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ブリヂストン、EVの需要増を見据えてアメリカの「空気バネ工場」を増強

2021年5月28日 発表

米国ケンタッキー州ウイリアムズバーグにある空気バネ工場

ブリヂストングループ傘下であるFSIPの工場を拡張

 ブリヂストンは5月28日、グループ会社であるブリヂストンアメリカズ傘下のファイアストン インダストリアル プロダクツ(以下、FSIP)の米国ケンタッキー州ウイリアムズバーグにある空気バネ(=エアスプリング)工場(以下、ウイリアムズバーグ工場)を増強することを発表した。総投資額は約5100万ドル(約56億円)で、2021年第2四半期中に着工、2022年末までに増強を完了する予定。

 ブリヂストングループは「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供する会社へ」をビジョンに掲げ、中期事業計画(2021-2023)を推進。自動車業界ではCASE化が進み、その中でもカーボンニュートラル化へ向けグローバルでEV(電気自動車)化が加速している。ブリヂストンの中期事業計画(2021-2023)では、サステナビリティ・モビリティの進化を見据えた「断トツ商品」戦略の展開をおり込み済みで、EV化の加速に対応した高付加価値商品、技術の拡大・強化を進めているという。

 空気バネは、サスペンションとして機能する自動車部品で、FSIPは米州多角化事業の1つとして、乗り心地や操安性といった基本性能に加え、近年は技術イノベーションを通じてEV向けに電費の向上やバッテリーの保護に貢献する製品として開発・製造している。

 今回、ウイリアムズバーグ工場では世界的なEVの需要拡大に対応し、主にEV向け空気バネの生産能力を増強。これは中期事業計画(2021-2023)の中で、多角化事業については、ブリヂストングループのコアコンピタンス、シナジーが活きる事業にフォーカスするとしていることを受けてのこと。FSIPが製造する空気バネは、ブリヂストングループが目指すSDGsの達成、持続可能な社会実現への貢献を前提とした「サステナビリティビジネス構想」、モビリティの進化を支えることにおいて、シナジーが最大化されると判断し、今回の増強に至ったという。

 なお、この施策が2021年12月期のブリヂストングループ連結業績に与える影響は「軽微」としている。

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