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レッドブル・ホンダ、F1最終戦を優勝 マックス・フェルスタッペン選手がメルセデス勢を抑える

F1第17戦アブダビGP

2020年12月11日~13日 開催

F1最終戦を優勝したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1世界選手権 最終戦(第17戦)アブダビGPの決勝レースが12月13日(現地時間)、アラブ首長国連邦 アブダビ郊外のヤス・マリーナ・サーキットにおいて行なわれた。前日に行なわれた予選では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が最終戦で今シーズン初のポールポジションを獲得、全戦メルセデスパワーユニットがポールを独占する事態を阻止して、ホンダパワーユニットとして一矢を報いてみせた。

 決勝レースはポールポジションからスタートしたレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手、2位のバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)と3位のルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)の3人による争いとなり、スタートからゴールまでレースの全ラップを支配したフェルスタッペン選手が優勝した。

 フェルスタッペン選手の優勝はF1 70周年GP(シルバーストーンの2レース目)以来で、今シーズン2勝目。ホンダPU(パワーユニット)勢としてはイタリアGPでのピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)の優勝を入れて今シーズン3勝目。2位はボッタス選手、3位はハミルトン選手のメルセデス勢。4位はレッドブル・ホンダのもう一台となるアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。

 アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が8位、ダニール・クビアト選手(26号車 アルファタウリ・ホンダ)が11位となり、4台中3台が入賞を果たした。

ポールポジションからスタートした、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手がレースを完全に支配

 レースはポールポジションのフェルスタッペン選手がいいスタートをみせ、1コーナーにトップで飛び込んだ。2位は予選2位のボッタス選手、3位は予選3位のルイス・ハミルトン選手。レッドブル・ホンダのもう1台であるアルボン選手は予選5位からスタートし、マクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)に次ぐ5位を走っている。

 序盤は静かなレースになり、徐々にトップのフェルスタッペン選手が2位、3位のメルセデス勢を引き離す展開となった。3周目に入るところで2位のボッタス選手に2秒差をつけ独走状態を築きつつある。

 4位のノリス選手以下は、5周目にはトップに10秒差をつけられ完全にフェルスタッペン選手とメルセデス勢の2台による優勝争いになっていった。レッドブル・ホンダのアルボン選手は6周目にDRSを活かしてノリス選手をオーバーテイクし4位に上がった。

 9周目の終わりにセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)がマシントラブルでコース脇にマシンを止め、翌10周目にバーチャルセーフティカー(VSC)が出される展開。その結果トップ10は続々とピットに入り、タイヤを交換することに。

 そのタイヤ交換後にVSCからセーフティカーに移行し、ほとんどの選手がタイヤ交換義務を終えた。ピットストップしなかったのは、ダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)やセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)などスタートでハードタイヤを選択した選手たちだ。

フェルスタッペン選手が優勝、今シーズン2勝目

 レースは14周目に再開され、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手がリードした状態でリスタートした。フェルスタッペン選手は2台のメルセデスに対してリードを広げ始め、セーフティカーが出る前のような差を瞬く間につけ始める。

 今日のフェルスタッペン選手は非常に速く力強いレースをみせている。レース折り返しとなる28周目には約6.8秒という大差になっており、すっかりクルージングの状態だ。ピットストップ時に装着したタイヤはハードタイヤで、事前の予測では45周をハードタイヤで走り切れるとされており、上位陣についてはタイヤを労りながらゴールを目指すレースになっている。

 これでレースはほぼ膠着状態に。トップ4はレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手、メルセデスのボッタス選手とハミルトン選手、レッドブル・ホンダのアルボン選手という順。それぞれが8秒差ぐらいで走る形になってきている。

 終盤にはメルセデス2台のタイヤが厳しくなってきており、タイヤ交換に入りたいところだが、3位のハミルトン選手から7秒差にレッドブル・ホンダのアルボン選手がつけている。ここでタイヤ交換に入るとアルボン選手の後ろになり表彰台を逃してしまうため、タイヤ交換に入れない状況だ。

 アルボン選手は今回メルセデス2台の後ろをきっちり走っており、メルセデスの1台がピットストップでタイヤ交換をして追い上げる、さらにファステストラップを狙うなどの作戦を許さないという意味でいい仕事をしている。

 結局レースはそのままゴールを迎え、優勝はレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手。フェルスタッペン選手はポールポジション、そして全ラップでトップを維持し、ファステストラップ以外は完璧な走りで今シーズン2勝目を挙げた。

 ホンダのPUとしては自身のF1 70周年GP、ガスリー選手のイタリアGPについで3勝目。2位はメルセデスのボッタス選手、3位はハミルトン選手となり、4位には最後ハミルトン選手の1.5秒差まで追い上げたレッドブル・ホンダのアルボン選手が入った。

 5位はマクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)、6位はカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)となり、この結果でマクラーレンはコンストラクターズ選手権でレーシングポイントを抜いて3位に上がって、シーズンを終えた。

F1第17戦アブダビGP 決勝結果(暫定)
順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ551時間36分28秒64525
277バルテリ・ボッタスメルセデス55+15.976秒18
344ルイス・ハミルトンメルセデス55+18.415秒15
423アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ55+19.987秒12
54ランド・ノリスマクラーレン・ルノー55+60.729秒10
655カルロス・サインツマクラーレン・ルノー55+65.662秒8
73ダニエル・リカルドルノー55+73.748秒7
810ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ55+89.718秒4
931エステバン・オコンルノー55+101.069秒2
1018ランス・ストロールレーシングポイント・BWT・メルセデス55+102.738秒1
1126ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ54+1周0
127キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ54+1周0
1316シャルル・ルクレールフェラーリ54+1周0
145セバスチャン・ベッテルフェラーリ54+1周0
1563ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス54+1周0
1699アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ54+1周0
176ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス54+1周0
1820ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ54+1周0
1951ピエトロ・フィッティパルディハース・フェラーリ53+2周0
NC11セルジオ・ペレスレーシングポイント・BWT・メルセデス8DNF0
ドライバーズランキング F1最終戦終了時(暫定)
順位ドライバー車両ポイント
1ルイス・ハミルトンGBRメルセデス347
2バルテリ・ボッタスFINメルセデス223
3マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ214
4セルジオ・ペレスMEXレーシングポイント・BWT・メルセデス125
5ダニエル・リカルドAUSルノー119
6カルロス・サインツESPマクラーレン・ルノー105
7アレクサンダー・アルボンTHAレッドブル・レーシング・ホンダ105
8シャルル・ルクレールMONフェラーリ98
9ランド・ノリスGBRマクラーレン・ルノー97
10ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ75
11ランス・ストロールCANレーシングポイント・BWT・メルセデス75
12エステバン・オコンFRAルノー62
13セバスチャン・ベッテルGERフェラーリ33
14ダニール・クビアトRUSアルファタウリ・ホンダ32
15ニコ・ヒュルケンベルグGERレーシングポイント・BWT・メルセデス10
16キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ4
17アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ4
18ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス3
19ロマン・グロージャンFRAハース・フェラーリ2
20ケビン・マグネッセンDENハース・フェラーリ1
21ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス0
22ジャック・エイトケンGBRウイリアムズ・メルセデス0
23ピエトロ・フィッティパルディBRAハース・フェラーリ0
コンストラクターズランキング F1最終戦終了時(暫定)
順位チームポイント
1メルセデス573
2レッドブル・レーシング・ホンダ319
3マクラーレン・ルノー202
4レーシングポイント・BWT・メルセデス195
5ルノー181
6フェラーリ131
7アルファタウリ・ホンダ107
8アルファロメオ・レーシング・フェラーリ8
9ハース・フェラーリ3
10ウイリアムズ・メルセデス0
4位に入ったアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool