラインアップを拡充したと発表した。なお、拡充したサイズの日本導入は2021年以降を予定しているという。

 オールシーズンタイヤは、極限の氷上性能や長距離走行を求めないドライバーを対象に、冬季も夏季も安全を最優先するドライバーに最適なタイヤ。季節毎のタイヤ交換の必要がなく、また、シールインサイドテクノロジーの搭載によりパンクに備えることも可能となる。

 過去3年間でオールシーズンタイヤに対するヨーロッパ全体の消費者の関心が大幅に上昇し、2016年~2019年の間に市場は2倍になった。そこでピレリは、これらの需要の増加に対応するために「チントゥラート・オールシーズン・プラス(Cinturato All Season Plus)」および「スコーピオン・ヴェルデ・オールシーズン SF(Scorpion Verde All Season SF)」の16~19インチに新しく22サイズを追加。

 一部のタイヤにはシールインサイドテクノロジーが搭載され、アフターマーケット市場で販売される。このサイズ拡大により、ピレリは潜在的なオールシーズンタイヤ市場の約90%をカバーできるとみている。

 非常にパワーのあるクルマや、厳しい冬の条件下においては、現在でもウインタータイヤが推奨される一方で、ピレリのオールシーズンタイヤは、厳冬時における極限の氷上走行や長距離走行は必要とせず、そして季節毎のタイヤの交換を行なわずに1年中1セットのみのタイヤの使用を希望するドライバーへ向けて設計。

 その需要はヨーロッパ全体でも大幅に増加していて、オールシーズンタイヤは、サマータイヤの性能とウインタータイヤの性能をすぐれたバランスで両立している。

チントゥラート・オールシーズン・プラス

 15~20インチの乗用車用オールシーズンタイヤで、天候やウインタータイヤ装着規制にわずらわされることなく、主に都市部を走行するドライバー用に設計。従来のチントゥラート・オールシーズンの進化型で、2本の太い縦溝と左右に伸びる横溝を採用した方向性パターンにより排水性を最適化して、ハイドロプレーニング現象のリスクを低減。また、革新的なトレッドパターンデザインは、車内外のノイズを低減し、かつ、ドライビングの楽しさも高めてくれる。

2本の太い縦溝と左右に伸びる横溝を採用

 さらに、3Dサイプがトレッドブロックの動きを最適化して、ブレーキング時やコーナリング時のパフォーマンスを向上。また、このデザインは均一な摩耗を可能にし、タイヤ寿命を伸ばす効果もあるという。降雪時はブロックが開いて雪をとらえ、すぐれた接地性を発揮。このすぐれた接地性により、チントゥラート・オールシーズン・プラスには欧州において冬季用タイヤとしての走行性能基準が認められたタイヤの証として打刻される「M+Sマーク」と「スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク」が付く。

 現在のチントゥラート・オールシーズン・プラスの日本導入サイズは15~17インチの18サイズとなっている。

スコーピオン・ヴェルデ・オールシーズン SF

 SUVやクロスオーバー用オールシーズンタイヤで、夏と冬の両方のコンディションに適し「M+Sマーク」と寒い気候下における安全性を示す「スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク」が打刻される。

 トレッドパターンとブロックのデザインは、降雪路面とウェット路面の両方ですぐれたハンドリングを提供し、高いトラクション性能と横方向の安定性、および低いロードノイズを実現。また、長い摩耗寿命と低い転がり抵抗により燃費の節約に貢献する。

シールインサイドテクノロジー

 チントゥラート・オールシーズン・プラスとスコーピオン・ヴェルデ・オールシーズン SFには、画期的なシールインサイドテクノロジーが採用され(一部サイズを除く)、パンクした場合でも、4mm以下の穴であればタイヤのエアが漏れる事なく、内圧を保持し走行し続けることができる。

 タイヤの内側に貼られているシーリング材が、タイヤに穴を開けた異物(クギなど)を瞬時に包み込み、空気が漏れる事を防ぎ、異物が抜けた場合はシーリング材が穴を塞いでくれる構造。このシーリング材は、ホイールを組む前のタイヤを保管している間にシーリング材の損傷や経時劣化を防ぐため、特別な保護フィルムで覆われていて、シールインサイドテクノロジーは、さまざまなコンディションに対応する性能を持ち合わせながら、パンクの際にも安全なドライブが続けられるよう開発された。

ランフラットテクノロジー

 スコーピオン・ヴェルデ・オールシーズン SFには、ピレリのサイド補強型ランフラットの設定もあり、ドライビングの喜びを損なうことなく安全性を提供してくれる。ピレリのランフラットタイヤは、パンクが発生した場合でもクルマを安定させるように特別に設計され、ドライバーは最大80km/hの速度で最長80kmの距離を安全に運転することが可能となる。タイヤのサイドウォールに組み込まれた補強材により、タイヤの内圧がない状態でも、クルマの重量とそれによって作用するすべての負荷を支えることが可能という。

 なお、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤではないので、ピレリでは過酷な雪道や凍結路面ではスタッドレスタイヤを薦めている。