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ホンダF1 田辺豊治TD、F1最終戦の優勝後会見 「王者メルセデスに今年はかなわなかったということを胸に刻み、明日から開発」

レッドブル・レーシング・ホンダのスタッフ集合写真 (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 12月13日(現地時間)、F1第17戦にして最終戦となるアブダビGPの決勝レースがヤス・マリーナ・サーキットで開催された。決勝レースは、前日の予選で今シーズン初のポールポジションを獲得しポールポジションからスタートしたレッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手が優勝した。

 フェルスタッペン選手にとっては今シーズン2勝目。ホンダのPU(パワーユニット)にとっては3勝目の勝利となった。

 レース後、ホンダF1 田辺豊治テクニカルディレクター(以下、 田辺豊治TD)のオンライン会見が行なわれ、田辺TDはレースについて総括した。


ホンダF1 田辺豊治TD:

 昨日の予選でマックス選手がポールポジションを獲得しました。本日マックス選手がポールトゥフィニッシュということで優勝。1年間をいい形で終われました。

 終わりよければすべてよしというものの、我々はF1チャンピオンシップに挑戦している立場としては、チャンピオンを獲ってからよかったということになります。

 気持ち的には1年間の開発の結果、パフォーマンスの向上、パッケージの向上をもって、ポールポジションから優勝という形になりましたけれども、まだまだ王者メルセデスに今年はかなわなかったということを胸に刻んで、来年、ホンダF1参戦最後の年となりますが、悔いのないような形で最終戦を迎えられるように、終わりよければすべてよしのいい形で来年終われるように、明日からまた開発を行なってパフォーマンスを上げていきたいと思っています。


 田辺TDは、前戦のアブダビGP終了後、この最終戦に臨むにあたって「今年の集大成として準備を進める」としており、それが優勝、しかもマックス・フェルスタッペン選手は一度もトップを譲ることなく圧勝という形になった。どのような見直しを行なったかについても聞いてみた。


ホンダF1 田辺豊治TD:

 見直しはその都度もう少し向上できるとこがあるんじゃないかと。それは、われわれPUマニファクチャラーとしてはPUのセッティングになるんですけど、そういうところを見直しました。

 あとは日本でのシミュレーション、チームとそのシミュレーションの情報共有。現地に入ってからのコミュニケーションなど、その辺りのコミュニケーションですね。

 実際ドライバーも入れたりとかしながらどういう使い方(とするのか)。金曜日走り出して、土曜日走って、P3(練習走行3)の段階でベースの設定を決め、その中でさらにレース展開の中で状況が変わったときにはどういうオプションを持つのか。過去からやってるんですけども、そういうところを今年やりながら、特に新しい初めてのサーキットの経験を含めやってきたということになります。

 パッケージとしてメルセデスを上回った。(ポールポジションという)昨日の結果、(優勝という)今日の結果からというのは、今年のこのコンディションのこのサーキットでという話です。今年のメルセデスのように、あれだけ勝ち続けると胸を張って「我々のパッケージはどこどこに勝った」と言えるのですが、(今回の勝利は)非常に限定的な意味ですので、その辺をよろしくお願いします。


 田辺TDは最終戦の完全な勝利を限定的なものと評価。年間を通しては「まだまだ王者メルセデスに今年はかなわなかった」としつつも、「今年は」という部分に、ホンダF1の最終年となる来年への意気込みを感じた。

マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool