ニュース

日立アステモ、ファンに加え約9万人の従業員の思いが込もったモータースポーツチーム発表会

日立アステモのアステモレッドで彩られたSUPER GT 17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)

日立アステモが1月1日発足

 日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワおよび日信工業の4社が1月1日に経営統合して発足した日立Astemo(アステモ)。社名はAdvanced Sustainable Technologies for Mobility(先進的かつ持続可能な社会に貢献する技術を通じて、安全・快適で持続可能なモビリティライフを提供する)に由来し、連結従業員数は約9万人。株主は株式会社日立製作所が66.6%、本田技研工業株式会社33.4%のグローバルティア1サプライヤーとなる。

 その日立アステモがサポートするモータースポーツチームが、4輪ではAstemo REAL RACING(旧KEIHIN REAL RACING)、2輪ではAstemo Honda Dream SI Racing(旧Keihin Honda Dream SI Racing)になる。3月14日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)において、2輪・4輪合同のチーム設立発表会が行なわれた。

 SUPER GTシリーズに参戦するAstemo REAL RACINGからは、金石勝智監督、塚越広大選手、ベルトラン・バゲット選手が参加。全日本ロードレース JSB1000、ST1000クラスに参戦するAstemo Honda Dream SI Racingからは、伊藤真一監督、清成龍一選手、作本輝介選手、渡辺一馬選手が参加。さらに日立アステモのモータースポーツチームを応援するAstemoミューズとして横田りかさん、保科凜さんの2人、Astemoアンバサダー 英美里さんが参加するなど、日立アステモとしてのフルラインアップとなっていた。

 ご存じのように、この2つのチームはケーヒンがサポートしてきた。ケーヒンは1956年に京浜精機製作所として設立。キャブレターなど気化器を手がけるメーカーとして、CRキャブレターはその調整範囲の広さや性能から、同社の代表的な製品となっていた。また、ホンダ車に搭載されている電子制御インジェクタ「PGM-FI」も同社製の製品になる。

 コーポレートカラーがブルーのため、REAL RACING、Honda Dream SI Racingとも2020年までは“ケーヒンブルー”と呼ばれる青色のチームカラーで戦ってきた。すでにテスト走行で話題となっているが、2021年シーズンから両チームは“アステモレッド”と呼ばれる赤色のチームカラーで戦っていくことになる。

Astemo REAL RACINGとAstemo Honda Dream SI Racing

ファンに加え約9万人の従業員の思いを乗せて

 発表会で司会を行なった日立アステモ 広報の熊澤氏は、2009年からREAL RACINGを、2020年からSI Racingをケーヒンとしてサポートしてきたことを紹介。ケーヒンが自動車部品メーカーであり、「命を預かる部品を作る」メーカーであることから、最高峰の戦いを繰り広げる両チームに思いを乗せてサポートしてきたという。

 ケーヒンが日立オートモティブシステムズ、ショーワ、日信工業と経営統合したことで、今後は各チームのファンの思いに加え、統合会社であり世界的なメガサプライヤーとなった日立アステモ従業員約9万人の思いも乗せて走ることになる。

 伊藤監督は、約9万人の従業員の思いをプレッシャーを感じつつもと表現しつつ、応援団が増えたことは喜びであると歓迎。金石監督はサポートメーカーの技術でリードするという部分を戦いで表現してきたいとした。

Astemo REAL RACING
Astemo Honda Dream SI Racing