ニュース

オラクル、「レッドブル・レーシング・ホンダ」とF1のデータアナリティクス強化で連携

マシンのパフォーマンス向上だけでなく、ファンサービスにも活用

2021年3月26日(現地時間)発表

レッドブル・レーシングの2021年のF1参戦マシン「RB16B」のボディにオラクルのロゴが入る

データ分析を最適化することで競争力を高める

 ソフトウェアを手掛けるオラクルは3月26日(現地時間)、フォーミュラ1(F1)でのワールド・チャンピオン4回の実績を誇るレッドブル・レーシングと、公式クラウド・インフラストラクチャ・パートナーとして契約したことを発表した。

 F1に参戦するチームは、トラック上での競合優位性をもたらすためにデータの分析と詳細にこだわっており、今回発表された連携では、レッドブル・レーシングの車両パフォーマンス向上のためのデータ利用の最適化と強化が含まれている。複数年のロードマップで実現され、オントラックとオフトラックの両方のエンジニアリング・オペレーションに関連して「Oracle Cloud Infrastructure(オラクル クラウド インフラストラクチャ)」の広範な人工知能と機械学習の機能が利用されるという。

 また、オラクル クラウド インフラストラクチャの機械学習やデータ・アナリティクス機能を活用し、オントラック・アクティビティだけでなく、チームの世界中のファンへのより多くの情報提供に至るまで、データのビジネス利用を最適。オラクル クラウド インフラストラクチャを利用した新機能により、チームの競争力をさらに高めるとしている。

レッドブル・レーシングのドライバー、マックス・フェルスタッペン選手

 レッドブル・レーシング・ホンダは、最高レベルのパフォーマンス、拡張性、セキュリティを備えるクラウド・インフラストラクチャ・プラットフォームを必要としているといい、オラクル クラウド インフラストラクチャが提供する独自機能により、データ・サイエンスとアナリティクスの利用を拡張し、レッドブル・テクノロジー・キャンパスで行なわれる大量かつ多様なエンジニアリング作業に対応できるようになるという。

ファンサービスを大切にするレッドブル・レーシング

 レッドブル・レーシングは、グローバルのファンに熱心なF1チームとしても知られ、優れたコンテンツとエンゲージメント機会を創出しているチーム。今回のパートナーシップでは「Oracle Unity Customer Data Platform」「Oracle CrowdTwist Loyalty and Engagement」「Oracle Responsys Campaign Management」をはじめとするオラクルの広範なカスタマー・エクスペリエンス・アプリケーションを活用することで、統計や指標への容易なアクセスをファンに提供し、トラックでの活動をファンがより身近に感じられるようにするという。

 両社は、できるだけ優れたファン・エクスペリエンスを提供し、レースが行なわれる週末により卓越したインサイトとエンゲージメント機会を提供することで、世界中の新たなファンにF1の世界を開くことが共通の願いとしている。

レッドブル・レーシングのドライバー、セルジオ・ペレス選手

 レッドブル・レーシング・ホンダのチーム・プリンシパルであるクリスチャン・ホーナー氏は「これは、レッドブル・レーシング・ホンダにとって非常に重要なパートナーシップです。オラクルは、40年以上にわたりテクノロジー・イノベーションの最先端にいる大企業です。データベース管理とクラウド・コンピューティングについて業界で最も認められ、信頼されている企業の1つであるオラクルは、世界の多くの大規模企業や成功している企業に性能、イノベーション、専門知識を提供しています。このすばらしいパワーと知識を活用できることは、このチームにとって大きな前進です。オラクルの専門知識は、ファン・エンゲージメントやブランド構築のためのメカニズムの開発から、エンジニアリング部門や設計部門を含むチーム全体への豊富で新たなリソースの提供に至る、ビジネスの多くの分野に関係します」と、新しいパートナーシップを歓迎するコメントを発表している。

 また、オラクルのチーフ・マーケティング・オフィサーであるアリエル・ケルマン氏は「これは、設計、パフォーマンス、勝利に対する情熱を共有する2つの組織によるパーフェクトな提携です。レッドブル・レーシングは、限界への挑戦なしにはドライバーズ・チャンピオンシップとコンストラクターズ・チャンピオンシップを複数回制することはできませんでした。オラクルは、F1の新たな基軸を設定できる期待以上のテクノロジーと設計の発見と創出でレッドブル・レーシング・ホンダと連携することにまい進していきます」と述べている。

 レッドブル・レーシングのチーフ・マーケティング・オフィサーであるオリバー・ヒューズ氏は「オラクルのようなメジャー・パートナーをF1に迎えられることを嬉しく思っています。われわれは、われわれが行なうすべてにおいて限界を超えていくことに重点を置いているため、クラウドへの移行の正しいパートナーを見つけることは非常に重要でした。オラクルの『CX Marketing Cloud』の専門知識をレッドブル・レーシング・ホンダの創造性とグローバル・ファンベースを組み合わせることで、進化するマーテックの新しい章を開き、ファンにとってもユニークで特別なものを提供できればと考えています。テクノロジーにおいて、レッドブルのエンジニアリング・チームは、データ・サイエンスおよびAIチームを最先端の専門知識によって強化するために、オラクルが持つ一連のツールを手にする日を待ち望んでいます」と述べている。