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BMW、マイチェンした新型「MINI」シリーズ発表会 グラデーション仕様のマルチトーンルーフも登場

2021年5月25日 開催

273万円~482万円(3ドア)

290万円~427万円(5ドア)

385万円~538万円(コンバーチブル)

フェイスリフトした新型「MINI」シリーズの発表会を開催

グラデーションルーフ、ピアノ・ブラック・エクステリアに注目

 ビー・エム・ダブリューは5月25日、同日にマイナーチェンジして発売した新型「MINI」シリーズの発表会を都内で開催した。価格は3ドアが273万円~482万円、5ドアが290万円~427万円、コンバーチブルが385万円~538万円。発表会ではナショナル・セールス・マネージャーの山口智之氏、プロダクト・マネージャーの丹羽智彦氏が登壇し、トークショー形式で車両概要を解説した。

 今回のフェイスリフトでは、複雑さをそぎ落とし、極限までピュアにMINIの個性を際立たせるというコンセプトを掲げ、内外装デザインを一新した。

ビー・エム・ダブリュー株式会社 ナショナル・セールス・マネージャーの山口智之氏(手前)、プロダクト・マネージャーの丹羽智彦氏(奥)が新型MINIを紹介

 外観ではLEDヘッドライトを全車に標準装備するとともに、フロントグリルを大型化。また、従来はフォグランプが装備されていたフロントバンパー下部に新たにエアカーテンを採用するとともに、バンパー中央部分は従来のブラックからボディ同色に変更された。さらにラジエーターグリルを囲む六角形のフレーム部分がより太くなったほか、リアバンパーの下部に動きのある立体的なデザインが新たに採用された。

 ボディカラーは、少し明るめのグレー「ルーフトップ・グレー・メタリック」、深みのあるブルー「アイランド・ブルー・メタリック」、個性が際立つ「ゼスティー・イエロー・ソリッド」の3色を新しく追加。注目はグラデーションデザインを用いた「マルチトーンルーフ」で、車両前方に深みのある「ソール・ブルー」、中央部分に移動するにつれ明るい「パーリー・アクア」、さらに後方部分は濃い色「ジェット・ブラック」へと徐々に変化するというもの。MINIが生産されるオックスフォード工場の塗装技術により実現したもので、おのおのの塗料が乾き切る前に塗り重ねていくというウェット・オン・ウェット塗装が用いられており、1台1台で微妙に表情が変化するというのもポイントになっている。

 新型MINIでは「Trim(トリム)」と呼ばれる新しいデザインパッケージが設けられ、全世界統一でシンプルなオプションラインアップへと刷新された。Trimには最もシンプルな「ESSENTIAL TRIM(エッセンシャル・トリム)」、MINIの伝統的な個性が際立つ「CLASSIC TRIM(クラシック・トリム)」、スポーティ志向の高い「JOHN COOPER WORKS TRIM(ジョン・クーパー・ワークス・トリム)」、MINI YOURSの上質な装備を盛り込んだ「MINI YOURS TRIM(ミニ・ユアーズ・トリム)」の4種類が設定され、このTrimをベースにしながら装備を選択していくことで、自分の好みに沿ったより統一感のあるモデルを簡単に作ることが可能になった。

 中でも3ドアのクーパーS、5ドアのクーパーS/クーパーSD、コンバーチブルのクーパーSでジョン・クーパー・ワークス・トリムを選択すると、「ピアノ・ブラック・エクステリア」が標準装備(クラシック・トリムで4万1000円のオプション設定)される。今後MINIではメッキ加飾の採用を廃止していくとしており、その先駆けとして用意されたのがピアノ・ブラック・エクステリアで、こちらを選択するとヘッドライトまわりの加飾、ドアハンドル、サイドスカットル上部、フューエルキャップ、テールゲート右側に配置する「COOPER」のロゴ、前後のMINIウイングバッヂがピアノブラック仕様になる。メッキ仕様と異なり大人っぽく仕上げられる注目のアイテムと言えそうだ。

ルーフトップ・グレー・メタリックカラーを採用する3ドアのクーパーS。ボディサイズは3865×1725×1430mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2495mm
外観の各所がピアノブラック仕様になる「ピアノ・ブラック・エクステリア」を採用。マフラーのテールエンドもダークトーンでまとめられている
車両前方に深みのある「ソール・ブルー」、中央部分に移動するにつれ明るい「パーリー・アクア」、さらに後方部分は濃い色「ジェット・ブラック」へと徐々に変化する「マルチトーンルーフ」

 室内ではタッチ操作が可能な8.8インチ・ワイドカラーのセンターディスプレイが全車標準装備されるとともに、デジタル表示のマルチディスプレイメーターパネルを採用。8.8インチのセンターディスプレイはスイッチ類も含めてフラットなデザインになり、ディスプレイ内の表示レイアウトもモダンな印象に変更された。

 また、ドライバーの気分に応じてブルーを基調とした表示で落ち着きのある雰囲気を演出する「ラウンジ・モード」や、ゴーカート・フィーリングを視覚的に演出する「スポーツ・モード」に変更することが可能。オプション装備として設定された新しいアンビエントライトを選択すると、インテリアサーフェスやドアトリムの下などにLEDライトが装備され、室内を囲い込むように「ラウンジ・モード」「スポーツ・モード」の配色に呼応したカラーが点灯できる。

 さらにレザーステアリングホイールが全車標準装備になるとともに、インテリアサーフェスが中央のエアコンディショナー吹き出し口を取り込んだ一体型のデザインに刷新されている。

ゼスティー・イエロー・ソリッドカラーのクーパーS(コンバーチブル)。ボディサイズは3880×1725×1415mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2495mm。ガソリンモデルは直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ「B48A20A」型エンジンを搭載し、最高出力141kW(192PS)/5000rpm、最大トルク280Nm/1350-4600rpmを発生

 そのほか先進安全装備のアップグレードも図られており、運転支援システムであるアクティブ・クルーズ・コントロールには、3ドア/5ドア/コンバーチブルとして初めてストップ&ゴー機能を装備。加えてMINIブランドとして初搭載のレーン・ディパーチャー・ウォーニングや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキを標準装備した。

 また、今回のフェイスリフトではMINI Connectedを全車に標準装備し、車載通信モジュールにより車両外部との通信によるコネクティビティを高めるとともに、MINI SOSコールやテレサービスなども提供。加えて4月にリニューアルされたスマートフォンアプリ「MINI App」と連携させることで、車両に乗り込まなくても車両の状況、車両の位置の確認、車両のロック/ロック解除、ヘッドライトの点灯、換気操作といったことが遠隔で可能になった。「MINI App」はアプリ上の地図機能に加えて、Google MapsやAppleマップと連携することが可能になっている。

アイランド・ブルー・メタリックカラーのクーパーSD(5ドア)。ボディサイズは4040×1725mm×1445mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2565mm。搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッターディーゼルターボ「B47C20B」型エンジンは、最高出力125kW(170PS)/4000rpm、最大トルク360Nm/1500-2750rpmを発生

 一方、3ドアとコンバーチブルに設定されるジョン・クーパー・ワークスではよりスポーティな外観に一新。具体的にはラジエーターグリルを囲む六角形のフレーム部分が大きくなり、バンパー下部のエアインテーク部分まで取り囲む形状にすることで存在感のあるデザインに仕上げた。サイドスカットルには、ターンインジケーターの上部分にジョン・クーパー・ワークスを象徴するレッドのアクセントカラーが加えられるとともに、ジョン・クーパー・ワークスのロゴが施された。リアバンパー下部では従来の六角形のメッシュ形状を減らし、凹凸のないフラットなパーツと組み合わせることでメリハリがあるアグレッシブなデザインに仕上げている。

3ドアとコンバーチブルに用意されるジョン・クーパー・ワークスも同時にお披露目
3ドアのジョン・クーパー・ワークスのボディサイズは3880×1725×1430mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2495mm
搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ「B48A20B」型エンジンは最高出力170kW(231PS)/5200rpm、最大トルク320Nm/1450-4800rpmを発生
ジョン・クーパー・ワークスの室内。新型MINIの室内ではタッチ操作が可能な8.8インチ・ワイドカラーのセンターディスプレイが全車標準装備されるとともに、デジタル表示のマルチディスプレイメーターパネルを採用

MINIブランドの4月単月の販売実績は前年同期比で24.3%成長

ビー・エム・ダブリュー株式会社 MINIディビジョン 本部長のピーター・メダラ氏

 発表会ではMINIディビジョン 本部長のピーター・メダラ氏も登壇するとともに、MINI グローバルトップのベルント・ケルバー氏がビデオレターで出演し、2020年のMINIブランドの実績などを紹介した。

 ケルバー氏は冒頭、グローバルにおける業績について触れ、2020年はグローバルで約30万台のMINIを納車したこと、2021年の第一四半期には全地域で2020年の売り上げを超えただけでなくコロナ禍前の2019年を超えるという、期待以上の業績を残したことを報告。2021年の第一四半期は厳しい状況にもかかわらず、いくつかの地域で過去最高の売り上げを記録したという。

 ケルバー氏は、この成功の秘訣はブランドの起源にあるとし、「MINIは危機から誕生したブランドです。1959年、MINIは当時のモビリティが抱える課題の答えとして生まれました。1950年代後半、スエズ戦争のさなかに小型で経済的、かつ手に入りやすいMINIはモビリティの賢いソリューションでした。課題をチャンスに変えていくスピリットは60年の歴史で引き継がれてきました。このスピリットこそが2020年を乗り越え、2021年に力強い業績を築き、強いグローバルブランドであり続ける原動力となっています」と報告。

 そして新型MINIについては「今日、新型MINIを発売します。3ドアとコンバーチブルはジョン・クーパー・ワークスを含みます。第四世代であり、全3モデルに集中的にアップデートを図り、最高のモデルとなっています。新型MINIはMINIらしさと巧みなソリューションを備え、DNAに忠実で、未来に向けての再発明です。見た目も新たに標準装備をアップグレードし、エネルギーとパッションのコミュニケーションをお届けします。この3モデルはドライビングの楽しさであるゴーカートフィーリング、表情豊かで個性的なデザインのベンチマークとして登場しています。新型MINIの登場により、スモールカープレミアムセグメントにおいてかつてないほどアイコニックな成熟度を達成しました」とアピールを行なっている。

 また、メダラ本部長は「MINIのビジネスですが、コロナ禍でも好調に推移しており、2016年から5年連続で車名別No.1を維持しています。さらにBMWグループのもとで日本でMINIの販売を開始したのは2002年となりますが、昨年に国内累計販売台数30万台を超えるなど大きなマイルストーンを達成しました。この場をお借りして、日本のMINIファンの皆さまに心よりお礼申し上げます。2021年もあっという間に時が過ぎましたが、2021年(現在)のMINIの販売は前年同期比で15.3%増加しました。そして4月単月の販売実績は前年同期比で24.3%成長しました。日本でのMINIへのLOVEはますます高まっています」と報告。

2016年から5年連続で車名別No.1を維持
2021年(現在)のMINIの販売は前年同期比で15.3%増加

 そして新型MINIは大胆かつ際立ったデザイン、運転する楽しさ、独自のスタイルを採用しているとし、「MINIに乗ると自然と笑みがこぼれる、そして運転するとさらに笑顔が広がるとお客さまからよく言われます。今までたくさんのMINIオーナーの皆さまとお会いしましたが、皆さま自分だけのMINIにまつわるエピソードと特別なストーリーをお持ちです。MINIはクルマだけではありません、家族の一員なのです。こういった1人ひとりの体験が情熱を生み出し、ブランドへの“BIG LOVE.”へとつながります。そうすることによってMINIファン同士がつながっていくのです。“BIG LOVE.”、1人ひとり違うけれど一緒にいると楽しい。日本でもっと“BIG LOVE.”を広げていきたいです」と抱負を語った。