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日野自動車と関西電力、トラックやバスなど電動商用車の最適稼働マネジメント事業で協業

2021年4月22日 発表

日野自動車下社長(左)と関西電力森本社長(右)

 日野自動車と関西電力は4月22日、トラック・バスなどの電動商用車(以下、電動車)の導入・運用に関する輸送現場の課題解決を目的にした新会社「キューブリンクス(CUBE-LINX)」設立に向けた合弁契約の締結を発表した。

 あらゆる業界において環境経営の推進が求められる中、輸送業界のカーボンニュートラル実現には車両走行時のCO2排出量の削減が必須となるが、EV導入にあたっては車両の契約に加えて充電設備の設置や電力使用契約など、複数事業者との煩雑な手続きがあり、導入のハードルになっている。また、日々の運用でも、非効率な充電による稼働率悪化や稼働中の電力不足を避けるために、緻密な運行管理や充電管理も必要となるなど、電動車の導入が進む一方で輸送の現場では課題が顕在化しているという。

 そこで日野自動車と関西電力は、新会社を通じて商用車・電力に関する両社の知見を活用し、電動車導入・運用における課題に対するソリューション提供に取り組むとしている。

 さまざまな車両メーカー、設備メーカー、ITベンダー、電力会社が参加可能なオープンなプラットフォームの構築を目指し、事業者の事業形態や車両の使い方に合わせた最適なソリューションをパッケージ化し、月額定額制サービスとしてワンストップで提供する予定だという。

プラットフォーム図

提供サービス

電動車導入サポート

 導入時に必要となる車両や充電設備といったハードおよびITシステムを月額提供

電動車稼働およびエネルギー利用の最適化マネジメント

 運行管理システムとエネルギーマネジメントシステムの融合により、最適な充電・配車計画および電池残量を考慮した走行ルートの生成、事業所および車両の電力需要トータルマネジメント

両社代表者のコメント

日野自動車 下社長

「社会全体におけるカーボンニュートラル対応に向けては、パワートレーン電動化の効果を最大化する視点も重要です。関西電力様との協業を通じ、電動車導入のサポートから日々の確実な稼働を支えるマネジメントまで含めたトータルソリューションを提供することでお客様の環境経営を支え、輸送業界のカーボンニュートラルに貢献していきたいと考えています」

関西電力 森本社長

「ゼロカーボン社会の実現に向けて、当社はエネルギー需給の両面で様々な取り組みにチャレンジしています。日野自動車様との本取り組みはその先駆けとなるものです。この取り組みを通じて広く事業者に開かれたプラットフォームを構築し、サービスプロバイダーとして電動車の導入から日々の運用までを一貫して、長期にわたりお客さまをサポートすることで、電動車の普及に貢献していきたいと思います」

 今後は関連する業界のさまざまなパートナーや社会の物流MaaS進展とも連携しながらサービス内容を拡充しながら事業を成長させ、将来的には自動運転車の運行マネジメントなども含め、あらゆる商用車を対象とするプラットフォームを目指すとしている。

新会社の概要

会社名:株式会社CUBE-LINX
所在地:東京都新宿区西新宿1丁目26-2 新宿野村ビル34階
資本金:5億円(日野自動車 66.7%、関西電力 33.3%)
代表:代表取締役社長 桐明幹(日野自動車)
設立時期:2021年5月初旬
営業開始:2022年初予定
事業内容:商用モビリティ利用プラットフォームの開発・運営、マネジメントサービス提供