メルセデス・ベンツ、コンパクトカー初のプラグインハイブリッドモデル「A 250 e」

プラグインハイブリッドモデル「A 250 e」

　メルセデス・ベンツ日本は5月26日、スポーツコンパクトモデル「Aクラス」にプラグインハイブリッド「A 250 e」「A 250 eセダン」を追加し、予約注文を開始した。価格は受注生産モデルとなる「A 250 e」が557万円、「A 250 e セダン」が567万円。納車は本年6月上旬より順次予定されている。

　Aクラスは、先代モデルのワイド＆ローのプロポーションとアグレッシブで若々しいボディスタイルというコンセプトはそのままに、プラットフォームを完全新設計してメルセデス・ベンツの先進技術を採用することで快適性を向上させたスポーツコンパクトモデル。

　Aクラス セダンは、AクラスやBクラスなどに使用している最新の前輪駆動シャシーをベースにした初のプレミアムコンパクトセダンで、セダンのフォーマルさとAクラスの持つ若々しいイメージを融合。狭い街中であっても持て余すことがないコンパクトなボディサイズを特徴としている。

　どちらも対話型インフォテインメントシステム「MBUX（メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス）」や安全運転支援システムを採用するなど多くの機能を取り入れている。

　今回追加されるA 250 eは、最高出力118kW（160PS）、最大トルク250Nmを発生する直列4気筒 1.4リッターターボ「M282」エンジンを搭載し、フロア下部に15.6kWhのリチウムイオンバッテリーを備えるプラグインハイブリッドシステムを採用。140km/hまではモーターのみで走行ができ、EV（電気自動車）のように使用することも可能。

　電気モーターのみで走行可能な航続距離は、WLTCモードの等価EVレンジ（EV走行換算距離）で70.2kmを達成。充電方式は、3.2kW（日本における使用で想定される200V・16A充電の場合）までの交流普通充電と、24kWまでの直流急速充電（CHAdeMO規格）に対応している。

　電力消費率や航続距離は運転スタイルによって大きく変わるため、A 250 eは特性の異なるさまざまなドライブモードを備えることでドライバーをサポートする。搭載されているドライブモードは以下のとおり。

・C（コンフォート）：デフォルトのモード。走行状況、走行距離に応じて駆動方式が選択される。
・ECO（エコ）：電気モーターでの走行が優先されるモード。走行状況と走行距離に応じて最適な駆動方式が選択される。
・S（スポーツ）：最高のレスポンスによりスポーティな走行性能を実現することを重視したモード。
・I（インディビジュアル）：走行特性、ステアリング特性を個別にカスタマイズして設定できるモード。
・EL（Electric）：セーリングモードが作動し、140km/hまでの速度で電気モーターのみでの走行ができるモード。
・BL（Battery Level）：充電量を一定に保つため、ハイブリッドシステムによる駆動方式を選択するモード。

　また、ELモード走行時には、ステアリングホイール裏のパドルでバッテリーへのエネルギー回収量を5段階で調整可能。パドルは左側が回生レベルの上昇、右側が低減のスイッチとなっており、以下の段階が設けられている。なお、完全に停車させるときは、回生ブレーキの設定に関係なく、これまでと同様のブレーキ操作を行なう必要がある。

・D＋：コースティング
・D：軽度の回生ブレーキ
・D－：中程度の回生ブレーキ
・D－－：強度の回生ブレーキ（ほとんどの場合、回生ブレーキだけで十分な減速が得られる）
・D Auto：前走車との車間距離、登坂・降坂などの道路状況などを加味し、最適な強度の回生ブレーキ

　さらに、ELモードの際に“これ以上アクセルを踏むとエンジンも使用しなければならない”というモーター走行の限界点で、アクセルペダルの抵抗を増してドライバーに知らせる「プレッシャポイント機能」を備える「インテリジェントアクセルペダル」を採用。無駄なエネルギーの消費を抑えられるようになっている。

　なお、希望者には交流普通充電器本体（充電用ウォールユニット）を無償提供するほか、設置にかかる費用負担を軽減するため10万円のサポートを実施。充電によるユーザーの利便性を向上している。