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ピレリ、世界初のFSC認証P ZEROタイヤを量産化 BMW「X5 xDrive45e」向けに開発
2021年5月27日 17:02
- 2021年5月19日(現地時間) 発表
米ジョージア州ローマ工場でのみ生産
ピレリは5月19日(現地時間)、世界で初めてFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)認証を取得したP ZEROタイヤの量産化に成功したと発表した。BMWのPHEV(プラグインハイブリッド)モデル「X5 xDrive45e」用に開発されたもので、サイズはフロントが275/35R22、リアが315/30R22。
FSC認証は、農園が生物の多様性を維持し、地域住民や労働者の生活に利益をもたらす方法で管理され、経済力も保証するもの。複雑なFSC CoC認証プロセスでは、農園からタイヤメーカーまでの原材料のサプライチェーンにおいて、FSC認証を取得した原料と、そうでない原料は別々に管理されていることを証明する必要があるという。
今回のP ZEROタイヤはX5 xDrive45e向けに開発されたもので、BMWグループはX5 xDrive45eに対して原材料調達、サプライチェーン、製造、エンドユーザーの使用から、リサイクルに至るまでの製品ライフサイクルに対してCO2の認証を行なった。
このP ZEROはピレリの「パーフェクトフィット戦略」に沿ってBMWがX5 xDrive45eに求める性能要求を満たしつつ、ハイブリッド車としての「グリーン(環境)」哲学に貢献。この新しいタイヤはピレリの米ジョージア州ローマ工場でのみ生産され、低転がり抵抗の欧州ラベルで「A」を満たし、燃費の向上や有害物質の排出削減といった環境面でのサスティナビリティを狙って設計。さらに低騒音という特徴も備えているという。
今回の発表について、ピレリのシニア・ヴァイスプレジデントでSustainability and Future Mobility責任者のGiovanni Tronchetti Provera氏は「サスティナブルなモビリティは、何よりも、原材料から始まります。世界初のFSC認証タイヤによって、ピレリは再び、ますます困難なサスティナビリティの観点で目標を追求するというコミットメントを示しました。これは、革新的な素材と最先端の生産プロセスを絶えず追求していくことの証です。私たちは、地球のサスティナブルな成長のために投資を続け、それが私たちのビジネスの将来にとっても不可欠であることを認識しています」とコメント。
BMW AGの役員で調達およびサプライヤーネットワークの責任者のAndreas Wendt氏は「プレミアムメーカーとして、私たちはサスティナビリティをリードし、その責任を果たすことを望んでいます。私たちは、2015年からサプライヤーネットワークの透明性を向上させ、天然ゴム栽培を改善することに尽力してきました。認証を取得した天然ゴムを使用したタイヤを採用することは、業界における先進的な成果であると言えます。このようにして、私たちは生物多様性と森林を保全することで気候変動を防ぐことにも貢献できます」と述べた。
また、FSC国際事務局のチーフマーケットオフィサー Jeremy Harrison氏は「今回発表されたピレリのFSC認証タイヤは、天然ゴムバリューチェーン全体に経済、社会、環境的な恩恵をもたらす歴史的な出来事です。特に天然ゴムのサスティナビリティという課題に対して重要な意味を持っています。私たちは、天然ゴムを小規模事業者から市場へ供給する透明性のあるバリューチェーンを実現し、責任のある調達を行ったピレリを祝福したいと思います。また、FSC認証タイヤの開発をサポートし、自社の最新モデルへの採用を決定したBMWグループにも拍手を送りたいと思います。これは、サスティナブルな天然ゴムのバリューチェーンに向けての大きな前進と考え、森林伐採を減らし、気候変動に立ち向かうための戦いを支援するものと考えます。私たちは、このケースで示されたサスティナビリティ・リーダーシップを称賛するとともに、業界全体に広く変革をもたらすことを期待しています」とコメントしている。