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スバル 中村知美社長に聞く、スバルの航空機とクルマづくり
2020年10月16日 09:40
- 2020年10月15日 発表
スバルのツーリングワゴン、新型「レヴォーグ」が10月15日に正式に発表された。スバル車の新しいプラットフォームであるSGP(Subaru Global Platform)によってフルモデルチェンジ。安全装備として「アイサイトX」、熱効率40%の新型エンジンなどスバルの持つ技術をすべて盛り込んだモデルになる。
スバルは新型レヴォーグのデビューの場に、成田国際空港にあるJAL(日本航空)のAハンガーを選択。JALやANA(全日本空輸)が運航するボーイング 787型機の中央翼をスバルが製造しており、JALへはニュルブルクリンクへのレーシングマシン輸送などを依頼しており、そのような協力関係のもと、ボーイング 787を舞台に新型レヴォーグをデビューさせた。
発表会ではスバル 代表取締役社長 CEO 中村知美氏、新型レヴォーグ開発者である商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー 五島賢氏からプレゼンテーションが行なわれたほか、五島氏とJAL(日本航空)常務執行役員 整備本部長 北田裕一氏によるエンジニア対談も実施された。
スバル、新型「レヴォーグ」は「スバルが現在持ちうるすべての技術を結集したクルマ」 先行予約で「アイサイトX」の装着率は93%
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1283156.html
イベント終了後、中村社長にスバルの航空機とクルマづくりについて聞いてみた。
中村社長はプレゼンテーションでも紹介していたボーイング 787の中央翼に触れながら、航空機のとクルマづくりに共通するものは安全とそれを支える品質であるという。とくに航空機においては、各種の決まっているレギュレーションを含め高い品質が求められ、応えていくことが重要であるとする。とくに規定で決まっている部品のトレーサビリティなどについては、航空機のほうが進んでいる面もあり、それは自動車の品質管理においても採り入れるべきものがあるという。
ただ、決定的に違っているのは量産規模。航空機は、たとえばボーイング 787であれば最盛期で月産十数機(中央翼は巨大部品で、1機に一つ組み込まれている)。一方クルマは、コロナ禍の影響がある8月時点で国内4万台以上、海外4万台近くの規模になる。中村社長は、「自動車はそういった生産性の向上と効率を求めて、もうかなりすごいレベルに来てると思います。スバルをはじめ、日本のメーカーはそういったところを航空側にも持って行けるだろうか」と、クルマの優れた量産技術を少量生産が前提の航空機部品生産へどう活かせるかということを、課題として見ているようだ。
スバルは自動車と航空宇宙事業を柱としており、一度にその2つの主力製品を見ることのできたJAL Aハンガーにおける新型「レヴォーグ」オンライン発表会だった。