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日野、超低床&ウォークスルー可能な小型EVトラック「デュトロ Z EV」2022年初夏発売予定
2021年4月15日 13:24
- 2021年4月15日 発表
物流のラストワンマイルに向けた日野自動車の新たな提案
日野自動車は4月15日、物流現場における使い勝手とカーボンフリーを高次元で両立するウォークスルーバン型の超低床・前輪駆動小型EVトラック「日野デュトロ Z(ズィー) EV」を開発したことを発表した。市場への導入は2022年初夏を予定。
現在、労働人口の減少やeコマースの拡大などを背景に、荷物を生活者に届ける「物流のラストワンマイル」の現場では、ドライバー不足をはじめ、荷役作業などの配達業務の身体的負荷、荷物の増加や多様化への対応といった課題が深刻化。
物流業界では、今後さらなる荷物量の増加も見込まれ、こうした課題への早急な対応に迫られているうえ、カーボンニュートラルに向けた世界的な潮流から、物流事業者の環境経営へのニーズも高まっているという。
そこで日野自動車は、ユーザー目線で現場の課題をとらえ、これらの困りごとを解決する「超低床・前輪駆動」のEVを開発。
今回開発されたEVトラックのデュトロ Z EVは、ラストワンマイルに最適化した新開発EVシャシを採用。従来のエンジンとトランスミッションの代わりにコンパクトなモーターをキャブ下に搭載して前輪を駆動。バッテリーを荷台床下のフレームの内側に搭載し、それ以外の電動ユニットはほとんどをキャブの下に収め、従来の後輪駆動車では実現困難だった超低床を実現させた。
従来の後輪駆動車と比べて床面地上高は半分の約400mmという超低床構造を実現し、荷役作業性や乗降性を大幅に向上させた。さらに、ウォークスルー構造で宅配現場での使い勝手のよさも追求。
航続距離については宅配用途に必要となる100km以上を目指したという。また、ウォークスルーバンに加えて、用途に応じた荷台を架装できるキャブシャシ型も設定し、ユーザーのビジネス形態に合わせた架装を選べる仕様にしたという。
サイズは現行の日野「デュトロ」よりひとまわり小さいサイズ感とすることで、住宅街の走行しやすさはもちろんのこと、普通免許で運転可能とし、ドライバー人材確保にも貢献するとしている。
コンパクトな車体ながら荷室容積をしっかり確保していて、主に市街地での宅配を活躍するシーンと想定しているが、さらに店舗内、倉庫内、空港などの大規模施設内での用途や、夜間・早朝の稼動など、場所と時間を選ばない幅広い活用が期待でき、これからの「物流のラストワンマイル」に向けた日野の新たな提案とするとしている。
日野自動車 代表取締役社長の下義生氏は「日野初の本格EVである日野デュトロ Z EVは、これからの物流のラストワンマイルに、自信を持ってご提案する“使えるEVトラック”です。宅配物流に焦点を当て、お客さまの貴重なご意見を伺いながら完成させました。その答えが、使い勝手を追求した“超低床ウォークスルーEVバン”という形です」とコメントを出している。