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ピレリ、1950年代のモータースポーツを象徴するタイヤ「ステラ・ビアンカ」

F1世界選手権が初めて開催され、70周年記念グランプリが行なわれたシルバーストーンで展示

2020年8月7日~9日(現地時間) 公開

1950年代のF1車と同様に、ボラー二(Borrani)ワイヤーホイールに取り付けられ再現されたサーキット用タイヤ「ステラ・ビアンカ」

 ピレリは、8月7日~9日(現地時間)に英国 シルバーストーンで開催されたF1世界選手権の70周年記念グランプリにおいて、1950年代のモータースポーツを象徴するタイヤ「Stella Bianca(ステラ・ビアンカ)」を公開した。

 “イギリスモータースポーツの聖地”でもあるシルバーストーンは、1950年にF1世界選手権のレースが最初に開催されたサーキット。初優勝したジュゼッペ・ファリーナ氏は、アルファ ロメオにピレリのステラ・ビアンカを装着。その後、ピレリタイヤを装着したフェラーリやマセラティも勝利を収め、モータースポーツ最高峰の黎明期にイタリア旋風を巻き起こした。

 今回、F1が最初に開催されたシルバーストンでF1世界選手権の70周年記念レースが開催されることとなり、70年の時を経てステラ・ビアンカがサーキットに戻ってきた。“ステラ・ビアンカ”とはイタリア語で「白い星」という意味。タイヤの世界におけるステラ・ビアンカは、アルファ ロメオと同様にF1の初年度を席巻。特にモータースポーツ全盛時代のピレリを象徴する名前となっており、アルファ ロメオとピレリの組み合わせは今日でも続いている。

コースの中央に展示された再現されたステラ・ビアンカとトロフィー

 また、当時のステラ・ビアンカのサイドウォールには小さな星のマークが施されており、このマーキングは同じ名前を受け継ぐ公道用タイヤにも用いられると同時に、性能も受け継がれ、シルバーストーンのみならず、公道においてもその存在感を示していたという。そして、2年前にステラ・ビアンカは、「コレツィオーネ(Collezione)」シリーズとしてリニューアルされた。

 このクラシックな外観と現代の性能を併せ持つコレツィオーネは、そのラインアップを拡大し続け、戦後から1990年代の広範囲に渡るクラシックカーに装着されている。これらのタイヤは、現在のクラシックカーオーナーが、当時のオーナーと同じくドライブを楽しむことができるように設計されている。

 すべてのコレツィオーネシリーズは、ピレリのモータースポーツ用タイヤと同様に限定生産で、最新のステラ・ビアンカは数多くのモータースポーツ用タイヤと同様に、専用工場で製造されている。そして、ラジアルタイヤが主流の今、ピレリが現在生産している唯一の“クロスプライタイヤ”であるステラ・ビアンカを、より多くの車愛好者へ向けて、2020年後半に新しいサイズの発表を予定しているという。

 現在使用されているピレリのF1用スリックタイヤは「P Zero」で、ウェット用タイヤは「チントゥラート(Cinturato)」という名称。現在のF1のスタードライバーたちが当時のステラ・ビアンカを装着することはないが、今日のF1発展に貢献した歴史を感じることはできるはずとしている。

F1の1950年開幕戦と2020年70周年記念レースのデータ